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South/iSland物語

SP篇

えぴそーど⑥バイク・ナイト

 ブルルーン!!ブルン・・ブルン。ブルルルルル・・・
「あっあの音は・・!?バイク・ナイト登場かな。」
ふと、窓に目を向けてみる人物がひとり。
「お~い、ストーン。何してるの?」
と呼びかける大声がした。窓の方の人物に話し掛けているらしい。
「ん?ちょっと領収書の整理してるとこだけど・・。」
ストーンと呼ばれた人物は、バサバサと片付けながら外の方へ向かって答えた。
「ふ~ん、会計さんは大変だねぇ。でさっ、これ見てくれない?新作できたんだ。」
「新作!?今度は何造ったの・・ナイト・・・。」
「まあまあ、いいから見てよ!」
「・・ん、待って。めがねかけるから。」
多少、あきれつつも好奇心が勝ってしまったのか、愛用の黒縁めがねをかけて準備万端!というストーン。果たして、ナイトが造った新作とは・・・??

「・・・・・・」
「ふふふ。これ、自信作!」
「どこらへんが・・・・・・?」
くいっとめがねを押し上げるストーン。
わからない?と言いながら、ナイトは何かのスイッチを押した。
ピピ。
「おはようさん」
『おはようございます。ワタクシ、ナイト様に仕えています・・・名前は・・何だったでしょうか?はて、わからない・・・ふ~む・・・』
ピピピピピピピ。
『エラーです』
プシュウー。
「え・・・らあ?」
ストーンは傍らに立つナイトを見上げる。
「やっぱりねぇ・・・・・・」
呟いたきり、ナイトは渋い表情のまま何やら考え込んでいる。そこへ・・・
「説明」
とストーンの一声が入った。
「これが新作。バイクにさ、ラジオつけるよりはカーナビだろって考えていろんなこと試したのよ。けどさ、何か物足りなくて・・・・・・お喋り機能つけたんだ。それも主人と召使い設定で。まあ、見た通り・・・いっつもここで止まっちゃうんだよね。何でだろ。」
ストーンは大きくため息をついた。
「何でって・・・・・・ほんとに分かってないの。ナイト。」
はあ、と再度ため息をつく。
そんなストーンを見てナイトが首を傾げた。
「わからないかな。その頭は。」
「なになに、分かったのか!?ストーン教えろよ」
ナイトの瞳が輝いた。次の瞬間。ストーンの両肩を掴み、激しくゆする。
ストーンはナイトを押し戻すと、
「教えるも何も・・・名前考えたら。カーナビの」
乱れた服を整えながら、言った。

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