ファイアーエムブレム 風花雪月 1週目 青獅子の学級ルート

プレイ済みの知人ほぼ全員から「あまいろさん絶対に好きだからやった方が良いですよ」と勧められまくった本作。1/8日に初めて本日1/19に無事完走しました。総プレイ時間は約39時間。そんなに早くないように見えるかもしれないけど、ポケモン剣盾を25時間くらいでクリアするのに1か月かかった人間としては久しぶりにどっぷりハマった作品でした。

以下ネタバレばっかりの感想になります。

終わってみての所感

 あ、これはヤバいゲームだな、と本格的に認識したのが2章のグロンダースの戦いからでした。学園で交流した生徒たちが、断末魔の悲鳴を上げながら主人公や仲間たちの手で息絶えていく。それだけならまだしも、デアドラ救援戦に現れる「不自然に少ない同盟軍」といった形で、彼らの不在を突き付けてくる。シュミレーションゲームというシステムを活かして「我々が奪った命」を忘れさせてはくれない。なんて適格にプレイヤーの心をえぐってくるゲームなんだろう。TLで見かけた「道徳満点の人が作った、人の心を折るためのゲーム」という評価の正しさを思い知りました。

 本編のラストシーンも誠実なものでした。争いに勝ち手を差し伸べるディミトリと、破れ地に伏せながらも短剣を突き立てるエーデルガルト。勝者の優しさなんてものには絆されない。彼女の考えは、そんな感情なんかに揺るがされるようなものでは無い。黒鷲学級のシナリオは未改修なので、エーデルガルトの人となりについてはまったく知らないのですが、あのワンシーンからも彼女の信念とプライドの高さがうかがい知れました。そしてディミトリは、他ならぬ彼自身の手でエーデルガルトの命を奪います。あのシーンの血濡れた槍は、彼が歩む「正道」も彼女の「覇業」と同じように、他者の正義を叩き割って、返り血を浴びながらも進まねばならないものであることを象徴していたのではないでしょうか。

 青獅子の学級のシナリオは、未回収の伏線も多く疑問の残るものでしたが、他のルートできっと回収してくれるのだろう、そう期待できる重厚なシナリオ・世界観を味わうことをができ大変満足しています。FE初プレイでクリアできるか不安でしたが、幅広い難易度を用意してくれたことで、大きく躓くことなく最後まで楽しむことができました。隙あらば私にFEを勧めてくれた友人たちのように、興味を持っている人に風花雪月に誘い込む妖怪になろうと思います。みんな風花雪月をプレイしてくれ。私は黒鷲の学級ルートと金鹿の学級ルートをクリアするから。

キャラクターごとの雑感

ディミトリ

 誰かこいつを早く精神科に担ぎ込んでくれ!? 「お前のためなら誰でも殺してやる」のくだりあたりから彼のことはヤンデレとして認識してました。

 というか国王が暗殺されて(多分)国内情勢も不安定なのによく士官学校に入学できたね……。不在の間にコルネリアに国を乗っ取られるのかもしれないとかそういうのは無かったのかな……。序盤は訳も分からずにプレイしてたから私が読み逃してただけかもしれないけど。不安定なメンタルを良心とプライドで無理やり押さえつけて、善良な人間のように振る舞っているキャラクター性はめちゃくちゃ好きなんだけど、為政者として考えると、ちょっと感情的すぎるというか、疑問の残るところが多くて素直に萌えられなかった。けどディミレスは好きです。優しそうだけど不安定な人と、無表情だけどメンタルが強い人の組み合わせ、大変良い。

 闇落ちからは回復したけど、自分を顧みることは出来て無さそうで心配。というかドゥードゥーのED記述から見るに、早死にするのは確定なんですかね……。つらそう……。

 戦闘面については「やっぱり主人公格は強い方が良いよね!」と思って優先的にレベルを上げてたら強くなりすぎて、他のキャラクターに食べさせようと思ってた敵までがんがん食べていってちょっと困った。紋章武器がなくても重装歩兵をばったばったとなぎ倒していってくれて心強かったです。

ドゥードゥー

 このゲームをやっていて一番涙が出て来たのが、エピローグで出て来た「ディミトリが亡くなった後は命が尽きるまで彼の墓を守り続けた」みたいな一文が出て来たところだった。本当に自分の命を最後までディミトリに捧げてしまったんだなあ。すごい人生だ。

 ドゥードゥーが帰ってきたから、ディミトリも闇落ちが直ったんだなあと感動してたんだけど、フラグの立て方によってはドゥードゥー復帰しないこともあるよって聞いてひっくり返りました。えっまじで正気で言ってるの……このゲームのシナリオ何パターンあるの……。こわ……。

 戦闘面では鈍足が響いてあんまり活躍させてあげられなかった……。けど狩り残した縦走歩兵を叩きつぶしていってくれて、頼もしかったです。

フェリクス

 お前その顔でクーデレ枠なんか!? アネットとの支援会話B(なんだかんだ言って歌詞のフォローしてあげたり普通に気になってそうなとこがかわいい)とか、シルヴァンとの支援会話B(シルヴァンはあのくらい言われてもしょうがないやつだよ……)とかで、育ちの良さが隠しきれてない人の良さが出てて最高でした。ちょっと口が悪いだけだけなんだなあ。あとセテスがフェリクスのことを妙に気にかけてるわりに、支援Bまでしかないのも謎でした。私が回収できなかったフラグがあったんだろうか。

 シルヴァンもそうだったんですけど、女性陣に比べればディミトリの行動に疑問を持ちはするのに、正そうとか弑そうとかそういう思考にはならないんですよね。騎士と王という強化の上下関係に所以するものなのかなあ。というか父親の件といい、フェリクスはもっとディミトリに表面だって怒っても良かったと思うんだけど。もしかして支援会話で回収できたんだろうか。

 理学を才能開花して、エピタフに転職してもらいました。にしてもFEは日本製のゲームのはずなのに、どうしてあんなに外人が想像する間違った日本って感じのジョブ思いつくんでしょうね。

メルセデス

 ごめんなさい良い人なのは分かるんだけど正直ちょっと怖かったです。なんか、ちょっと距離を詰めた人には、弱みを見せ合ってどんどん身内に取り込もうとしてるように感じてしまうというかなんというか。けど青獅子みたいな身内やメンタルに問題を抱えまくってる子が多いクラスには、メルセデスみたいな距離の取り方をする子がいないとあっという間に瓦解しちゃいそうだしなあ。あと多分なんかフラグを回収しそびれてるんだよね。死神騎士を妙に気にかけてるのは何だったんだろう。

 キャラクターという面からは離れた話になるんだけど、彼女とイングリットは計略結婚にまつわるエピソードが多いのが気になった。ファーガスは他の地域と比べると保守的な雰囲気の国というか、女性は地位が低いのかな? エーデルガルトは女帝になるし、同盟にもジュディスみたいな女当主がいるのに、王国には出てこなかった気がする。コルネリアも仕えてるとは書いてあったけど、具体的な地位については言及されてなかった気がするし。

 戦闘では範囲回復を覚えてくれたのがこの子だけだったので、大変助かりました。というか他者を回復すると自分も回復する紋章効果が強すぎない?

アッシュ

 癖の強い男ばっかりの青獅子の学級の癒し枠でしたね……。というか青獅子の中でもトップランクに好きです。指輪を渡すのアッシュくんにするかディミトリにするかで10分くらい悩んだ。(ディミトリにしました)

 彼とロナート卿のくだりを遊んだ頃は、まだ状況が良くつかめてなかったのでもう一回確認したいなあ。5年後のプロフィール欄にさらっと「故郷に戻りローベ家に仕える」「ローベ家が帝国に臣従したため下野する」とか書いてあって、そのあたり外伝にしてほしかったよ!? 騎士として身を立てることを望んでいた彼が「下野」という選択肢を取るまでの間にはものすごい葛藤がありそうな気がするのに。

 終盤でボウナイトに転職させてフェイルノートを装備させたら、鬼のような射程とダメージ量でMVPゲッターになってくれました。

シルヴァン

いきなり「あんたが妬ましくていっそ殺したいくらいですよ(うろ覚え)」みたいなことを言われて先生はびっくりしました。えっ君そんなあざとい感じのキャラクターだったの……。これいうの2回目なんだけど君もヤンデレかよ……。どうなってるのファーガスの情操教育……。

 アネットとの支援会話Bで「君とあと10年早く会えていたらなあ」みたいなことを言っていたけど、彼の周りには幼馴染組がいたわけで、彼らはきっとシルヴァンと対等な立場で競い合っていたと思うことを望んでいたんじゃないかなあ。そういうことに気づけない、彼自身の視野の狭さが、彼自身の息苦しさに繋がってしまったのかなあ、と悲しくなった。まあ、出会って間もないアネットから言われたからこそ刺さったのかもしれませんが。

 早い段階で馬に乗ってくれたので、戦場でも目まぐるしく活躍してくれました。裂空が便利だった。

イングリット

 もうめちゃくちゃ後悔してるんだけど、1章の間に支援会話Cを回収できなかったせいで、支援会話が全く見れてない……数値的にはたぶんきっとAまで上がってるはずなのに……。そういえばEDで「生涯を独身のまま過ごした」って強調されてるってことは、誰かと結婚するルートもあったのかなあ。シルヴァンかフェリクスあたりだろうか。兄と婚約者で次は弟っていうのも外聞が悪い気はするけど。

 彼女とアッシュは騎士道物語も好き、フェリクスも兄の影響で本を知っていたり、青獅子学級は読書好きな子が多い気がするんだけど、雪深い国だから屋内で出来る遊びが発達してたりするのかな。そういう想像をするのもちょっと面白いです。

 うちでは大変貴重な飛行ユニットだったので、先行しトラップ解除をやってもらうことが多かったです。結果、すぐに落ちてしまうことも多くて大変申し訳なかったね……。

アネット

アッシュ君と並んで青獅子のクラスの癒し枠でした。支援会話では他のキャラクターの良いところを引き出しまくってて、ああこの子は本当に良い子なんだなあと心打たれました。ED後は家族みんなで仲良く暮らすのかなあ、と思っていたらまさかのハンネマンとのペアエンド。けど魔法学校で教師を務めながら、研究で身を立てるの、めちゃくちゃ向いてそう。絶対に良い先生になる。

そういえばメルセデスとの支援Bの間に、二人で食事をさせると、会話内容が変わってたんだけど、もしかしてあれ色んなキャラの分あるの……。風花雪月のテキスト量ほんとうに恐ろしいな……。

うちのクラスでは貴重な魔法使い枠でした。重装歩兵を焼き殺す係。というか青獅子の学級、槍使い多くない?

主人公

あなたは結局何者だったんですか……。私にはまったく分からなかったよ。

シナリオ面の疑問

 私が読み逃していたorフラグを建てられなかっただけかもしれないけど、以下のところはちょっとよく分からなかったです……。他ルートを遊ぶ時に確認できるよう列挙しておきます。

・主人公は何者だったのか? (これ放置するのはちょっと意外というかびっくりというか、コントローラーを投げそうになった。レア様救出の時に説明が入るのかと思ったら一行で終わったよ。ちょっとどうかと思うよ)

・序盤で出てきていた、魔物っぽい人たち?は何だったのか (まじで何だったの……エーデルガルトが召喚した魔族とかなんだろうか。けど仲間割れしてたしなあ)

・エーデルガルトはなぜ炎帝を名乗っていたのか (教団を陥れるためなんだろうけどもっと効率良い方法があっとのでは)

・エーデルガルトがセイロス教団の存在を許せないのは何故なのか(急に出て来たからびっくりした)

・何故コルネリアは急に変貌したのか? (時の流れとは残酷~みたいなことを言ってたけど、序盤の修道院の敵みたいに魔族に乗っ取られた可能性もあるのでは?)

・主人公に憑りついてたのじゃロリはなんだったのか(女神ソティス? 親密度が足りなかったのかなあ。最後に指輪を渡せそうなオーラが出てたし)

・フレンは何者なのか? 人間じゃなさそう。(勝手にセテスとレアの娘なのかと思ってたんだけどどうもそういう訳ではなさそう)

・セテス支援A (なんで絶対に裏切らないの?)

・2章のグロンダース戦?直前に同盟へ送っていた使者はどうして切り殺されたのか? (直後に救援を頼みに来てるし、クロードがそんな雑な処理をしそうな気がしない)

・クロードはそんなあっさり同盟から離れちゃって良いの?(生まれ育った土地に愛着がない? サイコパスか?)

 ほかにも沢山あった気がするけど、疑問点は多いシナリオでした。早く次のルートをやらないと。

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