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スクラムフェス仙台の運営経験は業務にどう活かされているのか

こちらは Regional Scrum Gathering Tokyo & Scrum Fest Advent Calendar 2023 の17日目の記事になります。前日はおがさわらさんの「RSGTを最高に楽しみたい」でした。

自分は2022年から発案者としてスクラムフェス仙台を運営しており、これまでに2回スクラムフェス仙台を開催しました。

また、仙台にはすくすくすクラム仙台という地域アジャイルコミュニティがあり、月に1回定期的に勉強会を開催しています。スクラムフェス仙台の運営メンバーの多くがこちらのコミュニティ運営にも関わっています。

カンファレンスやコミュニティの運営は、普段の会社組織の中で行なっている業務とはだいぶ性質が異なります。だからこそ、運営に関わることで普段の業務とは異なった学びを得ることができます。

自分自身も2年ほどスクラムフェス仙台(カンファレンス)とすくすくすクラム仙台(コミュニティ)の運営に関わり、そこでの学びを仕事に活かしている実感があります。今日は、自分が仕事に活かせていると感じるコミュニティでの学びを紹介します。

内的報酬の重要性

会社での仕事は、上司からの指示や給与・賞罰といった外的報酬で規定されるものが多くあります。一方、コミュニティ活動には上下関係や金銭報酬はなく、基本的には全員がボランティアで参加します。お金をもらえない活動にわざわざ参加する理由は、それ自体が楽しかったりやりがいを感じたりするからです。

内的報酬は各自が勝手に得るだけではなく、お互いに贈り合うこともできます。コミュニティ活動では外的報酬を得ることができないので、意識的に内的報酬を贈ることは非常に重要な活動だと気づきました。

小さな貢献に気づき感謝を伝える・お互いの意見を尊重する・多様な人が参加できる場づくりを意識するといった小さな行動の積み重ねは、コミュニティだけでなく会社組織もより良くすることができます。

原動力になる

これまでスクラムマスターとして関わってきた現場は、いずれ自分が抜けてその後も自走できるよう支援するイメージで活動してきました。コミュニティについても、しばらくは自分がいなくても成立することが重要だと考えていましたが、徐々に考え方が変わりました。

コミュニティには、熱意を持って率先してイベント企画・運営を推進し、参加するメンバーを結びつける存在が必要です。コミュニティの原動力となりコミットする人がいるからこそ、活気が生まれるのだと思うようになりました。

アジャイル・スクラムは自分にとって十分熱意を持って取り組めるテーマですし、比較的時間の取れる働き方をしていた事情もあり、まずは自分が率先して楽しもうという気持ちでよく「言い出しっぺ」をさせてもらっています。組織の中でも、自分が原動力になれるような活動を見つけて実行することが、周りに貢献する一番のやり方ではないかと思います。

やることを減らす、無理しない

カンファレンスやコミュニティを運営する以上、来た人には楽しんでもらいたいと思うのが人の性です。そのために無理をして消耗してしまうことがないよう常に意識しています。

無理をしないようにやることを減らすということは、優先順位をつけて最優先のものにだけ集中するということです。カンファレンス運営では、運営メンバーの満足よりも参加者の満足を優先してしまうと、無理が生じます。参加者やスポンサーも重要なステークホルダーではありますが、運営メンバーを犠牲にすることがないよう優先順位をつけ、その中でできる限り多くの人が満足できるやり方を模索しています。

この学びを仕事に適用すると、「社員の満足を第一に考えよう」となります。メンバーを犠牲にすることなくお客様にも満足してもらえるやり方があるはずです。

社内コミュニティの運営

ここまでの学びを踏まえ、コミュニティ運営経験が実際にどんな業務に活かされているかと考えると、そのままですが社内コミュニティの運営です。もう少し詳しく言うと、コミュニティの原則で動く集団を組織の中で効果的に運営できるようになる、ということだと思います。

例えば、自分はスクラムマスター職能のマネージャーをしていますが、職能を一種のコミュニティとして認識しています。コミュニティのメンバーが興味を持ちそうなネタを探して共有したり、定期的なイベントを企画・運営したりしています。強制ではない形で運営することで、継続して興味を持って参加してくれるかどうかが重要なシグナルになっています。

特定の集団をコミュニティと捉え、コミュニティを維持・発展させるような関わり方を意識できるようになってきました。

マネージャーとしてのメンバーへの接し方

マネージャーというポジションには、権限をもって人に言うことを聞かせることができてしまう力があります。傲慢なマネージャーにだけはなりたくないものです。

組織図上はマネージャーである自分が上司、所属しているメンバーは部下という位置付けになりますが、組織をコミュニティと考えると、上下関係ではなく対等な関係だと認識できるようになります。対等な関係を前提にすることで、相手の声に耳を傾け、自分の意見を押し付けることなくコミュニケーションできているように感じます。

コミュニティの経験があるからこそ、マネージャーとして正気を保てていると言えるかも知れません。これからも、カンファレンス・コミュニティの運営からたくさんの学びを得て人生に活かしていきたいと思います。

明日はkenzzzzzyさんの予定です。お楽しみに!


ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。