2番目に好きな人

1番好きだった彼。
できることなら結婚したかった彼。

親にも友達にも反対されて、すきだけど、自分でも彼といて幸せにいられる未来が見えなかった彼の話。

どうしたら彼といられる未来を選べたのだろう。
どうしたら大好きだった彼からのプロポーズに答えられたのだろうか。

お金。女関係。趣味。私の優先順位。

彼の全てが一緒にいられない理由だった。

でもただ好きだった。
好きという気持ちだけが私たちを繋いでいた。

彼は何度も言った。幸せにするから。好きだよ、と。

だけどどうしてもそうは思えなかった。
隣で自分のせいで泣いている彼女に幸せにするからは無理があるよ。

本当は親にも友達にもおめでとうと祝福してほしかった。
でもそれはできないんだと自分でも痛いほどわかるほどの恋だった。

結婚は好きな人とするものではない。
自分らしくいられる人とするもので、居心地のいい人とするもの。
そうどこにでもある一般論で自分を納得させるしかなかった。

彼は元気にしているだろうか。

相変わらず彼の周りには人がたくさんいて、また借金をして、趣味に没頭しているのだろうか。

1年経っても彼を想うと涙が出る。
どうしても一緒になりたかった、と。
どうしても彼の子供を産みたかった、と。
おめでとうと祝福されたかった、と。

何度も思ってしまう。
あの頃と何も変わらない熱量で。

今日の彼の中にまだ私の存在はあるのだろうか。
もう忘れてしまっているのだろうか。

こんなにも自分を思ってくれる子がこの世界にいるということを、どうか忘れないでいてほしい。

彼を選べなかったわたしは、事あるごとにもうあんな幸せな気持ちになることは、満たされた気持ちになることはないのかと苦しくなる。切なくなる。


2番目に好きな人と結婚した。
自分で決めて、彼がいない未来を選んだ。

だからわたしは絶対幸せにならなきゃいけない。
我慢なんてしない。やりたいようにやる。言いたいことを言う。


私らしく、自由でわがままに生きると決めたから。





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