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【12/28更新】【サッカーユニフォーム】私がMacronを激推しする理由

※KAMOさんでMacronチームウェアの取り扱いが確認されたため、記事の内容を一部修正しました。

今日の正午、とんでもないビッグニュースがアナウンスされた。

J2リーグ所属のV・ファーレン長崎が、2024シーズンよりMacronとのユニフォームサプライヤー契約を締結することを発表。Macronとの契約は、Jリーグ初となる。

高校サッカー、社会人サッカーではサプライヤー契約を結ぶことがあったMacronだが、これにより初のJリーグ参入が決定した。

なぜnoteに書くほど興奮しているのかというと、私はサッカーユニフォーム、とりわけMacron製ユニフォームを激推ししているからである。というわけで、今回はMacronを激推しする理由について書こうと思う。


Macronとは

 Macron公式日本語ウェブサイトに概要が記載されていないので、Wikipediaから引用。

マクロン(Macron S.p.A.)は、イタリアのボローニャに本社を置くスポーツ用品メーカー、およびそのブランド。サッカー、ラグビー等のウェアを中心に、スポーツバッグやボールなども取り扱う。

海外版ウェブサイトはこちら
 イタリアはスポーツウェアメーカーが各地に点在しており(なんと有名どころ合わせて19会社ある)、KappaやLotto、LEGEAなどサッカー好きなら知っているようなメーカーの他、FILAやEA(エンポリオアルマーニ)、elleseなどカジュアルウェアを製造しているメーカーも含まれている。

今、最も勢いのあるサプライヤー

 Macronはこれらのメーカーの中でも、サッカーユニフォーム市場において近年最も勢いのあるブランドといえる。

下のグラフを見てみると、その勢いがよくわかる。

サプライヤー推移のグラフ(amabo作成)

 このグラフは、Football Kit Archiveに登録されているサプライヤー情報を基に、筆者が作成した。事前に断っておくが、Football Kit Archiveはすべての国のキット情報を登録しているわけではなく、また、古ければ古いほど登録漏れの可能性もあるため、あくまで参考程度にとどまる。比較対象として有名ブランド3社(Puma、Nike、Adidas)を選び、5年推移でそれぞれ比較した。その結果、2013-14シーズンは4社中最も数が少なかったMacron(黄色グラフ)であるが、5年後の2018-19シーズンにはPumaを倍近くの数で超え、さらに10年後の2023-24シーズンもその勢いはとどまることなく、Nike、Adidasに近づきつつあることが見て取れる。

私がMacronユニを激推しする理由

①クラブごとに独自のテンプレート

 Macronのユニフォームは、他のサプライヤーと大きく異なる要素がある。
それは、シーズンごとに決まったテンプレートが存在しないということだ。
Adidas、Nike、Pumaなど大手サプライヤーは毎シーズンごとにテンプレートを用意し、各クラブはテンプレートに沿ったユニフォームをデザインする。

テンプレートの例

 上画像のバルセロナと浦和レッズは(グレード差こそあるが)、同じテンプレートを基にしている。用意されたテンプレートは、Adidasの06-07シーズンTeamGeistのようにアイコニックなユニフォームとして記憶されることもある一方で、下画像のように配色のみ変えただけで、没個性的で味気ないユニフォームという印象を与えてしまう場合もある。

Nike23-24 Thirdテンプレート

 Macronは各シーズンのテンプレートはGK以外用意せず、FPユニフォームはそれぞれ独自の型を作成することで、個性的なユニフォームに仕上げている。

macron 23-24 kits
(左から順にサンプドリア、仁川、ナント、オセール)

 ただし、厳密にいえば襟や袖などパーツごとにテンプレートを用意し、そのパーツの組み合わせで独自の型を作成しているといった方が良いかもしれない。その証拠に、異なるシーズンのユニフォームでも部分的にパーツが一致することがある。

ウディネーゼ 22-23 away(左)/ ナポリ 13-14 home(右)

 例えば上画像の場合、10年近く離れている2つのユニフォームだが、襟部分に注目すると同一のパーツを取り入れていることが分かる。

②豊富なデザインのチームウェア

 Macronのもう一つの強みは、豊富なデザインとカラーバリエーションのチームウェアだろう。23種類のデザインから選ぶことができるため、チームウェア作成の際のダブりを最低限に抑えることができるだろう。

カタログより。これらに9種類を足した23種類をオーダー可能。

 模様だけではなく型も異なるためどれも非常に凝っており、選ぶ際に迷うほどだ。以前、Macronのチームウェアで自作のユニフォームを作成したのだが、その出来栄えに非常に満足している。

Macronチームウェアで作成した自作のユニフォーム

 東福岡高校サッカー部はMacronのチームウェア「Kimah」を採用している。Kimahはラツィオ19-20 ホームユニフォームを基にデザインされている。有名クラブと同じデザインというだけでも、テンションが上がるに違いない。Macronのチームウェアには、有名クラブの型がもととなっているものも多いのが特徴だ。

Kimah(左)とラツィオ 19-20 Home kit(右)

③環境に配慮したユニフォーム

 Adidasなど有名サプライヤーが環境保護を目的としたプロジェクトを手掛ける中、Macronも同様に環境に配慮したユニフォームを手掛けている。

macron 4 THE PLANETロゴ

 「Macron 4 THE PLANET」は、Macron社による環境の持続可能性を高めるための一連のプロジェクトで、リサイクルや廃棄物ゼロなど自然環境保護を目的としたものから、労働環境の保証や高品質で長持ちする製品の保証など、SDGsの掲げる目標に沿ったあらゆる環境の持続可能性を考えた製品開発を行っている。とりわけ優れた取り組みとして、「ECO FABRIC」が挙げられる。これは、廃棄されるはずだったペットボトルをリサイクルした100% PET リサイクル ポリエステル繊維の衣料品のことを指し、Macronがすでに2年前から始めている取り組みである。この取り組みにより、1枚のユニフォームを製造するごとに500mlペットボトル13本がリサイクルされ、さらに新品を製造するよりも少ない水とエネルギーで生産が可能になるという。

ECO FABRICマーク。
このマークがあるユニフォームは100リサイクルポリで製造されている。

以上、Macronユニを激推しする理由を3つに分けて書いた。
次に、Macronの日本市場参入の可能性について考察する。

考察-Macronユニは日本で普及するか?-

最後に、Macronが今後日本サッカーのキットサプライヤーとしての地位を獲得できるかについて、以下の2点から考察する。

①市場競争に勝てるか

 2年前。競技こそ異なるが、Macronは静岡県を本拠地とするラグビークラブ「静岡ブルーレヴズ」とのサプライヤー契約を締結している(参照:https://www.shizuoka-bluerevs.com/news/6)。日本ラグビーへの参入が初だったこともあり、新静岡セノバに初の直営店となるマクロンストア静岡がOPENした。しかし今年に入り、わずか2年でマクロンストア静岡が閉店。それを追うかのように、静岡ブルーレヴズとMacronとの契約も終了した。

 素人による考察にすぎないが、長続きしなかった背景には「購入できる場所が限られていること」と、「価格の高さ」があると考える。前者はすでに述べたが、現状実店舗を構えておらず、オンラインストアでの販売のみに限られているため、販売経路が少ない。そのため、一般の目に入らず認知されにくくなっているのではないか。後者は輸入販売のため、どうしても価格が高くなってしまうのだろう。レプリカを生産していないためか、すべてオーセンティックジャージの価格設定となっていることも影響している。

マクロンストアで販売されているサンプドリア 23-24 Home kit。
オーセンティックのみの販売で、税込みだと20,000円を超える。

 余談だが、静岡ブルーレヴズのオーセンティックジャージは新品価格23,900円だった。国内クラブのユニフォームでこれほど高いのは最近だとヴィッセル神戸だが、V・ファーレン長崎の新ユニフォームの価格がこれを超えるかどうか注目したい。

②製品を増やせるか

 こちらに関しては考察というよりも提案という方が適しているのかもしれない。MacronがJリーグに参入するにあたり、着実にサプライヤーの地位を確立するために必ずしておいた方が良いことがある。それは、製品を増やすこと、特にチームウェアの種類を増やすことである。前述したチームウェアだが、実はそのほとんどが日本では購入できず、海外輸入に頼るしかない。私の場合、実際にユニフォームが届くまで2~3週間待つこととなった。国内でもMacronのチームウェアオーダーを受け付けているスポーツショップがないわけではない(MacronならGee Sportsさんが一番豊富? 
参照:
https://goal.gs/news/20230327m/(KAMOさんでほぼ全種類取り扱いしていることを確認)が、それでも23種類には満たない。チームウェアの豊富さであればAdidasやPumaにも勝てる可能性が高いので、そこで勝負を賭けてみることも1つの手段になりうると考える。

最後に

 Macronは高品質のユニフォームを提供するサプライヤーであるにも関わらず、日本での認知度は低く、サッカー経験者ですらその名を知らない人は多いだろう。デンマークのスポーツウェアブランドであるHummelは、ハンドボールなどサッカー以外のスポーツでの普及が大きなアドバンテージとなり、2002年の初参入から比較的早くJリーグに馴染んだと言える。一方で、Macronはそのようなアドバンテージなど一切ない状態からのスタートであるため、馴染むにはかなりの時間を要するだろう。今回のV・ファーレン長崎とのサプライヤー契約が起爆剤となり、Macronユニフォームが日本で普及することを心から願う。

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ここまで読んでくださりありがとうございました。ただのユニフォーム好きの一意見ですので、間違っている箇所等ありましたら、コメント等でご指摘いただけると幸いです。

参考
マクロンストアジャパン 

マクロン公式

マクロン(Wikipedia)

Football Kit Archive


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