見出し画像

一針に祈りを込めて

一日の家事を終え、子供たちが眠りについてから
次男の入院用のパジャマの裾と袖上げ作業開始。

80のサイズの前開きパジャマって
なかなか店頭には無くて、
ネットで購入したけど
次男にはだいぶ大きかった。

2着。
両手両足。

合わせて8箇所。

時々こうしてひとり静かにダイニングで
せっせとまつり縫いをする夜がある。

お供はホットドリンクとSpotify

聴き流しながら
考えることは今日あったことや入院のこと。

子供の付き添い入院は
案外とても過酷。

狭いシングルベッドが部屋みたいなもので
子供とふたりそこで寝たり
食べたり遊んだり。

ベッド柵にタオルかけて干したり
授乳期では狭いベッドサイドの台で
ミルク作ったり消毒したりもした。

相部屋だとプライベートは皆無。

ご飯は病院内のコンビニ。
朝昼晩、毎日。
出産まもないときは栄養のあるものが食べたかった。

産後にカップラーメンとか
普通に考えたらあり得ない(笑)

Wi-Fiもないからそんなにスマホも触れない。



子供のお風呂や食事など基本的な育児は親。

でも普通の育児とはちがう。

主治医が決めたルールに乗っ取った育児。

おむつ替えは毎回出た量を測って記録。
授乳するときはいくら飲んだか
前後で体重測定。

お風呂も点滴が入ってたり。
普通とはちがう上でこなしていかなければならない。


次男は次の入院で3度目。

付き添いも大変だけど、
一番大変な思いをしているのは我が子だ。

我が子のことを思うと切なくなる。
まだ確信がないのだ。

「絶対大丈夫」

、という確信。

前回は待合室でひとり怖くなって
わんわん泣いた。

お腹も痛くなって何度もトイレに駆け込んで
えづいた。


恐怖に押しつぶされたのだ。

"失うかもしれない"
という恐怖。


誰しもいつ亡くなるかわからない
その可能性は等しく常にあるけれど、
いざそういう状況になったとき、
それがかけがえのない我が子なら…

これ以上の恐怖はない。

付き添い入院が大変だと言っても
親が子どもにできることって
大してないのだ、と知った。

ただ、

無力かもしれないし
弱い存在かもしれないけど、

親は子供にとって絶対的な安心する拠り所
であることには変わりない。

だから強く在ろうと思った。

絶対大丈夫だよ、
絶対元気になるよ、

と励まし、安心を与えられるように。


私は祈り続けている。

運転中も
お皿洗っているときも
抱っこしてるときも

絶対大丈夫だと、

我が子の回復を祈ってる。


どうか、

今回の治療が人生最後でありますように。
必ず元気になって今の生活に戻って来れますように。
また息子の成長が右肩上がりになりますように。

どうか、

息子にごく当たり前の暮らしを。
心臓が張り裂けるほど自由に走って
日々の薬や注射とは無縁になって
うんと長生きする丈夫な体になってほしい。


と、切に願いながら
今夜もせっせとまつり縫い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?