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いいからRRRを観て【ネタバレなし・使用上の注意あり】


【はじめに】

RRRという映画をご存知か?
ご存知でない方にRRRを知ってほしくてこちらを書いている。

私はあなたたちのようにRRRを知らなかった頃に戻りたい。何も知らずにRRRを観て感じた人生最高の映画体験をもう一度味わいたい。
それくらいとんでもない映画だったのだ。
さあ今すぐ映画館に行け。

【まあ見ろ】

私は映画好きなのでRRRというインド映画が話題ということは知っていた。フォローしてる方が3回も観てたので気になってはいた。
でも本気で観に行く気になったのは偶然この記事を読んだからだ。

「土下座するから観て」って、何というパワーワード…!
インド映画なんて全然見たことなかったけどそこまでいうのなら仕方ないと上から目線で観に行った。
そしてちょっと人生変わるくらいの衝撃を受けたのだった。
ちなみに予告も何も見てないし、ポスターは見たが「?」と思った。
結果それで、何も知らなくてよかった。
あ、舞台は1920年、イギリス統治下のインドで二人の男の物語とだけお伝えしておきます。

未見の私が「?」と思ったポスター


【この映画を】

RRRを観た直後の私の感想。

相当動揺してる割に他人に観ることを強要していて笑う。
いやでも本当にものすごい衝撃を受けた。それはもう頭に木のボッコのフルスイングを受けたようだった。

トップガンマーヴェリックがクライマックス2回くらいあって最高だったけど、RRRはクライマックスが3回はあった。いやもっとあったかもしれない。
冒頭15分でものすごくびっくりするのだが、そのハイテンションがずっと続く。むしろ終わりに向けてさらにボルテージが上がっていく。全くダレるところがない。終始クライマックスみたいなもんで信じられないシーンがこれでもかと延々と続く。3時間超の上映時間だが体感45分であっという間。本当にエネルギーの塊みたいな映画なのだ。

初見のとき途中からこの後どうなるのって心の中で100回唱えた。ヤムナー川では映画館なのにギャッと声出た。最後の森なんてもうわけわかんないくらい最高で拍手したいのをグッと堪えた。
終わった後に思わず拍手してしまったけど、それは全然私だけじゃなくて劇場全体が拍手してた。そして感動とも違う謎の涙がボロボロこぼれてきて自分でもびっくりした。
たぶん心をぶん殴られたんだと思う。思いっきりガツンと。気持ちいいくらいに揺さぶられた。
そんな涙は半世紀近い人生で初めてだった。

【このシーンを】

RRRはジャンルでいうとアクション映画だ。最初から最後まで暴力。だけど笑いあり涙ありダンスありのトッピング全部乗せみたいな映画でもある。いろんなシーンがあってどのシーンも魅力的で好きすぎるが、あえてひとつ選ぶとしたらやっぱり「ナートゥ」のダンスシーンだ。

「インド映画はとにかく踊る」と聞いてたし確かにRRRでも踊ったけど、全く違和感ないストーリーの中でダンスが始まる。お盆が転がるのが合図だ。ナートゥとは「その土地由来の」「素朴な」「田舎の」などを意味するそうだがそんなことは知らなくていい。愉快痛快すぎて笑ってしまう。
詳細は伏せるがナートゥはストーリー上とても重要なシーンだし、かつ現在の世界にも一石を投じたのではないかと思う。その証拠にこの曲「Naatu Naatu」はアカデミー歌曲賞を受賞した。インド映画界初の快挙だ。映画史に残る名シーンだと思うので集中して観てほしい。お盆が転がるのが合図だ(大事なことなので2回いいました)。

唐辛子入りの雑穀パン


【RRRの効能】

私がなぜここまでRRRを勧めるかというと、観た人と共有したいというのももちろんあるけどそれより何より観るとむちゃくちゃ元気が出るからだ。
ラーマ(属性ほのお🔥)とビーム(属性みず🌊、別名アクタル)を見てれば怖いものなんてなくなる。悩み事やストレスがほんのちっぽけなものに思えて全て吹き飛ぶ。メンタルが無敵の最強になる。

元々BTS沼にいた私は推しの兵役従事でかなり落ち込んでいた。それがひょんなことから出会ったRRRを観てものすごく前向きになれた。カサカサの心がRRRの蒸気でホカホカに温められたようだった。
そう、RRRは観る栄養剤なのだ。
熱々の薬草といってもいい。摂取すればHPが満タンに回復する。
それは小学生の息子から後期高齢の両親にまで効果があったので万人に効くといっていいと思う。80歳の父親が観て「寿命が伸びた!」と喜んでいたぐらいだから。


【使用上の注意】

※インド映画というジャンルにご注意
RRRを観たあとにラージャマウリ監督作品のバーフバリを配信で観たが、当時映画館で観なかったことを私は一生後悔することになった。大好きなヤツだった…!
当時バーフバリが話題ということは知っていたが、私はインド映画という理由で観に行かなかった。ただそれだけの理由で。
私のような愚かな後悔はしてほしくない。
無駄な偏見を捨ててRRRを観ろ。
そしてRRRはインド映画という枠を軽々飛び超えてRRRという独自のジャンルを生み出している。

※暴力シーンにご注意【追記】
メディアがRRRを取り上げる際どうしてもナートゥ中心になってしまい、そこだけ見ると終始楽しいウキウキ映画だと勘違いしがちだ。しかしRRRは暴力の描写がかなり多い映画で血もいっぱい出る。辛いシーンがある。ナートゥだって実はお盆が転がるところまでアジア人としてしんどい。
だからこそ、その描写があるからこそ、二人の絆が尊すぎるし涙なしでは見られなかったりするのだが。
暴力描写苦手な人は気をつけてほしい。子どもとかね。
2回目見たときナートゥで号泣した。なぜかは2回観たらわかります、きっと。

※必ず映画館で観ること
RRRは必ず映画館で観てほしい、必ず。
あんなに映画館向きの作品もなかなかない。まず出てくるインド人の数が半端ない。さすが近々人口世界一になる国でその人数の絵面に圧倒される。さらにひとつひとつのシーンの圧倒的な力強さや超絶魅力的な曲の数々は映画館の大画面と大音響で味わっておかないと人生損しているといっていい。

映画は生ものだからいつか上映が終わってしまう。RRRは公開から半年が経ち奇跡のロングラン中だがそれもいつまで続くかわからない。人生損したくないなら一刻も早く映画館に行け。そして自分史上最強のメンタルになれ。いや頼むから行ってくれ土下座してお願いします。
できればよりデカい画面のIMAXで。そして道民の私はドルビーシネマでRRRを観るのが夢だ。

未見の人はロンギポー!
いいからRRRを観て。

🐎ラーマとビーム🏍


【あとがき】

最後見知らぬおじさんが出てきたらそれは監督。

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