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時の移ろい 季節の行事  

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地域の伝統行事や厚洋さんと一緒にやった季節の行事。 そして、移ろっていく美しい自然、愛しい人の愛した我が家の花達の代わりに語りたい
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2022年11月の記事一覧

霧がかかる

霧がかかる

 冷たい雨の後、夕方から霧がかかった。
 なんで、霧が魅力的なのだろう。
 霧とは、水蒸気を含んだ大気の温度が、何らかの理由で下がり、露点温度に達した際に、含まれていた水蒸気が小さな水粒となって空中に浮かんだ状態を言う。
 小さな水玉が浮いている時なのだ。

 その発生要因によって、「放射霧」というのがある。
 晴れた冬の日などには、地表面から熱が放射され地面が冷える。
 そうして冷えた地面が、地

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いい夫婦の日

いい夫婦の日

 厚洋さんが逝ってしまってからは、夫婦って言葉を見るだけで悔しかったのを思い出す。
 四年前の11月。
 厚洋さんの誕生日が近づいて来るほどに、彼が真愛を置いて逝ってしまった事を思った。
 まだ、孫の出産予定日より前だった為、厚洋さんのいない部屋でじっと一日中動かない事もあった。
 食材を買うためにスーパーに出かけると、老夫婦が仲良く買い物をしていた。
 今思うと、なんであんなに目についたのだろう

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紅葉狩り

紅葉狩り

 ボランティア活動をしているところで、親しくなったRさんと着物を着て「紅葉狩り」に行こうということになった。
 そんな話を聞いていたIさんが、我が街の紅葉情報を教えてくださった。
「黄葉の場所です。」
 見事な銀杏の木が一本入った素晴らしい情景だった。

 無知な真愛は初めて「黄葉」も「もみじ」というのだと知った。
 万葉集の歌に詠まれる「もみじ」は、「黄葉」と書かれているものが圧倒的で、「紅葉」

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月食と信長 繋がりたい!

月食と信長 繋がりたい!

 昨夜は、月と天王星の隠れんぼで、好きな人に無理矢理LINEを送って繋がろうとした。
 真愛の知人はみんないい人なので、
(おいおい!おばあさんが月見て興奮してるよ  
 仕方がない。
 世の中の人も言ってることだし、
 442年ぶりで、322年後にしか見えない 
 んかい?
 付き合ってやるか!」
と、月を見上げてくれたらしい。
🌖今晩は。
 車で数十分掛かる場所、離れていても、
 宇宙から見

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2022.11.7 立冬

2022.11.7 立冬

 シャラシャラと音を立てて吹き溜まりに集まり、その後は、初冬の陽だまりの中でじっとしている落ち葉たち。

 冬が来た。
 まだ、そこは白い冬ではない。

 しかし、確実に季節は変化している。

 出かける前に玄関ドアの鍵を閉めているときに、入り込んでくる柊の花の香。
 静かで淡い甘さの白い香りだ。
「銀木犀が咲いたね!」
と厚洋さんは必ず言った。

 金木犀の咲いた日の朝に逝った人は、銀木犀の花が

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アクアマラソン応援

アクアマラソン応援

 3年前の台風で倒れた杉の上に烏瓜の花が真っ白いベールを広げて咲きました。
 祈ることの美しさを枯れた杉の上に描きたいと思いました。
 たった一夜しか咲けないのに他者を思い祈れる花。
 そんな人間として生きたい!
と、公募展に出品しましたが、「落選」。
「今回も入選したい。」という嫌らしい強欲な自分が招いた「嫌らしい作品作り」だった事に気付かされ、落ち込みました。
 偶然にも、田中一村の作品論を読

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