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素数日

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いつの頃からか覚えていないが、厚洋さんが逝ってからの日数を数えるようになった。このnoteをを始めたのは、一年以上経ってからのこと。 命日だけではなく、記念日も思い出していたが、…
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2021年5月の記事一覧

生き方を省みる 後悔

生き方を省みる 後悔

「反省はしても、後悔はしない。」
亡くなった厚洋さんが、若い頃、教え子の卒業文集の一言に書いた言葉だ。
 彼が亡くなったことを知った教え子さんが、その文集を持って真愛の所にいてくれるまでは、「後悔する女」「迷いの海を航海する女」だった。
 ただ、厚洋さんの前では、「後悔している言い方」は絶対に言わなかった。
 なぜなら、叱られるからだ。
「自分で決めてやったんだ。
 後悔するなら、
 最初っからや

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出来ないことを願う

出来ないことを願う

 ずぶ濡れになった結婚記念日から、3日も過ぎたのに、まだ厚洋さんとの新婚時代を思い出す。
 彼が亡くなってから960日め。
 もしも、彼が元気でいたら、記念日の日に
ちょっとだけ思い出して、直ぐに日常に戻り、「連休なのに、どこにも行かないなんて
 つまんない。どっか、行こう!」
「行けば?
 どこも混んでるから、出かけるの嫌。」
という会話に対して、
(厚洋さんはパチンコに行けるから
 家で飲んで

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ねぇ。聞いて聞いて!

ねぇ。聞いて聞いて!

「ねえ。聞いて聞いて!
 美樹ちゃんがね。
 結婚記念日を祝ってくれたの。
 ホラッ。この髪型、結婚式の時の同じよ。
 ケーキも45の数字も、それにね。
 こっちがあなたのコサージュ。
 こっちが真愛のブーケ。
 あの日と同じマーガレットの生のお花よ。
 嬉しすぎて、ちゃんとお礼が言えなかったの
 真愛を守ってくれる分、
 美樹ちゃんに何かいい事起こしてあげて!」

 いつも通り厚洋さんの教え子さ

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愛って何

愛って何

 好きって事は分かる、嫌いの反対だから。
 久々に出した「与勇輝さんの妖精」は、大好きな人形たちだ。
 河口湖ミュージアムに厚洋さんが行って初めて買ってくてくれたのが、「腕を組んで考え事をしている妖精」のレプリカだった。
 秀でたオデコとちょっと出たオヘソ、見つめる先は30cm先の何か。
「可愛い💕素敵💕いいね❣️ありがとう❣️」
を何度も繰り返して、妖精を飾った。
 一体だけだったので、ベッ

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