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山のような存在

逃げたくなる、消えたくなる夜

目を閉じて行きたい場所を想像する

幼少期に育った実家は目の前に防波堤があり、
玄関から出て30m先は海だった

瀬戸内の穏やかな海
小さな島が点々と見えた

悩んだ時は防波堤に上り、
海を見て考えたり黄昏たりして
海からエネルギーをもらっていた。

あのずっと海の向こうには
どんな人がいるんだろう

私と同じように海を目の前に
悩んだり考えたり黄昏れてる人がいるかもしれない、と


地元を離れて色んな所に住んでも
やはり海が見える場所を求めていた

今も時々悩んだりすると車を走らせ
海に行く

でも今は、海の向こうの同じ境遇の人を
想像して自分の人生を見つめるのではなく、
山の頂を眺めていたいと思う

山がひとつの人生なら
どのルートを通って頂を目指すのか
途中なにが待ち受けていて、頂点にはなにがあるのか
そこから下を見下ろして何を感じるのだろう

どっちに進んでも行き着く場所は同じなのに
ちがうルートを辿っていればどうなってたのか…と
人は必ず思う

山のようにずっしりと揺るがず
大きな境界で構えていられる人になりたい

目を閉じて想像する

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