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短編小説

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今までのお話をまとめました。隙間時間に寄り道がてら、読んでいってください。
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#学生

泣くほど誰かを好きになる日

放課後。夕方の公園。ブランコで一人、待ちぼうけ。時々携帯を気にしながら、ちょっとドキドキしながら、ゆらゆら空を眺めて時間をつぶす。というのも、今日は友達の一大事なのだ。 バイトがない日の放課後は、通学路の途中にあるこの公園で二人、よく恋話をした。彼女は高校入学後最初にできた友達。楽しそうに話すのを隣で聞いて頷いて、理想のタイプについて一緒に盛り上がっていたのが一昨日。そして昨日。 「決めた。明日、告白する。」 突然そう宣言した彼女。何が気持ちに変化を起こさせたのかはわか

桜はこれから花開く、卒業の日 後編

 「少し、考えさせて。」 予想外の答えに俯いていた顔を勢い良く上げてしまった。きちんと正面から顔を見つめたのはこの時が初めてだったかもしれない。いつも横顔や後ろ姿ばかり見つめていたから。相変わらず整った顔立ち。なんて、呑気に見とれている場合ではなかった。え、考えるって、何を?クエスチョンマークが頭を駆け巡る。ぽかんと立ち尽くす。返事は今度するね。そう言い残し、大滝くんは帰っていった。てっきり振られると思っていたから、拍子抜け。大滝くんが私に好意など微塵も抱いていないことは、

桜はこれから花開く、卒業の日 前編

「そんなとこで迷ってたら実るものも実らないだろ。」 それは、あなただから言える言葉だ。 ・・・ 卒業を間近に控えた放課後の教室。いつものメンバー。自販機のジュースを片手に談笑。 「好きな子に告白したいけど勇気が出ない。」 一人のクラスメイトが呟いた一言に返ってきた言葉。想いを伝えたいけれど自信がなく勇気が出ないクラスメイトの気持ち。そんなこと言ってないで男らしく当たって砕けろと励ますあなたの気持ち。どっちもわかる。友人の一人として背中を押す励ましの意味で言ったのだろ