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太陽の国の話。[47]

あいひめは はのんを
少し不信に思いながらも
また二人で
会う約束をしました。

約束のその日は
青空がまぶしく
山々が映えて
氣持ちのよい朝でした。

はのんとあいひめは
二人で車に乗り
遠くの村へ
行くことにしました。

はのんが あいひめと
一緒に行くと決めていた店は
なぜか どこも
臨時休業だったのですが

はのんは いくつも
店の候補を
頭に入れていたので
すぐに切り替えることができました。

あいひめは はのんと
楽しい時を過ごすうちに
ふと 
思い出したことがありました。

あいひめは
両親から
心から理解されている と
感じたことがありませんでした。

そして そのことが
あいひめの心に
影を落としていたのでした。

ですが 氣づけば
はのんは いつも
あいひめのことを
理解していたのです。

そして、どんな時も
適切な助言によって
あいひめを
導いてくれたのでした。

あいひめは 思わず
はのんの隣で
泣き出しました。
自然と涙が
こぼれたのです。

あいひめが言わずとも
その涙の意味を
はのんは瞬時に
察することができました。

そして はのんは言いました。

「大丈夫だよ、あいひめ。」
「いつ、そなたを見捨てたか。」

はのんは優しく
あいひめの頭を撫で
あいひめは
泣き続けました。

それからというもの、
あいひめは 
はのんといると
心の安らぎが増し

うちとけたあいひめは
自然に笑顔になりました。

愛でたし 愛でたし。

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