「星のカービィ 夢の泉の物語」がワクワクする理由
「夢の泉の物語」が描く冒険の舞台
何故私は「夢の泉の物語」が好きか。その理由は冒険の舞台にある。
起伏のあるワールドマップや次々と景色の変わる美しいステージマップが、冒険を盛り上げてくれるのだ。
マップがここまで美しい理由は、公式ガイドブックのインタビュー「開発スタッフに聞く『星のカービィ』」にあった。
デザイナーにより描かれた世界がそのままゲームの舞台になっている。これが美しさの秘密だった。
このような起伏のあるレベルマップは、「星のカービィWii」でも採用されているが、ファミコンの時代にこの表現力は驚き。
もちろん、肝心のステージの構成も個性的で楽しいものが揃っている。
また、「雲のレベルだからずっと雲のステージ」のような一辺倒でなく、意表を突いてくる構成がプレイを飽きさせない。
また、自分で遊んでいるときには気づかなかったが、ステージの高度によって明るさが違うというような細かい表現技法も用いられているようだ。
立体的なワールドマップとBGMが、ステージに入る前から冒険を予感させる。ステージ構成も個性的で、時には意外な風景が広がっている。そしてステージ内でもワープスターでの移動やBGMの切り替えによりどんどん姿を変えてゆく。こんなの、ワクワクせざるを得ない!!(急に興奮するな)
ゲームの進化による表現の制約
描かれた世界がそのままゲームの舞台になっているだとか、個性的なステージだとか、まあそれは当たり前のことじゃないの?と思われる方もいるかもしれないが、これを実践しているカービィ作品は多くない。
私の大好きな「星のカービィ3」は絵自体は非常に美しいが、あくまでその美しいパーツが配置されてステージが構成されているにすぎず、夢の泉の物語の表現とは遠いものであると感じる。
「星のカービィWii」以降の作品もギミック等が優先で、冒頭で引用した岩田さんや宮本さんの言うような表現はできていないように思える。
しかし、そうなっている理由はわからなくもない。
任天堂やハル研究所は、アイデアのない焼き直しは好まず、各作品何よりも優先される挑戦(テーマ)がある。「スーパー能力」「ビックバンすいこみ」のようなものだ。それらはおそらく美しさやステージの個性よりも優先される。
また、デデデやボンカース等の大きなキャラが一緒に冒険したり4人もの大人数で同時に遊ぶ都合もありそうだ。
たとえば、操作キャラの多様性によりカービィ1人分のような狭い通路が許されず、いつも広々としたステージを作らざるを得ない可能性はある。
※「星のカービィスーパーデラックス」では背の高いヘルパーが通れない狭い通路も多々あったが、全く気にかけていないようなマップ構成だった。あくまでヘルパーなのでこのような割り切りも悪くはない?
また、複数人同時にプレイ可能とするためにあきらめざるを得ないアイデアもあったかもしれない。
さらに、Wii以降は「星のカービィ64」のような2.5Dの表現が使用されておらず「ポリゴンなのに常に特定の方向から見ることが前提」という、表現上非常に大きな制約のもとで世界・マップが作られ続けていた。
これはステージの外観に大きな影響があることは間違いない。
※「星のカービィ ロボボプラネット」には、64のような2.5Dも一部取り入られていた。
このように、ゲームシステムが進化したり新たな挑戦をするためにステージのデザインは縛りを受けているのだろう。
今後のカービィについて
2022年3月25日(金)、ついに3Dアクションのカービィが発売される!体験版は非常に楽しめたし、公式サイトで見られる未知のステージにもワクワクしている。新しい世界の冒険に没頭したい。
今作も初心者への配慮からか、カービィが動ける範囲やカメラに強い制約はあるが、これはやむを得ない。
…と思う一方で、ディスカバリーやスタアラのような大作の他にも小規模な一人用の2Dアクション(タチカビDSやあつめて!のような作品)も出してくれないかなーという希望はある。
本編を作成するうえでいろいろを制約があるとしても、外伝の小規模作品ならある程度自由にやれるのではないか、と期待しているからだ。
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