環境計量士(濃度関係)環化を攻略してみる そにょ3(濃度ってなに?禰豆子は好きでもしぜこはすてましょう)
はじめに
前回まで、環境計量士の出題範囲について分析していきましたので、今回からは試験までまだ6か月くらいありますが過去問に手を付けていきたいと思います。たぶん皆さんそろそろ化学の復習にいそしんでいるころだと思いますので、ペースもみながら過去問演習をまだ早いですが始めていこうかなぁと思います。
もんだい
環境計量士(環化)朝の小テストとしてもやりましたがこんな問題です。小テストではアンケートが4択なのでちょっと変えています。
問(R1環化問10) 濃度を示す量についての関係式として、正しいものを次の中から1つ選べ。なお、それぞれ単成分の溶質と溶媒から調製した溶液に関する、SI基本単位(kg, m, mol)ないしその組立単位で表した量について考えるものとする。
1 溶質の質量分率=溶質の質量濃度×溶液の密度
2 溶質の物質量濃度=溶質の物質量÷溶質の質量
3 溶質の質量濃度=溶質の物質量濃度×溶質のモル質量
4 溶質の物質量分率=溶質の物質量÷溶媒の物質量
5 溶質の物質量分率=溶質の体積分率
※ついったーでは、4択にするため1と2をまとめて①、3を②、4を③、5を④にしています。
解説
最初、濃度の定義だぁと思って出したのですが、よくよく考えると結構いやらしい問題ですよねこれ。たぶん本番正解率かなり悪かったと思います。こたえは3(ついったーでは②)
引っ掛けにひっかかったーしまったーとか、寝ぼけてぽちーしたならまあいいのです。問題は、濃度出すのにくもわとかしぜことかやってるとやられます。4とか選んじゃいません?
これ、「濃度」についての理解をかなりシビアに聞いているなぁと思いました。いくつか見てみます。
特に混合物中の物質を対象に、量を全体積で除した商を示すための量の名称に追加する用語(Jis 『JISハンドブック 49 化学分析』日本規格協会;2008年)
In chemistry, concentration is the abundance of a constituent divided by the total volume of a mixture.
(Wikipedia(EN): https://en.wikipedia.org/wiki/Concentration)
(あまびえっち訳:化学において、濃度とはある成分の量を混合物の総量で割った量である)
総量、というのが一番のポイントです。例えば塩を水に溶かして濃度出しましょう。あまびえっちは水のよーかいなので3%までにしてほしいですがおうちの実験でそれを感じるには15%くらいからでしょう。塩も高いのであまり使いたかないけど。これ作るの、塩15g計って100mLの水に溶かすのではなくて、塩15gを水に頑張って溶かしてメスフラスコなりで100mLにメスアップしてますよね。
だから、全部を溶媒で割る式はやっぱりおかしい、トータル(の体積なり重さ)で割らないとダメよねというのが何となくですがわかるかと思います。これ動画いります?いらないって言ってほしいけど。
繰り返しになりますが、よくはじきだのくもわだのしぜこだの(禰豆子じゃないのね)テントウムシとかで覚えていますよね。そういうので覚えている人を間違わせようと出題委員の方々は知恵を絞っています。だからこそ、なにが「く」でなにが「も」かわかりにくーくしてあるような感じです。というわけで、こういうのはいったん忘れて定義に戻る癖をつけておきましょうというのが今回の趣旨です。
まず1ですが、溶質の質量分率=溶質の質量/全質量。溶質の質量濃度といわれたら溶質の質量/全体積になります。とーたるの質量出すにはとーたるの体積×密度なので、
溶質の質量分率=溶質の質量濃度÷溶液の密度
だからぺけ
2は溶質の物質量濃度=溶質の物質量÷全体積ですね。(Jisは体積で定義していますが、全質量もありうります)溶質の質量じゃないです。だからぺけ
4は引っかかりやすいです。溶質の物質量分率=溶質の物質量÷とーたるの物質量(=溶質の物質量+溶媒の物質量)になるのでぺけ
5は、溶質の物質量分率=溶質の体積分率とはならないです。気体ならほぼほぼそうだけど液体は違います。みんな大好きウイスキーと同じ濃度(40%(v/v))のエタノール水溶液100mLは、水60対エタノール40になっています(実際に入ってる量はそれぞれ60mLと40mLよりちょっとだけ多いけど以降それは無視してよいものとします)。でも、水のモル質量は18(g mol-1)、エタノールは46(g mol-1)、密度は0.79(g/mL)なので、これ計算しても6:4にならないのでぺけ
3は、そのとおりです。
溶質の質量濃度=溶質の物質量濃度×溶質のモル質量
全体のなかに溶けている物質量(mol)がわかるので、それにmol質量(1molあたりの質量)を掛けたら溶質の質量がわかるわけです。
とりあえず、今日はここまでー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?