詩いくつか『叡智 愛 自衛 系』

シーツのカンバス
肩越しの吐息で描く
透明なスプレーアート


硝子の螺旋階段
時に駆け足で
時に歩みを止め
上り続ける二つの魂
入り乱れる呼吸
混ざり合う汗
「二人で上ったはずなのにね」
癒着した肌
飴細工のような軌跡
消えた輪郭
微笑みさえ重ねて
塊のような魂


肩を握り締め
肌をぶつけ合い
眼差しで殴り合う
この平和すぎる争いの最中
僕は
小さな恋を何度もした
固く結ばれた唇
闇をチョップする髪
硬直した首に浮かぶ筋
瞬間は0byteの画像データ
重ね合う手のひらに
永遠にアーカイブされて


離れても放さない
この心はずっと
君を抱き締めたままだよ


君に僕の性癖を知られてしまった
弱味を握られたような
憂い ときめき
でも僕も君の性癖を知ったから
いや
知り尽くしてやったから
だからさ
どこか誰も居ない所で
秘密を打ち明けあうように
キスをして
そして


どの足が
床に蹴ったか
冷め枕
ちらり横目に
ビロートーク


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