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守る言葉

前回の続き。


僕は誰かの何気ない言葉に勇気付けられてきた。
言った人とはもう会うことはないだろうし、
言った本人も言ったことを忘れているだろう。
でも僕はその言葉たちを思い出しては嬉しくなり、心の支えとなる。

だから僕も、相手が嬉しいと思う言葉は、伝えられる時に伝えようと思った。

例えばつけ麺屋に行って本当に美味しいと思ったら、店長さんに「本当に美味しかったです!また来ます」と言っている。(再訪するか分からないけれど)

人生で二度とその人と会うことはなくても、
その人が言葉を思い出して、
自信や希望や元気や支えになってくれればいいなと思った。僕の言葉がその人を守ってくれればいいなと思った。
(言葉はその人を守るお守りになることもあれば、その人をずっと縛りつけて呪う凶器にもなることは忘れてはならない)



2/26(土)

夜ドライブしながら恋人に
「君がいつか思い出した時に、嬉しいと思える言葉が残ってくれたらいいな」と話したら、

「言葉というか、行動でたくさんもらってます」
という言葉が返ってきた。

「愛は行動が全てだ」と思っている自分にとっては嬉しかったし、愛を実践できていると確証が持てた。



この会話をした前日、僕は恋人に
「orange」という少女漫画を貸していた。

ざっくり内容を説明すると
「高校時代に転校してきたクラスメイトが自殺してしまって、その事を大人になっても悔いていて、過去の自分たちに手紙を送って、クラスメイトの自殺を食い止める」という話だ。

死んでしまったら伝えられるものも伝えられなくなる。ただただその後悔を痛感する物語だ。


奇しくも、僕がしていた話と重なる。
伝えられる時に伝えるのだ。
その人を守れる言葉を。



2/27(日)

夜に僕が恋人の家から帰宅すると
恋人から漫画を読み切ったと連絡が来ていた。
そして、
「いつもいっぱい可愛いって言ってくれてありがとう」
という言葉も添えられていた。

僕が言わなきゃ誰が言う。
君は可愛いのだ。これは事実だ。
僕が死んでしまっても、別れてしまっても、
この言葉を思い出して少し自信を持って生きていってほしい。


続く。

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