2020/02/01 CRYAMY 2ep #3 リリースツアー "月世界旅行記" 岡山 ペパーランド

ガソリンは3/4
充分な量だけれど、わたしはガソリン満タンという言葉が好きなので(それほどでもない)ガソリン満タンにいれてもらい、セブンでサンドイッチとコーヒーを購入しそそくさと高速道路の入口へ。

実は高速道路を走るのはあまり好きではないけれど、なんせ行先は本州、下道では途方もない。
仕方ないことも世の中にはあふれている。

高速道路は乗ってしまえば、あとはハンドル操作のみだし、特にすることもなく退屈だけれど、わたしもえみよりんもおしゃべりな性格、ゆえに話題はつきない。

あっという間に関門海峡を渡り九州に別れを告げた。
※次の日関門海峡を往復することになることをこの時の私はまだしらない

途中煙草休憩を挟み、昼食と先週ドレスアップした愛車の写真を撮るために、一旦広島の大竹で高速道路を降りて、海岸線を走った。
生まれ育った街も港町だからすごく馴染みがある気がして少し安心する。海はすきだ。喜怒哀楽すべてを受け止めてくれる気がする。
2月の地元の海にお気に入りのワンピースで飛び込んだことを今も思い出す。恋をすればいつだって海なのだ。訳が分からなくていい。

隣には海、いやむしろ海の中、という感じに、破茶滅茶に海な洒落た建物が目当てのレストランだった。
丁度ランチタイムで少し待ち、薄化粧の似合う素敵な店員さんに案内され海沿いのテーブルへ。
ランチコース。わたしは迷わず前菜は和牛と雲丹、パスタは牡蠣のトマトソース。
パスタはどれも好きだけれど、ダントツでトマトパスタ。もっと言えばペスカトーレ。アイラブ!シーフードチェケラ!サンキュー!シー!である。
ゴボウのスープも食後のフレーバーティーも、どれも美味しかった。
私は口が本当に本当に本当に大きいのだけれど、ついでに性格もビックマウスなのだけれど、それでも口いっぱい頬張らなきゃならないくらいの大野産の牡蠣最高だった。
カキ養殖、自宅でできないかな。

本当は海岸線の良さげなところで愛車を撮るつもりが、レストランが思ってた以上に海だったので、駐車場で一眼レフをかまえた。
多分1年半ぶりくらいに手にした一眼レフは使い方もすっかり忘れていて、結局使いこなせないままシャッターを数枚きった。
思い出すからと、女々しい理由で嫌煙していたけれど、写真は、良い。
これからはもっとたくさん撮ろう、残そう。もしも忘れてしまっても、みつけたら、思い出せるよう。

その後はえみよりんが運転を代わってくれたので、助手席に。
普段はいつも運転席にしか乗ることはないのでちょっと新鮮。
2時間程ゆっくりして、岡山の前で交代。
岡山市はすぐ目の前。
高速道路を降り、街中へ。今夜泊まるホテルへ向かう、が、OKAYAMA MECCHA IPPOTSUKOU OOI!!!!
ホテルの傍を一通の為通り過ぎる。
ぐるぐるっとまわって、ホテルの駐車場へ。立体は断られ、平面へ。
チェックインを済ませ、荷物を部屋へ置き、そそくさと準備をすませ、アウターは邪魔やな!と身軽な格好でとりあえず岡山駅へ。

岡山県の街並みはすごく整備されていて綺麗で上品。駅もいいかんじ。
地下街じっくりみたかったな。
コンビニで酒と煙草とマジックペンを買いタクシーをつかまえて、今夜のライブハウス、ペパーランドの名前と住所を告げる。
運転手さん「え?それ反対口からのが近いですよ」
わたしたち「????」
運転手さん「まあ、ええですわ。バイパス抜けましょ」
完全にミスりましたわ、場所ちゃんと調べてなかった、遠回りさせてしまってほんとごめんなさい。
運転手さんはすごく気のいいおしゃべりさんで、昔大分の津久見に3年間住んでいたこともあるという。
岡山は味濃いんすよ~と笑っていた関西人。遠回りの道のりもあっという間で退屈することもなく、ペパーランドへ到着。

道路の向かいの「ら・む~マート」が気になる。名前がキュート。コンビニだろうか。

ペパーランドの前にはざっと30人くらいは既にいた。
煙草を吸いながら缶チューハイのプルトップに手をかける。ライブ中は暑いからとアウターを着なかった私に冷えた炭酸は鬼だったがやっぱり酒はうまい。

整列の声がかかる。

わくわくとどきどきで少しだけ足が竦む、500円から600円になった絶妙に迷惑なドリンク代とチケットを握りしめる。

前にはそこそこの人数のお客さん。わたしは整理番号24番。

そして、開場。

ペパーランドはたぶんキャパ100ちょいくらいの狭いライブハウスだった。
わたしは迷った末2列目の真ん中付近へ。えみよりんはドリンクカウンター近くのギター側。

4ヶ月ぶりのCRYAMY。
PKshampooもおなじく。
The Dragersははじめて。

スモークが濃くなる、BGMがでかくなる、客が黙る。

いざ、開演。

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トップバッターはThe Dragers

実は一曲も聴いたことがなかったれけど、一瞬でハートを奪われた。

フォーク?ロック?ジャンルなんてどうでもいい。大事なのは名前じゃない。

私より一つ年下の彼らは、とってもきらきらしてて懸命でたのしそうでその姿と、ポップで熱くてぎゅん!となる曲たちにもうめろめろ。

メンバー内で時折目を合わせてははにかむ姿もぐっとくる。

ギターのジーノくん、ぜったいあれメンズノンノのモデルやろ。ルックスが好みすぎる上にぎらっぎらのギターフレーズ…ずるい男や。

ボーカルのぺーくんの動きも個人的にはすごくツボだった。

なんなんやろ、あの手と腰のかんじ、ちょっとかわいいが過ぎる。

あー、4人とも私の地元のマックでバイトしてくれんかな。毎日スマイル注文したい。あと、かわいいノーベル賞あげたい。
アナーキーインザアイトーチョー、カントリーボーイズオンザラン、恋しておくれよが特によかった。
恋をしておくれよ、頭から離れん。
「恋をしておくれよ~僕はどうしようもない馬鹿だけど~恋をしておくれよ~君がどうしようもなく好きなんだ~」
いや、サビかわいすぎん?もうしちょんのやけど?????なんなん???????

ライブまた必ず行こう。

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短い転換のあと、続いてPKshampoo
とにかく、馬鹿でかいノイズ、ひたすらにでかい。

うちのおばあちゃんが聴いたら多分音のでかさで気い失うとおもう。

でも、それでも!!馬鹿うるさいのに、のに!!! 滅茶苦茶に美しい。圧倒的。
終始かっこいい。ずっと強い、ずっとクライマックス。マジで。

映画とかの一番の見せ場とかあるじゃないですか、ワイスピでいうならカーチェイスのシーンとか、君の名は。ならRADながれて光がぶわぁあ!ってなるあのシーンみたいな。それがね、ずっっっと続く感じです。
おわかりいただけましたでしょうか。
でも、別にずっとうるさいわけじゃないんすよ。
これが不思議。なんかうまいことまとまってて、美しいんすよ。天才というのはピカソとヤマトパンクスしかおらんと思うてます(いやわからんけども)
 そんで、MCが半端じゃなくおもしろい。ヤマトさんのボケてるのか素なのかわからないトーク(カワノさんの物真似で笑い死んだ、袖でそれを見て笑ってるカワノさんで萌え死んだ)もカイトさんのきれっきれのツッコミも、にしけんさんのナイスすぎるポンコツチューニング(ベンッベンベン・・・)も、いいタイミングでそれを茶化すカズキさん(ベンッベンベン・・・笑)も最高。
いやまって、なんこれ、バンドの感想やないやん。芸人さんのライブ来たみたいやん。PKは音楽バンドです。バンドの話 しよ。あ、でも、これだけは書かせて。PKのメンバーのTwitterとヤマトさんのブログ馬鹿おもろいです。
ヤマトさんが歌えばみんなが自然と拳をあげる。お客さんの熱量がすごかった。さっきヤマトさんは天才だと書いたけれども、ステージ上のヤマトさんは神様なのかもしれないなとおもった。
こわいくらいだよ。

途中カワノさんとレイくんがダイブしてきた瞬間は最高だった。ちょっと興奮しすぎてその辺の記憶が曖昧なくらいに気持ち良かった。

そして、トリはもちろんCRYAMY

転換とチューニングを終えて一旦ステージからはけるメンバー。

心拍数があがる、自分の脈を感じる。

聴き覚えのあるBGMが流れ、こうきさん、ゆうとくん、レイくんとステージに立つ。

BGMが消えた。

途端、爆音のノイズが鳴り響く

裸足で気怠そうに、それでいて睨みつけるようなあの目で、カワノさんがステージへ。

CRYAMY 開演

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CRYAMYは1年と少し前、私が死体のような日々を送っていた時に知った。
忘れもしない、雨の土曜日の朝だった。
# 2を買った時も4ヶ月前のライブの時もちらちらと書いたけれど、ガタガタのノイズだらけのデモ音源だった。 カワノさんの真ん前、ど真ん中。
スピーカーからは遠いはずなのに、それでも耳がぶっ壊れるくらいのノイズ。
ゆうとくんがメンバーを穏やかで強い視線で見守る、こうきさんはすこし俯きがちに曲を支える(パンツのジャージくそださい)、レイさんの金髪が照明に透けながらゆれる。ハーフアップ一瞬だったけれど似合っていた。
カワノさんの髪をかきあげながら目を剥く姿がだいすきだ。
crybabyからはじまり9曲、アンコール含め11曲。1時間弱。
正直なところ全然おぼえてない。きもちよくてかなしくてうれしくてくるしくてたのしくて、優しかった。

「あなたが世界よりもだった」
世界のあと、すこしのMC。
岡山県はわたしとおなじく初めてということや、ドラッカーズとPK、明日のことなど。

「名曲ってのはね、アルバムの2曲目にあるんですよ」
そういってeasilyが爆音ではじまった。
もうずっと言っているけれど、私はこの曲のギターが本当にすき。艶っぽくて切なくてうるさい。立てなくなるかとおもった。

そのままpinkになだれこむ。
SoundCloudで最初に聴いた時はあまりしっくりこなかったけれど、聴くにつれてずぶずぶになった曲。
ベースがむちゃくちゃいけてる。
「ピンクベージュの夜景を舐めてる」
どんな肌色に触れたって、こんな詞かける気がせん。

「みなさん、約束は守りましょう」
そう吐き捨てはじまる、正常位。
この曲のタイトルの正常位は「正常な位置」の略らしい。えっちの正常位もきっと似たような意味なんだろう。
「12月 雨 歩道橋 つまらないもの くだらないことばかり 覚えているのに あのときについた嘘は覚えていない」
SoundCloudのデモ音源からずっと聴き続けているけれど、聴く度に苦しくなる。

そして、こうきさんの子気味のいいベースではじまるのは、sonic pop
メロディラインがすごく好き。首は横に振りたくなる。
えみよりんはこの曲のカワノさんの声が好きらしい。ちょっとわかる。いや全部好きやけども、やさしいよね。
「あなたが仮に不幸になったって実際マジで構わないし(ダンッダッダン)」このドラムに合わせて拳を振り回してしまう。
「虫でも殺したみたいな声で言う「さようなら」をなぜだか懐かしいと思うのってちょっと可笑しいね」
「さよなら」と「さようなら」の違いが明確にわたしの中である、「ありがと」と「ありがとう」も同様。
どうか、本当に大事な時は「う」まできちんと発音してね。

MCがよかった。目が痛くて痛くて何事かと思ったら、泣いていてマスカラとまつ毛が目に入っていたらしい。
内容を知るのはあの場所にいた人だけでいい。

「あと10分間だけ傍にいてください」
そう囁いてはじまるのは、月面旅行。
4ヶ月前もMCからの月面旅行で崩れ落ちた。ずるいことをするもんだ。
「消えるのなら後は追わせてね」
拳を痛いくらいに、腕がつるほど掲げる。
次の曲はもうわかってる。

「あなただけ 私とあなただけ」
プラネタリウムだ。
いつかカワノさんは「この曲が俺の伝えたいこと全部です」と言っていた。
痛いくらいにやさしい、痛いくらいに。
わたしもね、願っているよ。

「CRYAMYでした」と告げステージを後にする4人、拍手からアンコールまでの手拍子は途切れることはなかった。

そして、アンコール。
見つめる先には私たちを睨むようでそれでいて少し泣きそうなカワノさんがいる
この夜を忘れることはないだろうと、わたしは拳を掲げる。

聴き慣れたメロディライン。
わたしがはじめて聴いた曲。
この曲を知って今がある。

「見えない奥の隙間の方まで届いて欲しいをなんと言おうか」

テリトリアル
聴けばわかるから聴け、いいから、聴け。

「ありがとう」と告げられ、鼓膜が破れるくらいの、ギター。

最初の歌詞がわたしはどの小説の一節よりも好き。
万葉集なんか燃やしてこの歌詞を胸に抱く。 「ざらつく指先で綺麗な髪を優しく撫でたその瞬間に綺麗な次が窓から覗いた 一瞬の意味を見失った いつでも帰ってこれるように優しく結んだ赤い糸千切れた今でもずっと小指で揺れている」

涙と汗が交ざってどっちかよくわからないけれど、唇に触れる液体はしょっぱい。

そして、ノイズが鳴り響くまま、ステージを降りる4人を、拍手や固い拳が見送る。


CRYAMY 岡山 ペパーランド



あなたが世界よりも、だった。
CRYAMYが世界よりも、だった。

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