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天菓(あまか)と言います! 「太陽の国の話。」という物語を執筆中です。 あたたかく見守…

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天菓(あまか)と言います! 「太陽の国の話。」という物語を執筆中です。 あたたかく見守っていただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。

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  • 太陽の国の話。

    時は零和。とある星に「太陽の国」という、小さな国がありました。闇に覆われていたその国は、光を求めていました。

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太陽の国の話。 ~目次~

時は零和。とある星に「太陽の国」という、小さな国がありました。 闇に覆われていたその国は、光を求めていました。 太陽の国の話。〜目次〜 序章 晴天の霹靂(1話〜7話)    〜あいひめの物語〜  1   2  3  4  5  6  7  第一章 犬も歩けば棒に当たる(8話〜11話)     〜小柴くんの物語〜  8  9  10  11 第二章 狐の嫁入り(12話〜19話)     〜桐山くんの物語〜  12  13  14  15  16  17  18  19

    • 太陽の国の話。[49]

      「がん」を患った女の人の歌を あいひめや 演奏者は みんなで歌いました。 その歌は 未来への希望を 感じさせる歌でした。 歌を歌い終わると 女の人は あいひめたちに言いました。 「私は来年 ここにいるかわからないけど  このうたは 託したわよ」 その時あいひめは ふと気づきました。 「わたしはずっと  自分のことをみじめだと思って  生きてきたけれど  今 この時、この瞬間は  たった一度しか来なくて  その一度を 頑張って  生きることは  尊いことなのだ。」

      • 太陽の国の話。[48]

        「病は氣から」 あいひめがまだ、臆病者だった頃。 あいひめは ずっとずっと 自分に自信が 持てませんでした。 思うように笑えない。 思うように力を出せない。 感謝の気持ちが湧いてこない。 一人前になれない。 そんな自分のことを みじめだと思い 好きになれなかったのです。 その時のあいひめは 遅くなって結婚相手を探し始め 自分のことを人と比べたり 振り返ったりするようになっていました。 そして、自分が 琴の活動ばかりやってきたことや 長年心の調子がすぐれないこと 両親

        • 太陽の国の話。[47]

          あいひめは はのんを 少し不信に思いながらも また二人で 会う約束をしました。 約束のその日は 青空がまぶしく 山々が映えて 氣持ちのよい朝でした。 はのんとあいひめは 二人で車に乗り 遠くの村へ 行くことにしました。 はのんが あいひめと 一緒に行くと決めていた店は なぜか どこも 臨時休業だったのですが はのんは いくつも 店の候補を 頭に入れていたので すぐに切り替えることができました。 あいひめは はのんと 楽しい時を過ごすうちに ふと  思い出したことがあ

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        太陽の国の話。 ~目次~

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        • 太陽の国の話。
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          太陽の国の話。[46]

          あいひめは 頭の中のことが はのんに筒抜けなのだと 悟りました。 そしてそれは 距離や時間軸に とらわれることも ないのだとわかったのです。 しかし、その時のあいひめは まだ完全には 体調が元通り 回復してはいませんでした。 あいひめにとって はのんは 交際相手であったと同時に 変わらず 励まし続けてくれた 伴走者だったのです。 いつでも あいひめを 可愛がってくれ そしていつでも 支えてくれる。 そんな はのんのことを あいひめもまた 大切に思っていました。 は

          太陽の国の話。[46]

          太陽の国の話。[45]

          あいひめは あいひめで 相手の考えていることが よくわかるように なっていましたが、 まさか はのんにまで 同じような力があるとは 思っていませんでした。 しかも、あいひめには 相手の考えている 言葉まで わかることはできませんでしたが どうやら はのんには 言葉まで 当てる力があるようなのです。 思い返してみると はのんは  あいひめが 困った時には必ず たとえ 遠く離れていても 手紙で的確な助言をくれたのでした。 また、はのんはお店で あいひめに何も聞かずとも

          太陽の国の話。[45]

          太陽の国の話。[44]

          「ミイラ取りがミイラになる」 はのんとあいひめは 変わらず仲良く お付き合いをしていました。 はのんはあいひめに 短い髪の方が似合うのではないか こんな靴が似合うのではないか と、 たくさんの助言をしました。 その助言を聞いて あいひめは、はのんに好かれたかったので 髪を切り 靴を買い どんどん自分を磨いていきました。 その結果、 あいひめは見違えるように 綺麗な女性になり、 益々異性からの人氣が出るようになりました。 あいひめは 少しずつ 調子に乗り始めました。

          太陽の国の話。[44]

          太陽の国の話。[43]

          あいひめは、自らが 「太陽の女神」 というお告げを聞いた後、 3つのお願い事をしていました。 ひとつ目は、素敵な交際相手が見つかること 二つ目は、自分に合った仕事が見つかること 三つ目は、国中の異性から注目を浴びること でした。 その時のあいひめは 自らのみじめな姿に たいそう落ち込んでいたのですが 「高い望みを持った方が叶いやすい」 「下方修正はいつでもできる」 という発想が浮かんだので 少々贅沢な望みを描いてみたのでした。 あいひめは頻繁にお寺に通い 朝晩、祈りも

          太陽の国の話。[43]

          太陽の国の話。[42]

          時は、少しさかのぼり、 あいひめの仕事が決まる前のお話。 自らのからだの具合に合わせ はのんとの関係をあたためながら あいひめは毎日 静かに穏やかに暮らしていました。 すると、 久しぶりに 安達さんから連絡が入ったのです。 安達さんは、 あいひめがお世話になったお友達。 あいひめにとってお兄さん的な存在でした。 安達さんは、突然 あいひめと連絡が取れなくなってしまったので あいひめはとても心配していましたが 安達さんは、突然気を失ってしまったものの 今は元氣に回復し

          太陽の国の話。[42]

          太陽の国の話。[41]

          時はまた流れ 太陽の国では、桜の蕾が顔を出しました。 その頃になると、 あいひめの調子はだいぶよくなり 少しの疲れやすさは残っていたものの 以前より健やかなこころ持ちで 生き生きと暮らせるようになってきました。 そして、あまりにも 以前の自分と変わってしまったせいか 以前の自分の記憶がはるか遠く おぼろげにしか思い出せないようになってしまいました。 しかし、そんなあいひめのそばには いつもはのんがいて励ましてくれたので あいひめは、これからの未来のことを 前向きに見据え

          太陽の国の話。[41]

          太陽の国の話。[40]

          あいひめの体調は、徐々に戻り はのんと仲良く出かけられるほどに 回復してきました。 ですが、あいひめとはのんは 離れて別々に暮らしていたため はのんといない時、一人きりのあいひめは 何度も不安な夜を迎えました。 この先、自分の体はどうなってしまうのか 不安定な仕事環境はこの先どうなるのか 今までずっと、誰からも 心から理解されたことがないと 思ってきたあいひめは 心からはのんに甘えることが難しかったのです。 ですが、はのんは離れていても いつもあいひめの身も心も 案じ

          太陽の国の話。[40]

          太陽の国の話。[39]

          はのんとお付き合いを始めたあいひめ。 はのんとの相性が気になり始めました。 あいひめは占いが好きだったので 二人の占い師に占ってもらうことにしました。 一人目の占い師は 人の身体から出る 「色の波長」が見える男でした。 その占い師は、あいひめを見るなり 「神々しい 金色の波長が見える」 と言いました。 ですが、占い師はあいひめの素性までは 言い当てることはできませんでした。 そして、次にあいひめは はのんの写真を 占い師に見せました。 すると占い師は 「この方も、神

          太陽の国の話。[39]

          太陽の国の話。[38]

          薬屋に出された薬草を 勝手に減らしていったあいひめ。 あいひめの体には 少しずつ異変が現れました。 あいひめは 人が考えていることが なんとなくわかるようになり 頭の中がこんがらがりはじめました。 そして頭の回転の速さとは反対に 身体はにぶく、動かなくなり始めました。 あいひめの意識はもうろうとし 寝たきりの状態になってしまいました。 そんな時、 同じ町に住んでいた あいひめより少しばかり若い青年が あいひめの元を訪ねてきました。 その青年は 名を「はのん」といい

          太陽の国の話。[38]

          太陽の国の話。[37]

          月日は流れ、 もうすぐ春を迎えようとしていました。 あいひめは 日々を穏やかで 幸せな気持ちで過ごしていました。 なぜなら、あいひめにとって とても大切な相手ができたからでした。 ーーー 長い間、臆病者だったあいひめは 町の薬屋に 薬草を煎じて、もらっていました。 そして ありとあらゆることを試して 自分の「臆病さ」を 克服しようとしていたのでした。 桐山くんに出会った頃のあいひめは まだ自分に自信が持てずにいました。 桐山くんが 「亡くなったおじいさんのベッドで寝た

          太陽の国の話。[37]

          太陽の国の話。[36]

          青空がまぶしい とてもあたたかな昼間のこと。 人を励ましたい という夢を持ったあいひめは いろいろな人から 「話聞き」の意見を もらっていました。 「話聞き」とは 太陽の国で行われていた 仕事の一つで 人の話を聞いて 助言をする お仕事のことでした。 その日の午後 あいひめはいつものように 白文帳に 何か書くことにしましたが 特に書きたいことが 思い浮かびませんでした。 そこで、今、太陽の国で 気になっていることについて 自分の考えを 書いてみることにしました。

          太陽の国の話。[36]

          太陽の国の話。[35]

          あいひめには 男性のお友達が 多かったのですが 「安達さん」もその一人でした。 安達さんは とても楽しいこと好きで お祭りや飲み会が 大好きでした。 また 不思議なお話にも 関心があったので あいひめはお告げのことも 安達さんには 伝えていました。 安達さんは 物や情報を 運ぶことが得意で あいひめにとっては 頼れる お兄さんでした。 年の瀬に あいひめと安達さんは 仲間も含めて 忘年会をすることに なっていました。 ところが 安達さんは 約束の時間になっても現

          太陽の国の話。[35]