何編かの詩『次の火曜日に僕は冷凍庫のグミを捨てる』

別々の方程式を使って二人
同じ答えを導き出そうとしている
唇を重ね吐息を重ね
貪るように
最大公約数を探る指


駐車場の車止めに「前向き」と書かれている
じゃあ今日はそういうことで


上の句は「おぎゃあ」
下の句は「結婚してください」


口づけもなく始まる殺し合いのようなセックス


三年半付き合った
手をつないで歩いた
恋人繋ぎで共に果てた
でも握手をしたのは一度だけ
別れる時に一度だけ


ボクはセカイのアンチ
そしてボク自身のアンチ
でもキミの味方


恋は病んでからが本番


「マジカルバナナッ!バナナと言ったら?」
「やだもぉ、なんでいきなりエッチな事言わそうとするのぉ!?」


『次の火曜日に僕は冷凍庫のグミを捨てる』

冷凍庫にグミがある
別れた彼女の変なこだわり
暗闇で色とりどり
輝いている
一粒一粒が思い出に擬態して

捨て時が分からない
食べる勇気もない
永遠になりそうで怖い
怖かった

でも捨てる
次の火曜日に捨てる
捨てれるさ
好きな人が出来たから
付き合ってるわけじゃないけど
いい感じなんだ

分かってる
本当に馬鹿げている
僕はこのグミを捨てるために
次の恋を探している

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