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South/iSland物語

第一章
はじまりの物語

重役会議。チャンちゃん。
残暑見舞い申し上げます。夏休み最後の一日をどうお過ごしでしょうか。
「社長?」と日頃から年少組みのの監督でいつも怒鳴りまくっているキングが汗を一杯流しながら、食堂に入ってきた。晩ご飯も食べ終わり、年少組みは外にくり出している。
「どうかした?」続いて社長と一番、歳が近いバロンもやってきた。遅れて、
「・・・失礼します」ゴッドも来て、空いている席に腰を降ろして正座した。最初に口を開いたのは、三人を呼んだ社長だった。
「えーと、まずだな。明日から子供たちは学校が始まるんだ」
「うるさいのがいなくなるなあ」
「まあまあ。給食食べたら、すぐ帰ってくるから・・・。何人いるかな?」
「ガンタンク、はくりゅう(三男)、バーンナイトの三人が中学、じゅうおうとマークツーが高校、新学期から転校生五人ですね。あと白龍(次男)が大学院←18歳、で合計六人ですね」
「ありがとう。ゴッドさん」
「結構人手が要んのか?」バロンが聞くと
「それは最初から考えていたんだ」
「では?」キングも腕を組みながら考える様子を見せると。
「まあ、魚の入る十二月まで、日があることだし」
社長は少し遠くの近い未来を夢見ながら語る。
「ああ。こんなことなら、暗密君と武者君も呼ぶんだったなあ」
「しゃっちょう?」キングも身を乗り出してきた。
「何を悩んどるんじゃ」
「いやーだから、十二月まで毎日畑仕事と片付けだけで過ごすわけにも行かないよなーって」
「・・・はあ」
「それでしたら大丈夫ですよ」無口なゴッドが今度は自分から口を開いた。
「ホントかね!ゴッドさん」
「まずですね。あさってから一ヶ月間、巨砲君とジム君はコンピュータの立ち上げの研修で、出張です。あとたいちょー君とマーキュリー君は来月もう一回、研修です」
「ふむふむ」
「いや。だけどね。このまま貯金を順調に減らしていくのも危ないよなと」
「でもクラウンとれっくうとステイメンはアルバイトをまだ続けているんじゃ?」
キングがそういえばという風に聞いてみると、バロンがゴッドから受け取った資料を見ながら読み上げる。
「えっと、なんだって?クラウンが食堂、れっくうが剣術道場、ステイメンが喫茶店、か・・・みんながんばっとるもんじゃ」
「ま、会社設立まではってことやな」
「今から金が増えるわけでもなし、まあ、今日は飲もう飲もう!」
「そうだそうだ!」
バロンとキングが意気投合してどこからかビールを持ってくる。
「いつもここで話が終わるんですねえ」ゴッドはそう思いながら渋々グラスを受け取っていた。

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