新車?中古車?年式で選ぶ車の良さとは

中古を買うときは走行距離よりも年式が大事、という話もあったりなかったりなわけですが、今回はそういった「程度」の話ではありません。

まず、一個の車種に対してもいろんな型が存在します。例えば先月(2016年1月)の新車自動車販売台数の一位であるプリウス。去年末に出たモデルで4代目になります。雑に言えば、大きく見た目が変わることが3回目ということです。世間でいうフルモデルチェンジですね。

しかしながら、世代から世代に変わる間にも細かい変更はするわけです。こっちはマイナーチェンジと言って基本的な顔つきは変えないけれど、バンパーを違うものにするとか、ライトの形状を変えるといったことを行います。

少し踏み込むと、クルマ好きの間ではMAZDAのRX-7をFCといったりFDと言ったりしていました。これはモデルによる差を区別するためにそうしています。ただ、FDと言ってもFDの中で微妙に違いがあるため、正確にモデルを特定することは難しいのです。

では、なぜそこまでの特定が必要なのか。それは、モデルによって同じ車でも好き嫌いがあるあるからです。

というのも、マイナーチェンジやフルモデルチェンジが必ずしも期待通りに良くなるわけではないからです。メーカーも仕事ですのでいろんな事情を抱えています。もちろん、わざわざ悪くして売りたいなんてところはないと思います。ただ変えてみてどうなるかは世に出てみないとわかりません。

買う方は自分の好みにあった方がいいですよね。もう新車では欲しいモデルが出ないとなれば中古を買うしかないわけです。そうなると同じ考えの人が多くなり、逆に車の玉数がなくなる。これがプレミアムになります。

出る時期の問題から先のモデルと比較することはできないので、年を追って価値が出ることもあります。単に古い、少ないだけではない価値も持っています。例えば、良い悪いは別にして、シートベルトをしなくても良い車種があります。

基本的にその車が作られた時代のルールに合わせるので、シートベルトは69年以前は必須ではありません。ここから順次二点から三点など変更を加え義務化していきます。その他旧車に興味のある人の間ではライトやヘッドレストの規制もあるわけですが、ここでは置いておきます。

で、年式にはそういうマジックもあるということを頭に入れつつ、デザインとテクノロジーの発展について書きたいと思います。

わかりやすいところで言えば角張った車と丸っこい車という二つ。その時の流行りも踏まえながら、ある周期で角丸角丸ときます。はじめのうちは純粋なデザインである程度の自由も許されています。しかし、時代の流れがそうさせないのはシートベルトの時と同じです。

今では多くのメーカーがエアロダイナミクスを気にしています。要は空気抵抗をいかに減らして走るかということです。売れる車の上位はエコカー。いかに燃料の減りを抑えるか、その一端にボディラインもあるわけです。どこかしら風の流れを意識して作られたデザインになり、極端に言えば似通ったラインを描くようになってしまいます。

トレードオフと言ってしまうのはある種怠慢な気もしなくないですが、デザインか実用かとなった時に、世間の需要がどう傾くかを考えるとなかなか難しいところがあります。情報収集と比較が簡単にできてしまうというのも、一方ではテクノロジーの影響なのです。

加えて、安全性能というアプローチもデザインには大きく関わります。もちろん各国各メーカーによって方向性は違います。クラッシャブルゾーンと呼ばれる概念も素材や構造が計算されますので、フォルムもそれに沿って決まってしまいます。

ドア一つとってみると、今と昔では随分(高さ方向の)厚みが違います。シートベルトと違い明確なルールができたわけではないですけど、横からの衝突に備えてそうなったものです。窓との比率で比べると分かりやすいですが、年々窓が小さくなっていってます。ただ、同時に背の高い車が増えたこともあって気にする人は相対的にはあまり増えてない印象があります。

もう一つ衝突性能という事で言えば、(エアバッグのクリアランスのためなのか何なのか)車幅も大きくなってきています。これには海外マーケットで売れるためという一面も含んでいたりと事情は一意的ではないのです。かつては3ナンバーなんていうと高級車のイメージでした。しかしサイズの大きい大衆車の増加に伴いそういったイメージはどんどんなくなってきています。一応説明を入れますが、車幅は1700mmを境に5ナンバーから3ナンバーに変わります。

ちなみに、1695mmのフィット(現行)は5ナンバーで小さいように感じます。しかし、ミラーを含めると1985mmあります。撤退が決まったフォードからマスタングを紹介すると、車幅は1915mmですが、ミラーを含めても2080mm。差は165mmでフィットの290mmより小さいです。最終的なミラ−toミラーの(ボディサイズの)差は95mm、大きいと思われてるアメ車と比べても10センチ程度しか変わりません。

少し話が逸れましたが、こういった積み重ねでデザインも変わってきたわけです。現行でかっこいいと思う人もいれば昔のがいいという人もいて、それは好みとしか言いようもないです。ただ、センスの悪い人がトップに立って、その下でできる車がかっこいいわけはありません。車への熱もなく、ただ売れるエコカーで競争して、それで車離れを嘆くのは自業自得というものです。

さて、ではどういう時代の車がいいのか、なんてことは述べません(笑)。一つ言えることは、車に求めるものがどの時代にあるかを考える必要があるということです。これも一定ではないのであくまで現時点ということにはなりますが。

自分自身のことを言えば、マスタングが好きです。上で出したのでバレてるかもしれませんが。中でも2005-6年と2013-14年がいいです。むしろその他の年代はたいして好きじゃないです。違いなんて、興味のない人からすればあまりに細かい部分だったりします。女の人が髪切ったのを男が気付かないという話に近い感じでしょうか。

見分けという意味では、アウディやジャガーのように似た顔でデザインを統一する動きが日本にも見られます。マツダやレクサスが顕著ですね。これはブランディングと言いますか、デザインの地位が上がったとも見えます。メリットとしては、ハマればメーカー内での買い替えを促せるといったことでしょう。日本車の多くは個々の名前で呼ばれるのに対し、外車勢はBMやプジョーとメーカーで呼ぶ人が多いですし。

また、年代で顔が揃うと選択肢も広がります。中古で探すときも年代でソートすることで絞りやすくなるわけです。何かを大づかみに選ぶよりもどこかに軸があるとスムーズにいきます。詳しければ詳しいほど指定できるものは増えますが、条件が増えすぎてもヒットしにくくなる弊害があります。車に興味出だしたなあという人は、まずは年代というアプローチというのを持ってみてもいいかもしれません。

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