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#12 ずっと言えなかったこと

前回の続き。


「………俺ずっと〇〇ちゃんに言えなかったことがあるんだよね」

「俺はこれを話して、今後も関係が続いていけばいいなと思ってるよ」

「俺が話したら、〇〇ちゃんは俺のことを嫌いになるかもしれない」


「え、●●さんが何かしたんですか…?」

何かしたのはあなたの方だ。


「あのね、この前会った時
 6/18とかなんだけど。
 あの日〇〇ちゃんの携帯を充電したら
 通知見えちゃったんだ」

「ゲームの話できるの彼だけだろうし、
 つらい時の逃げ場だったんだろうし、
 君が自分を守るためにしたことだし、
 仕方ないとも思ってる」

「俺1ヶ月間ずっと不安だった」

「そんで俺は、
 今でも君が連絡を取り続けてると思ってる」


恋人は泣いた。

「私、最低………」

「つらかったんだから、仕方ないよ」

「あの時は数回やり取りしてすぐに連絡やめたんだけど、今日本当はもう別れるつもりだったから、おとといくらいからまた私から連絡しました」


その言葉、本当?
そう思いながらも、恋人の頭を撫でながら言った。

「つらいこと言わせてごめんね。
 つらかったね。ごめんね」

「つらいのはあなたの方じゃないですか…
もう(私のこと)信じられないじゃないですか…」

「俺は信じることも信じないこともしないよ。
 人は弱いから。仕方ないよ」

「人はいつか裏切る。だから俺は裏切られた時にどうするかを考えていたんだ。あと、罪を憎んで人を憎まずって言うじゃん」

「悪いことをした人は、結局悪いんですよ…」



僕は恋人を抱き締めた。

「〇〇ちゃんが何を守りたいか。
 何を大切にしたいかだと思うよ。
 今は落ち着いてないかもしれないけど、
 落ち着いてから
 またゆっくり考えればいいよ」

君の口から次の言葉が出るまでそう時間はかからなかった。

「今を大切にします」


続く。

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