ネオロマゲー初見勢の遙かなる時空の中で6 感想 共通ルート/ダリウスED

ここまでのあらすじ

 「ネオロマンスのキャラソン全部聴く」さんの活動からネオロマンスシリーズに興味を持ち、「初心者にお勧めの作品はありますか?」という大変面倒なマシュマロを送ったところ、大変丁寧なガイドを頂きました。

 ここまでしてもらって「面白かったです~!」で済ませること出来る?  ゲームをプレイして詳細に感想をお伝えするべきでは?? というか遥か6めちゃめちゃ面白いし、ファーストインプレッションをしっかり書き残しておきたい。というわけで遙か6感想記事を書いていくことにしました。

 ネオロマ初見勢と書きましたが、より正確に言うと、漫画版遙か1と漫画版コルダは全巻履修しています。「ネオロマンスのゲームは未履修」ですね。どちらの作品もキャラデザの先生が作画されているので、画面が凄く華やかで読みやすかったです。特にコルダは、アニメ版も見て、キャラソンも何曲か聞きました。あと、遥か3は作品知名度のおかげで、何人か顔とキャラクターが一致する人がいるな~ってかんじ。ふわっとしてるなあ。

 全体的な感想

 人間が人間を好きになる過程をねちっこく楽しめるタイプのオタクが、ネオロマンスを楽しめないはずがありませんでしたね……。

 まず、ビジュアルがめちゃめちゃ良い……。スチルが美麗なのはもう当たり前のことなのかもしれないけれど、UI画面のデザインとか、基本的には淡い水彩調で纏められているけれど、一部は影絵っぽくなってる背景とか、「画面のすべてで優雅で美しい作品世界を表現するぞ」という制作陣の意気込みが感じられて「うわぁ大正ロマンの世界だ~!」と大喜びしてしまいました。

 そして、テキストの質がすごい。めちゃめちゃ繊細で丁寧なのに、過剰じゃない。攻略対象がプレイヤーキャラへ好意を持つ過程に違和感がなくて、するする感情移入できる。「そりゃこんな素敵な女の子のことは好きになっちゃうよな~」って素直に納得できる。前にプレイした乙女ゲームでは「なんで攻略対象がプレイヤーキャラに好意を持ったのかさっぱりわからんぞ???」と、途中で投げてしまったことがあったので、さすが老舗は違うなあ、と感動しました。

 あと、設定の作りこみも大好きでした。現実の大正って、第一次世界大戦(日本は参戦しなかったけど)が起こったり、関東大震災が起こったりと、華やかな文化が発達した一方で……という時代だけど、その辺の不安定さが、遥か6の世界では怨霊の跋扈や軍の暗躍のせいで、世論が不安定になっている部分に置き換えられていている。この置き換えがめちゃめちゃ上手くて、歴史上の人物は登場しないけれど、なるほどこのシナリオをやるには大正時代である必要があったんだろうなあ……、けれどタイムスリップ物にしちゃうと色々ややこしいからなあ……と、「大正風異世界」である必然性が強く感じられました。

 システム面でも、いつでもどこでもセーブできるようになってたり、2週目以降は戦闘をスキップできるようになってるみたいだし、めちゃめちゃ福利厚生が整っている……ありがたい……。

 総じて完成度がすごいというか、良くできた作品だなあ……というのが感想です。

 以下、ネタバレ込みの雑多な感想です。

共通ルートの感想

 細々書いていくとキリがないのでさっくり纏めますが、一番好きだったのが、確か3章だったかな? 梓が精鋭分隊の前に立って挨拶するときに、「利用されていたとはいえ、敵対していたことを謝罪する(スクショが取れてなかったので大分うろ覚えです……)」という旨の選択肢を選ぶと、九段さんや千代ちゃんが「そういうことは中々出来ることではない」と褒めてくれるところです。ここのシナリオを読んだとき、「正しいことをすれば、ちゃんと褒めてくれる人たちだ……!」と私の中のキャラクターやシナリオへの信頼度がめちゃめちゃ上がりました。正しいことが、正しい。なんて気持ちの良い世界なんだ……。

 共通ルート1週目では、ダリウス、ルードハーネ、コハク、有馬の好感度イベントを回収しました。簡単な所感としては、ルードハーネくんはなんかもう一挙手一投足が可愛かったしものすごく真面目で優しいところに好感が持てたし、コハクくんは彼自身のトラウマとかを共通ルートで粗方消化しちゃったから個別ルートで何やるんだろう? というか純粋に梓ちゃんを慕ってる(ほんとうに『慕ってる』って表現がしっくりきますよね)のがかわいいし、有馬さんは逆にここからどう恋愛に転ぶんだ? って感じでした。というか共通ルートで回収しきれなかったキャラもいるのに、全員魅力的でした。ネオロマのシナリオ力すごいなあ(二回目)

 一週目の攻略対象はダリウスに決定。CVが鈴村健一さんなのと、パッケージですごい看板キャラっぽい顔をしていたのが決め手になりました。


ダリウスルートの感想

 ネオロマのシナリオ力のすごさを思い知らされました(3回目)。ダリウス様って8歳も年下の女の子から「寂しがりや」って言われちゃうくらい人間味があって、異世界から召喚された女の子を横から攫って色気で誑かして良いように使おうとする(文字に起こすとすごい)くらい善良ではない人格をしているキャラクターを、これだけ魅力的な恋愛対象として書けるのすっごい。(私はダリウス様のこと大好きです)

 なんか出だしから梓ちゃんにめちゃめちゃ優しくて「そりゃ16歳の女の子が年上の男からこんな優しくされたら好きになっちゃうよな~」って感じだったし、そのあともこう、ちらちらすごくいいタイミングで梓ちゃんの前に現れるの、ほんとズルい男だな~! って感じでした。というかダリウス様、梓ちゃんの無邪気さに絆されてしまったり、秋兵さんの父親の方が一枚上手だったり、絶妙に悪の才能が無いですよね。貿易商として成功を収めているあたり、仕事はできそうなのに。なぜ……。

 あと、EDのめちゃめちゃ張り切って結婚式の準備を進めるルードハーネくん可愛すぎやしませんか……。素敵な結婚式になったんだろうなあ。そこまで見たかったよ……。ところで、個別ルートに入ると、システムの都合上他の攻略キャラとの恋愛イベントは起きなくなってしまうけど、梓ちゃんへの想いを抱えたまま、煮え切れない恋愛感情を押し殺そうと仕事に没頭するルードハーネくんもそれはそれで見たいです。男の嫉妬を眺めるのが大好きなので。

 スチルだと6枚目と10枚目がすごく好きです。6枚目は梓ちゃんとダリウスの対格差がバッチリ書かれててすごいぐっとくるし、10枚目はもうちょっと麗しすぎますね。金髪紫目の美しい男が花に埋もれて眠ってるのとか様にならないわけないんだよな~! もうキャラデザの大勝利って感じだ。設定とキャラクター性とキャラデザの噛み合い方がすごい。

 最後にこれは完全に妄想なんですけど、愛宕山でダリウスが梓に術をかけて操ったのは、梓に「自分のことを信頼して黒麒麟の力を使わせて欲しい」って言っても断られるだろうし、断られるのが怖かったからなんだろうなあ……と思ってます。まじで私見なんですけど、ダリウス、自分の懐に入れた人間からちょっとでも拒絶されることに耐えられなさそう……。だから周囲の人間にめちゃめちゃ優しいんだろうなあ……。

 まあ、とにもかくにも遙か6ダリウスルートめちゃめちゃ楽しめたので、次は有馬さんを攻略しようかなあ、と思っています。彼も看板キャラっぽいし。


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