詩『魚の裁き方』

まな板の上
濁った瞳
動かない鰓
濡れタオル
そつ置かれた包丁
微笑み
「もう愛していない」
一瞬澄み渡りいる瞳
漂流物としての涙



やはり涙

まだ愛している



やはり鰭
えぎゅられた白子
絶望と後悔
鰓と肺
触れる指
逆手に持つ包丁
アナタは今から
最愛の人を裁く
この詩の終わりと共に

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