South/iSland物語

第一章
はじまりの物語

2 仕事一日目(SP版)


ジリリリリ… 朝、5時。誰かの目覚ましが鳴った。いっせいに、みんな起きだした。あーだ、こーだ、言いながらみんな外の仕事場へ出て行った。
 仕事場へいったら、点呼が始まった。最後から1番の人が言い終わると「15」という声が聞こえてこない!どうしてさ!総合班長のステは14人を見渡した。誰だ?
「もしかして、ネオじゃない?」
一声、どこからかとんできた。ちっこいバーンからだった。
「そういえば、いないな。どこにいるさ?!」
ざっと、見渡してステが言った。もしかして…まだ、寝ているんじゃ…
「社長!オレっち、探してきます。」
「おっ、いってこい。こっちは、わしが続けとくから。」

「あ~よく寝た。それにしても、みんなはどこにいったんだろう?」
それと同時に、ドタドタドタ、バタン。
「あ、居たー。いつまで寝てるさ!ネオ。もう仕事、始まってるさ。ほら、一緒に来い。」
「えっ、仕事?今日からだったんだ。じゃ、早く仕度しなきゃ!」

「え~まず、キミ達にしてもらうことは、家具を運びましょう。」
「まだ家具がなかったんかい。」という突っ込みはさておいて、家はとりあえず出来上がっているのだ。あとは、どこらへんに家具を置くのか、ということだけである。
 突っ込みの間に、ステとネオが着いたもようで、社長が、
「んじゃ、家を見に行くぞ。」
「あの、それはどのようなウチっスか?」
前列にいた、紫が聞いた。
「え~と、ここからはそう遠くない。海が近くて、土地は十分ある。景色もいい。たぶん、みんな気に入るだろう。さっ、家具を持って、行くぞ!」
「おうー!!!」「はぁ~…」

「本当、近いんだから。」
そう言いながら、見上げれば立派な1階建ての家がどっしりと建っていた。それでも驚くのに、でっかい庭もあり、一同、驚きのあまり、絶句していた。
「さあ、さあ、家具を入れるぞい。ボッケとするなよな。」
「…ねぇ、ねぇ、医者さん、鍵…開けて下さいよぅ。」 
「す、すまない……。」
バーンのすばやいツッコミにより、ようやく鍵も開き、中へ家具を運び込んだ。どこに何を置くかいろいろ、議論した結果、このようになった。家の中央(食堂)には、みんなが座れるような、長机を置き、脇にはラジオをいつでも聞けるようにし、各、部屋にはベッドを配置した。あと、部屋がちょっと、殺風景だと思い、衣装棚も置いてみた。残るは食堂だが、料理当番が動きやすいように鍋などの料理道具を棚に整理整頓した。
「よし、こんなもんかねえ。」
ホッと、坊がため息をついた時、大声で社長が叫んだ。
「これで、家具運びは終わりだ。みんな部屋で休んでいいぞ~。夕食はわしらが特別に作ってやる。」
「イエーイ!!!!!!!!!!!!」
「…わ、わしらって……」
ヒューと風が通り過ぎ、坊と医者さんが残された。

太陽が月と交代する頃、各部屋ではほとんどが眠り込んでいた。そんな時、
「飯にするゾ。食堂に集まれ。」
という社長(他2名)の声でタタキ起こされた。社長達の場合、豪華な食事は作れないので、白ご飯にウメボシ、野菜味噌汁、舟の中から持ってきた豚肉をソースで炒めるぐらいしかできないのである。まっ、おいしいと言ってくれたのが幸いであった。

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