妊娠した。彼に喜んでもらえなかった

最近大好きな引きこもり生活からパート生活になり、

体調は順調に悪化していた。

朝起きあがったら壁を伝って一回手を床につく。

立ち眩みがひどい。

彼とのコミュニケーションがうまくとれず、いくらそれがストレスだからってさすがにこれはひどすぎると思い始めていた。

そして胃酸過多なのか、胃が常に気持ち悪い。

食べても、空腹でも気持ち悪い。

学生の頃から胃は常に重いのが基本で楽だったのは引きこもり生活の間だけだったので、これはパートでの対人ストレスだと思った。

そして生理不順。ごく少量の経血が10日間ほど続いている。生理のときのホルモンバランスが長い期間続いて体はほてるし、つらい。

さすがに病院に行ってみようと思って、

自分へのお誕生日プレゼントを兼ねて(笑)、昨日婦人科と精神科に行ってみた。

婦人科の結果は妊娠だった。

精神科の方は、おそらく自閉症スペクトラム。

私にとっては両方とも本当に誕生日プレゼントだった。

エコーではじめてお腹の中の赤ちゃんをみたとき、これまで欲しいとなんて思っていなかったのに、私のもとにきてくれた赤ちゃんのことがうれしくて涙が出そうになった。

自閉症スペクトラムは、自分の居場所を見つけたみたいで、自分を守るための居場所を手に入れたみたいで心が軽くなった。これで人に説明ができる。

人と対面で会うのがストレスだとか、そんなことは口でいっても普通の人には通じない。自分が知らないことに関して人は残酷だから。

なんにせよ、両方嬉しかったのだ。

お金を払って、エコー写真を握りしめて自宅に戻った。

夜、彼にエコー写真をみせた。

ちょっとしたサプライズにしたくて、“家族に誕生日プレゼントをもらった”という体にして、かわいい封筒にいれて。みてみてーって渡した。

中身をみて、えーなにこれ？という感じでエコー写真を見つめ、しばし静止する彼。

私は初めて自分の心臓の音だけを感じて、きいた。

ドキ　ドキ　ドキ　ドキ

わくわくしてるドキドキじゃなくて、ただ鼓動が大きく響いているドキドキだった。

苦笑いしてるのかなんなのかよくわからない感じで口角をあげ、エコー写真をみつめ言葉を発する彼。

なんていってたのか忘れちゃった。

想像してなかった反応だった。

後から話し合ってみると、私もだけど、彼もそのときまではお互いに別れようと思っていたようだった。

でも私は赤ちゃんをみて、ぜんぶ喜びの方にひっくりかえったから。

穏やかな気持ちになって、たぶん婦人科からの帰り道は幸せだったから。

彼も気持ちがぽんってひっくり返るもんだと思っていた。

だけど、そこでみてわかった、感じたのは、私とうまくやっていくことを不安に思っている　やっていきたいとは思っていない彼だった。