バリアフリー子供服「ちいさなふく」「おしゃれバリアフリー」への想い

こんにちは。

「こんなのあると助かる~」の声を実現するこども服ブランド「アルトタスカル」の担当デザイナーのHです。

「どっちもおもて」「おなかでぬ」の発売に続き、低体重児のための肌着「ちいさなふく」と、ケガや障がい・医療的ケアなどがあるお子さんがお着替えしやすい子供服「おしゃれバリアフリー」も販売がスタート致しました。

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今回はこの「ちいさなふく」と「おしゃれバリアフリー」の企画開発に至るまでの想いをお話したいと思います。


はじめに

この「ちいさなふく」と「おしゃれバリアフリー」に関しては、私自身、個人的にも特に思い入れの深い企画となっております。

と、言いますのも、私には4歳になる娘がいるのですが、生まれつき先天性の遺伝子疾患を持って生まれ、出生時は2000gで生まれた「低出生体重児」であり、現在は医療的ケアを行いながら在宅で生活をしています。


「ちいさなふく」のきっかけ

「ちいさなふく」がうまれるきっかけになったのは、4年前に娘を出産した時のことです。
近所の産婦人科で仮死状態で生まれた娘はすぐに大きな総合病院に救急搬送され、その後NICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児回復室)で数ヶ月入院することとなり、そこでたくさんの未熟児の赤ちゃんと、ご両親に出会いました。

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自分自身もそうでしたが、周りのお母さん達がよく口にしていたのは「可愛い服を着せてあげたいけど小さい我が子に合うサイズが見つからない」という声でした。

一般的に売られている新生児サイズは大体が50cmからで、NICUやGCUに入院している赤ちゃんたちは体が小さめな子が多く、50cmではぶかぶかで肩がはだけている子もいました。
未熟児ちゃん用のサイズを通販で探して購入しているお母さん達もいらっしゃいましたが、当時は種類も少なく、あっても値段が高いので気軽にたくさん購入できないとおっしゃっていました。

入院中、我が子にしてあげられることが限られている中、“頑張る我が子にせめてサイズの合ったお洋服を着せてあげたい!”と願うご両親が自分も含め、たくさんいらっしゃることをこの時初めて知ったのでした。

こうした声を聞き、子供服メーカーでデザイナーとして働いていた私は弊社社長にこのことを伝え、元々弊社で企画をしていた一般的な新生児肌着に40~45cmという低体重児用サイズも追加し、販売することになりました。これが一番初めの試みとなりました。


「おしゃれバリアフリー」のきっかけ

その後も、医療的ケアが必要な娘と在宅生活をしていく中で、お洋服のことで様々な気づきが出てくるようになりました。
呼吸器や経管栄養、その他様々な医療機器などを使用していると、前開きや股下が開くお洋服がお世話するのにとても便利なのですが、子供が成長し、サイズが大きくなってくると、このようなお洋服が段々と少なくなってくることに気がついたのです。

娘を通じて知り合うことができた周りの医療的ケア児のご家族の方々からも、「子供が寝たきりの場合、成長するにつれ、お着替えも大変になり、そして赤ちゃんの頃は豊富にあった前開きの服などもなかなか見つからないので困っている」といった声を多く聞きました。
中には市販の服をリメイクしたり、お直しに出して前開きの服にしているお母さん達もいらっしゃいました。

このような声から、”体をうまく動かせないお子さんがお着替えしやすく、快適に過ごせる子供服を作りたい”という想いが生れました。これが「おしゃれバリアフリー」のきっかけとなります。


新プロジェクト始動

そして、その後、第二子を出産し、育児休暇から復帰した昨年6月、「育児を応援するような役立つ子供服を作る」という新プロジェクト(後の「アルトタスカル」)のデザイナーを担当することが決まり、低体重児のお洋服やバリアフリー子供服も是非このプロジェクトの中に入れて企画をさせてほしいと提案させて頂きました。

この想いにチームの皆さんも賛同して下さって、「ちいさなふく」と「おしゃれバリアフリー」の企画もスタートすることとなりました。

企画をすると決まったものの、バリアフリー子供服は弊社でもやったことのない初の試みですので、実際どのような服に需要があるのか、体を動かしにくいお子さんをお世話したり、医療的ケアがしやすい服にするためにはどのような工夫が必要なのか・・・など、手探り状態で、まずは情報収集から始めました。

医療的ケアのあるお子さんのご家族にアンケートのご協力を頂き、色々なご意見やアドバイスをデザインに反映させました。そして、90~160までの様々なサイズのお子さんにフィッティングのご協力を頂き、より理想的な形になるよう改良を重ね、現在の商品が出来上がりました。

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たくさんの方にご協力頂き、一緒に作り上げてきた商品ですので、本当に色々な想いが込められている商品となりました。


おわりに

「ちいさなふく」も「おしゃれバリアフリー」も、着せやすく、お世話がしやすいということを第一に企画をしていますが、それだけではなく、たくさんある柄からお子さんに似合う服を選んでもらい、おしゃれも楽しんでもらいたいという願いも込めて作りました。

これらの商品が、必要としている子供達のもとに届き、毎日がちょっと楽しく、快適に過ごせますように・・・。

そして、お子さんや、ご家族みんなの笑顔がもっと増えたら嬉しいなと思っています。



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