【アニメ語り】蒼穹のファフナーとは【あなたは】前編

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はじめに

今回は最推しアニメの一つ、『蒼穹のファフナー』を知ってほしくて筆を執りました。
というか正直、これってだいぶマイナーアニメだと思ってたらネット始めるとファンが多くて驚いたのに、今改めて調べると、やっぱり下の世代にはまだまだ知られていないと感じたので、一人でも多くのファフニスト(※)を増やさねば!と一念発起した次第。
※ファフナーファンの総称、島が舞台なので島民とも。

これってなんぞ??」って人も、「スパロボ/パチスロで知ってる」って人も、「あなたは、そこにいますか」ってケイ素な人も、ぜひぜひ読んで知って、そして見てください!

『蒼穹のファフナー』とは

2004年に放映された、XEBEC制作のオリジナルロボットアニメ。
楽園と呼ばれる南の島、竜宮島(たつみやじま)で暮らす少年少女たちと、謎の地球外生命体フェストゥムとの戦いを描く。

ただのロボットアニメではなく、
・戦いを通じて育まれる仲間との絆
・わかり合うことの難しさと尊さ
・対話の重要性
・友情
・愛情
・親子愛
・行き違い
など、関係性のオタクにはたまらない要素が満載の、見れば見るほど味わい深く、また、時間をおくと見方も変わってくるなど、長い時間をかけて楽しめるコンテンツなのです。

放映終了後も熱は冷めることなく、
2005年にはTVSPの『RIGHT OF LEFT
2010年に劇場版の『HEAVEN AND EARTH
2015年には第2期となる『EXODUS
そして2019年、完全新作の『THE BEYOND』が劇場で先行公開されています。

何処で見れるの?

どうせ円盤だのプライムだの買えってんでしょ?
いいえ、このワテクシ、何の策もなしに布教記事は書きません。
なんとこのシリーズ、2019年12月15日まで、第2期シリーズのEXODUSまでが全話無料でYoutubeで見れるんです!!!

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なぜ今ファフナーを勧めるのか?理由はカンタン、今見れるから!!!

この機会にぜひ見てください!!!
1日1,2話くらいで大丈夫です!
損はさせません!!!

10月17日追記
10月16日から蒼穹のファフナーEXODUSの公開がスタートし、いよいよ全シリーズ視聴可能になりました!

蒼穹のファフナーのここが好き!

・関係性のオタク直撃!登場人物全員色々拗らせてる!
登場人物全員が何らかの関係でつながっており、
友達
親子
仲間
恋愛

とそれぞれが何らかの関係で結ばれ、繋がるのですが、このアニメの特徴として、仲良い同士に限って大事なことを隠しがちというのがあります。
島の大事な仲間たちを守るために孤軍奮闘しているのに、そのことを伏せてしまっているばっかりに守るはずの仲間たちから疑われて敵視されたり、
自ら自爆することを選んだ仲間の真意を伝えられず、他の仲間に見殺しにしたと逆恨みされたり……

「友達100人できるかな?」をここまでめんどくさくできるのか……
と末恐ろしくなる一方、関係が結実する瞬間がエモエモのエモなんです。
大団円や大ピンチの局面で、
「あーーーっ、ここでその関係もってくるのかーーーーっ!!!???」
と唸ること間違いなし。

関係性のオタク、または群像劇大好きなそこのあなた、絶対ハマりますよ。


・生存圏を追われた人類VSフェストゥムの激しくも切ない世界観

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この世界の人類は地球外生命体フェストゥムの襲撃によって多くの領土を侵略されており、生き残った人類でかろうじて反抗しているものの、限られた資源や利権を奪い合って様々な派閥が存在しています。

フェストゥムとの対話を目指す者たち
フェストゥムの殲滅を目論む者たち
その中でも選ばれた人間のみの生存を優先する者たち
そして……

己の、あるいは守るべきもののため、命を奪い合うことが当たり前になってしまった世界で、必死に生きようとする人々の姿が、敵味方問わず愛おしく感じてしまう矛盾。

優しい人ほど、「みんな幸せになってほしい」と願ってしまい、
どんどん沼にハマっていきます。

そう、この世界では、みんなが幸せになる道を選ぶことはできないのだ……

また、これらの世界を彩る美術と音楽も見逃せません。

美術と音楽

どこか懐かしい竜宮島の街並み、
SFの世界を思わせるアルヴィスの施設、
幻想的でいて恐ろしくもあるフェストゥムの世界、
物語を追いかけならがも自然と目を奪われる情景に、
ワルシャワ・フィルハーモニーオーケストラが奏でる荘厳で奥深いBGM
そのすべてが、あなたをファフナー世界へ導くことでしょう



・主題歌はangela!

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angelaというグループを聞いて、
ご存知の方は何を思い浮かべるでしょうか。

数多くのアニメに楽曲を提供していますが、
生徒〇役員共?
ア〇ガール?
シ〇ニア?
たしかにどれも良い……どれも良いんだけど、やっぱり
angelaといったらファフナー!!!!

何故こんなに推すのかというと、まず、
シリーズの全楽曲をangelaが歌っている
んです!

全TVシリーズのOPED、TVSPや劇場版の主題歌、そのイメージソング、挿入歌に至るまで、キャラソンを除いた歌唱曲20曲超を全て、angelaが歌ってくれています。

10年以上続く長期シリーズでこれだけでもすごいのに、さらにすごいのは、
全ての楽曲がファフナーの世界観をイメージして作られている
こと!

にじさんじ緑仙ドーラもカバーした名曲『Shangri-la』の
僕らは目指したShangri-la
「これが最後だと思ってタイトル決めちゃった」という裏話もある劇場版主題歌『蒼穹』の
背負えるほど大人じゃない
歴代主題歌のフレーズを組み込みながらもEXODUSのクライマックスを彩った『DEAD OR ALIVE』の
何処に行けば世界と君が生命をやり直すために
などなど、曲調や歌詞に作中の展開や心情とリンクしたフレーズが満載で、他に替えの利かない非常に完成度の高い楽曲ばかりなんです。

シリーズとともに、間違いなく全曲ハマれると思います。

世界観・設定

難解な話の多い『蒼穹のファフナー』の世界に少しでも入りやすくするために、作中の頻出ワードをいくつかご紹介。

・フェストゥム

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この作品の世界観を語るうえで欠かせない、金色の地球外生命体
その正体は身体の99%をケイ素で構成されたシリコン型生命体。
膨大な数が存在するが、固有の意志を持たず、個体の概念がない、全体で一つの存在。
地球に到来したミール(後述)と呼ばれる光子結晶体の欠片から生み出され、コアとなっているその意志に従って動く。
共通して持っているこのコアを破壊されると、基本的にどんなフェストゥムであっても消滅する。

様々なタイプが存在するが、全体に共通し、かつ最大の脅威たる能力は二つ。
すなわち読心同化

読心
読んで字のごとく、人間の心を読む能力
これによって人類の攻撃手段はほとんど先読み・無効化され、
また、戦乱が長引くにつれ、やがてフェストゥムの側が人間の思考や能力を学習し、進化するようになっていくというもの。

同化
フェストゥムのフェストゥムたる所以とでもいうべき能力。
敵対する生命を捕食・同一化して取り込んでしまう恐るべき力。
主に「あなたは、そこにいますか」と問いかけを投げ、YESと答えれば、同化し、NOと答えれば排除、というのがフェストゥムの基本的な行動パターン。
この作品における戦死者の大多数がこの能力によるものであり、死体すら残らないため、生死の表現にしばしば「いなくなる」という言葉が使われる。

よって、人類の生存圏を脅かそうとするフェストゥムと戦うには、
最低でも読心能力を無効にし
そのうえで同化能力に耐えなくてはならない
当然ながら、現代にも通ずる通常兵器では成しえない条件であるため、
人類はこれに対抗する兵器の開発を強いられることになる。
それこそが――


・ファフナー

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上記の特徴を持つフェストゥムに対抗するために作られた巨大人型兵器。

最大の特徴は、体感操縦式と呼ばれる、機体と搭乗者を一体化するシステム。機体を搭乗者の肉体の延長として扱うことで高い操作性能を獲得しており、ロボットでありながら操縦する必要が全くない
合わせて、思考制御プログラムによって搭乗中は脳が特殊な状態に変性するため、フェストゥムの持つ読心・同化攻撃に耐性を有することができる。

ただし、主人公たちが搭乗する竜宮島のファフナーには前述したフェストゥムのコアが用いられており、強力な機体性能と引き換えに
思考制御が強力すぎて別人のような変性意識が顕れる
乗れば乗るほど肉体に同化現象が現れフェストゥムに近づく
といったリスクを抱えることになります。


・ミール

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宇宙より飛来した、思考する意志を持つ光子結晶体であり、フェストゥムを生み出す存在。
どんなフェストゥムであっても、原則自身を生み出したミールの意志によってしか動くことはできない
前述した「全体で一つの存在」とはこういうこと。

作品の開始時点で地球には既に数体のミールが確認されており、
北極ミール
作中で主に敵対する存在。
その目的は「地球上の全生命体の同化
多数のフェストゥムによって人類の生存圏を壊滅し、度々竜宮島を襲うのもこいつ。

瀬戸内海ミール
その名の通り日本の瀬戸内海に降り立ち、世界で最初に確認されたミール
「死」の概念が理解できなかったことから、妊娠を妨げる遺伝子障害を発生させることで「日本中の全生命体から受胎能力を喪失」させた。
新しい命さえ生まれなければ死んで苦しむこともない」と考えたらしい。
これが世界中に拡散することを恐れた日本国外からの攻撃によって3つに分割され、そのうちの一つが竜宮島に渡ることとなる。
竜宮島のファフナーにはこのミールの欠片がコアとして使用されている

このほか、劇場版、続編を通して数多くのミールが登場しますが、
ひとまず、フェストゥムを生み出す親玉、くらいの認識で大丈夫です。


・竜宮島

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太平洋上に浮かぶ人口およそ2,000人程度の離島で、主人公たちが暮らす作中の主な舞台

フェストゥムとの激戦の日々を過ごす世界において失われつつある平和と文化を後世に残すことを使命とすることから、地上最後の楽園とも称される。

が、それはあくまで仮の姿。

その実態は、人類とフェストゥムとの戦いによって日本列島が消滅し、かろうじて生き残った日本人達がフェストゥムと戦うために作り出した、移動可能な人工要塞

要するに、島のフリをした巨大な船

上部に平和な街並みが広がりながら、その下に多くの軍事施設を有し、なおかつ常に移動し続けているという、誰もが一度は妄想したことのある基地です。
……あるよね?

所属する人間が既に生殖能力を奪われているため、この島で暮らす子どもたちは基本的に遺伝子操作を受けて人工子宮から誕生する特殊出生児である。

遺伝子操作によってフェストゥムの因子を埋め込み、生まれた時から戦うための知識を無意識に刷り込むことによって、10代半ばにして世界でも有数の実力を持つファフナーパイロットとしてフェストゥムと戦うことができるようになります。

ただしこの方法は危険が大きく、成長の過程でフェストゥムの因子が活性化して同化現象を引き起こす(=フェストゥムとなってしまう)可能性があり、また、ファフナーへの搭乗によってそれが早まってしまったり、そもそも戦死の可能性がある環境だったりと、どう考えても長く生きることは難しく、過酷な人生を強いられることになります。

基本的に島民の遺伝子を元に生み出されており、出生の方法を除けばごく普通の子どもとして各家庭に迎えられ、愛情を受けてすくすくと育てられている。

中には、ファフナーパイロットに選抜されて泣き崩れる親たちもいるほど……

こうした、
激戦の中で島民が謳歌する平和な日常
特別なようでいてどこにでもある親子愛
といった島の特色も本作の見どころの一つです。

後編に続く


10月17日編集
さすがに長くなり過ぎたので、後編の記事を作成中しました。


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