見出し画像

太陽の国の話。[45]

あいひめは あいひめで
相手の考えていることが
よくわかるように
なっていましたが、

まさか はのんにまで
同じような力があるとは
思っていませんでした。

しかも、あいひめには
相手の考えている
言葉まで
わかることはできませんでしたが

どうやら はのんには
言葉まで
当てる力があるようなのです。

思い返してみると はのんは 
あいひめが 困った時には必ず
たとえ 遠く離れていても
手紙で的確な助言をくれたのでした。

また、はのんはお店で
あいひめに何も聞かずとも
あいひめの好きな料理を
注文したこともありました。

それだけではありませんでした。

あいひめが忘れかけていた
過去の思い出を読むことも

あいひめの行動を
先読みすることも

はのんは
できているようなのです。

あいひめは
自分の思考が 常に読まれていて
はのんに 操られているような
感覚になりました。

そして、二人で会った時
はのんはあいひめに言いました。

「僕に、支配されてるって
 思ってないかい?」

あいひめは、
少し怖くなりました。
はのんのことを信じていいのか
よくわからなくなりました。

次の話

目次へ


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?