それもまた才能だから
大人になるということは、どういうことなんだろう。というのは延々と議論されている話ではありますが、
私は「諦めること」だと思う時がある。思う時がある、というのは時と場合によって回答が変わる話だからと考えているから。
ずるいよね、と言われかねませんが、人生ずる賢く生きないといけない時だってあるので許して。
人生は選択の連続ですが、私は「映像表現をやってみる」から「映像表現で食っていく」という選択をしました。私が大学にいた学部に行った理由の一つに、「映像以外も見てみたい」というのがあって、映像一本でやっていくと何かしら支障が出るにではないかと考えたからである。大学でいろんな選択が落ちていてもなお、映像を続けてこれたのは周りの支えがあったからこそだと思っている。
もう5年以上作ってきてるので、「もうこれでしか生きるしかない」の領域まで来たと思う。そう思っているだけで他の選択肢があるのかもしれないが、自分のモチベーションとかのことも考慮すると、将来したいことは映像一択になってしまう。やってみたい中に絶対映像が入る。だからと言って自分のクリエイティブの能力値が高いわけではないのだけれども。
あと圧倒的にサラリーマンをできそうにない。対人関係がどうも得意ではない。事務作業とかもおそらく苦手。単純作業よりも圧倒的にクリエイティブ作業の方が向いているしそればっかやってしまう。嫌なことはどう頑張っても長続きしなかったから。
選択肢が狭まっている現実を悲観しながら、帰省していた時に、母親と話してて、話は就活の話だった。
もう耳が痛い。もうそんな時期か。院に行って延長措置とったようなもんになっているのに時の流れは残酷で、現実を突きつけてくる。
家族には私の活動のことを軽く話している。言ってないこともたくさんあるが、成果上げたらその成果のさわりだけは話すようにしている。というかしないとどこからか探りが入れられそう。私は元気に色々作ってますよ、しか言えないんや基本的に…。
母親に「映像続けるのか?」的なことを聞かれ、「もうそれしか生きる道ないからな…」と暗い気持ちで返すと「それも才能だから」と返ってきた。少し心が軽くなった。そうか、その発想もあったなと。継続するのも才能の一つかもしれないということに気付かされる。
映像は総合芸術だと言われているので、いろんな要素が絡まり合って出来上がる。例えば画面構成一つでもデザインの能力が必要ですし、色味だって色彩のことを知らないとできないし、モーションの動きは自然や物理法則の要素が絡む。常に何かの要素を勉強しながら別の要素も見ていかないといけない、情報がとても多い媒体を続ける、という自分はすごいのでは?とたまには自分を褒めようと思います。
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