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リーダーシップの連鎖を起こす

こんにちは。天野です。

今年はずっとスクラムマスターを組織化することに挑戦していますが、最近はスクラムマスター同士が協力して問題解決にあたったり、お互いのやり方を学び合ったりするような「リーダーシップの連鎖」と言えるような現象を度々目にするようになりました。お互いの活動にシナジーが生まれ、プロダクト全体や組織に、より大きなインパクトを生み出しつつあることを感じています。

マネージャーとして、何が効果的だったのか振り返ってみたいと思います。


スクラムマスターはリーダーシップの役割であることを明示する

スクラムマスターを職能化するにあたり、スクラムマスターの責任を明記しました。

サイボウズ開発本部におけるスクラムマスターの責務は、「チームを健全に保つことに責任を持つ役割」と定義しました。2020年版スクラムガイドには、スクラムマスターは「スクラムガイドで定義されたスクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ」と書かれていますが、組織のすべての人がスクラムチームに所属しているわけではないため、チームがスクラムをしているかどうかは職責に含めず、チームの有効性を確立させる部分のみを職責としました。
(中略)
スクラムマスター職能の責任である「チームを健全に保つ」とは、チームのタスクに関する成果と人に関する成果を両立できる状態を意味しています。

組織のチームワークを最大化するためにスクラムマスター職能を作りました
https://blog.cybozu.io/entry/2023/02/14/095258

責任を明確にすることで伝えたかったのは、スクラムマスターはリーダーシップの役割だということです。高い理想を持ち、スクラムマスターとしての責任を果たすために行動しリーダーシップを発揮することを強く要求します。

そして、チーム内のロールとして明確に置くようにしました。スクラムマスターのロールも含め、自律的なチームとして機能させるための基本型としてガイド化し公開しました。

1. 5-9名の複数職能からなるクロスファンクショナルチーム
2. チームには存在する目的がある
3. 目的達成のために必要なすべての業務を遂行する権限がある
4. メンバーの入れ替えは最小限で安定している
5. 誰がチームメンバーで誰がそうでないかの境界が明確
6. チームの方向性を決める役割(プロダクトオーナー)とチームを健全に保つ役割(スクラムマスター)の責任者がいる
7. メンバーは必要十分なレベルのコミットメントをしている

開発チーム作成ガイドを公開します
https://blog.cybozu.io/entry/2023/07/26/170000

これらの取り組みで、チームにはチームを健全に保つことに責任を負う人が必要で、その人がリーダーシップを発揮することを期待することがうまく表現できたように思います。

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。