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ライブは過剰摂取して大丈夫な麻薬 #7 - Official髭男dism

「アポトーシス」という曲で、髭男の世界に魅了された。行ってみたいというなんとなくの興味で、行ってきた。ここもお初の会場、国立代々木競技場第一体育館。


Official髭男dism one - man tour 2021-2022 - Editorial -

OP映像、一人称視点。おそらく台湾の景色?
今思えば、アンコールの「Pretender」の伏線だった。
置いてあった時計も、ジャケットに使われたものではないんだろうか。

起きて→落ちていた楽譜を拾う→冷蔵庫開ける→飲み物を飲む。
楽譜も書類に置き換えれば、夜中のなんてことない瞬間であろう。窓から外を見るカットでようやくロケ地が台湾だと気付いた。これも伏線だったのだろう。
冷蔵庫に今までの写真が使われていた。
場面はピアノの前になり、鍵盤を叩いて演奏が始まると場の空気は一転した。

白と黒の点滅。LEDディスプレイを照明として使用していた。

可動式であるそのディスプレイは幕のように上がって行き、「Universe」から本編が始まった。全体的に青や赤がメインに使われていていたが、宇宙をテーマにしている曲なので、虹色とかも使われていた。
照明の数とサポートミュージシャンの多さ、ステージの広さに驚愕した。
このままの勢いで、ライトがあそんでいく中アルバムの3曲目である「HELLO」へ。この曲は個人的にライブ前によく聴いていた。サービスにもLEDディスプレイにもメンバーの顔が写って見やすかった。朝番組で使われていたこともあり、朝を彷彿させるような、シンプルな照明。手拍子が鳴り止まない。

勢いはとどまることを知らずにノンストップへ「宿命」に突入。この曲はアルバムツアーのアルバムに入っている曲ではないが、このツアーは前回できなかったツアーの追加公演も入っているので、セットリストの中に組み込まれていた。
やはり自分はサビ入る時に一気に明るくなる照明が定番ではあるが一番好きなのかもしれない。

MCを挟んだ後、しっとりコーナーへ。藤原さんにピンスポが当たって冒頭アカペラで「115万キロのフィルム」が始まった。今でも思い出せるくらい印象的だった。サービスの映像では、フィルムノイズが載っていた。最後のアカペラも同じ演出でつながりを感じた。
Shower」で、メンバーがアコースティックの楽器を持ち演奏。注がれている光が水のようだった。
次の曲にある前に作曲を担当した楢﨑さんから「次に聴いてもらう曲は、僕が住んでいる街の小さな商店街が舞台で。好きな立ち飲み屋がシャッターが閉まっているのを見て、「昔はこんなことがあったな」シャッターが空いて小さなイメージの中の、商店街や駅前を想像しながら聴いていただけると嬉しいです」と言い指揮棒を取ると、「みどりの雨避け」昔懐かしい曲雰囲気の曲が。ライトも動き、文字通り緑色が注がれる小さな家のようなステージに。グロッケンの音が懐かしさを助長させる。まだ前半も終わっていないのに髭男の幅の広さに驚かされる。

町の雰囲気から、街の雰囲気へ。紫と星空に見立てられたライトの中「Bedroom Talk」、ライトが碁盤のように交差されていた「Laughter」。歌詞的に演出を読み解くと、鳥籠に囚われていたり、サーチライトにしたりとしていた。と書いた方が正しいのだろうか。しっとり系の最後は「フィラメント」。自然と拍手が湧く。
しっとり系は全体的にシンプルな演出が多く、曲に一点集中させてくれる組まれ方だった。

いきなり点滅が入ると、当時リリースされたばかりの新曲「Anarchy」のロゴ。斬新すぎる曲紹介。余談だが、このレポートのために記憶を掘り起こすべく配信チケットを買って見たのだが、背景の素材がオーバーレイされていて、曲の雰囲気を一気に理解させてくれたような気がする。フォントが昔のガラケーとか、広告とかに使われているもので古くも新しいような。藤原さんが、時折紅い照明に照らされながら踊っていた。

「後半戦行けますかー??」とかき回しの中問いかけられ、トランペットなど管楽器が鳴りスタートしたのが「Stand By You」。割れないばかりの拍手。振り回す腕。ライブというものを身体で全力で表現した。勢いは止まらない。「ペンディング・マシーン」に一気に持ち込む。天井につってある照明が傾く。配信では、3:2日率に変わり、色味も昭和のテレビのよう。管楽器陣が横並びになり、楢﨑さんがサックスを演奏。髭男のメンバー、弾ける楽器の範囲広い気がする。
咄嗟に歌声に加工が載るのも音響スタッフのプロの技だと感動した。あまり普段見ないだけか?

ブラザーズ」がスタートすると、サービスが漫画風の映像演出に。配信にも同じ映像があった。配信でサービスの映像あまり見れないので、こうやって少しでも使われると場の雰囲気がもっと味わえるような気がする。緑色の照明の元で、楽しそうに演奏していて、触発されるように我々もリズムに合わせて手を左右に。途中に流れるスロットと漫画調の映像が楽しさを倍増させてくれる。さらっとメンバーとサポートメンバーの紹介してたのかこれ。対決してる。

スロットから出てきたコインが示した曲は「ノーダウト」。原曲より少しテンポが速い?(気持ち1.5倍とか)とにかくノリノリだった。金色コインが示した曲だから照明も金色。

「STOP!」といって2番に入るかと思ったら、急にテンポがゆっくりと落ち着き、メンバーがステージに寝そべりVo.が「WAKE UP!」というほどに。歌詞になぞらえ、「暴走してる(していた)あなたたち」とのんびりしているメンバーのことを指し、「9桁のビルシャワー」と言った後にまたテンポがもとに戻る。緩急さすごい。この曲思ったより低音鳴るのか…。

アッパーチューンは続く燃え盛る炎がたくさん出る中の「FIRE GROUND」。ライトも炎と同じ色。上のサービスには和のフレーム
楢﨑さんが「これがうちのさとしとだいすけじゃー!」と叫んでふやりのメインの演奏パート入るの心にくる。
素朴な疑問なのですが、これステージ上の人間は暑くないのか…?と心配になる。最近行ったライブで自分は割と遠い席だったのだが、火の暑さを感じたのでだいぶ気になっている。かっこいい曲に和のテイストの映像。サポートミュージシャンもノリノリで踊る。
それにしても惜しみなく炎使うな…。

サイレンがなり、ライトも点滅、映像も不気味な感じに。上のディスプレイもとい幕が降ろされる。カーテンというか、幕というか網戸的なディスプレイから垣間見える雰囲気は独特だった。始まったのは「Cry Baby」。メンバーの全容を隠すというのがこの時初めて見て「こんな見せ方もあるのか」と感心した。雷が降り注ぐ中、少し画面に映るメンバー。一人一人の写し方が一瞬一瞬を切り取られたような、幻影のような。そんな感じだった。
「どうして」という叫びのなか開かれる幕はさっきの雰囲気は何処へと感じずにはいられない。照明も雷に見立てられるわ、スモークは炊かれるわ、ひげだんは一曲への演出への情熱がとても熱く、直接伝わってくる。

アップテンポな曲が一通り終わってから、一気にステージも静かになり、「Editorial」が演奏される。もしかして、この曲の次は「アポトーシス」ではないのだろうかという期待が湧く。というのも、この曲はアルバムの1曲目で、その次の曲が「アポトーシス」なのである。
…と思っていたら次本当に「アポトーシス」だった。私はこの曲のためにチケット代約9000円払ったと言っても過言ではない。アルバム曲だから当然と言われればそうなのだが、涙が出そうだった。曲の世界観に合わせたふんわりとした照明が涙腺を刺激する。2番の後に一気にステージ後ろのライトが光り、メンバーが逆光となり影として表現されていたのはエモいという言葉以外では言い表せれない。逆三角形に並べられたライト、最後や最期、終末の世界があるとしたら、こんなものなのだろうか。
最後の柔らかい照明の中に歌い上げられるところを見た時は「本当にこのライブ来れてよかった」と心の底から思った。

感動している中、さらに感動させられるMCが。

「みんな我慢してる、みんながやってるからと言われてもその人の正解はその人にしかわかんない」

「全てを肯定しながら、それを音楽として伝えたい」

「今日は来てくれてありがとう」

「僕らはステージでもイヤホンの中からでも待ってます」

などなど、ファンを大切にしているという温かいメッセージをもらうことができた。

本編ラストナンバー、「Lost In My Room」。
サビでフリッカーのような照明。迷いや失ったものを点滅で表現しているのではないのだろうか。碁盤目状に並ぶちいさなライトがマンションとかアパートとかの窓のようだった。ラスサビは真っ暗で消失。そして本編が終わることを示唆するように幕が降りた。
最後にきっちりスタッフロールをしてくれるのは丁寧だなと感じた。ツアー最終日とか、パンフレットでしか見れないとかがあるので。

急にライブとOP映像が逆再生され、再び目覚めの光景に戻った。
もしかして今の一瞬で映像編集かけたのか。?同録?うそ???
Pretenderのジャケットが不意に現れると、紅照明と光の粒が飛び交う中、バンドの中で1番人気である楽曲「Pretender」。赤っていろんな感情に喩えられると思うのですが、その感情を全てぶつけている気がするこの曲。
落ちサビ前にだんだん暗くなったり、逆に明るくなっていったり、カラフルな照明が出てきたり。たった数秒の情報量が多い。
ロングトーン、ビブラートがすごかった。

たくさんの拍手のなか、「アンコールありがとうございます!」と言われ、メンバー紹介。

まずはサポートメンバーから。
トロンボーンとっちんさんは帽子の中にハチ公が。
帽子の中のマスコットは日替わりらしく、SSA公演ではさいたまのキャラクターだった。「東京は選ぶのが難しい」と話していたし、この次の公演も確か東京公演だったのだが、果たして何になるのだろうか。
「ここ代々木だけれども…」という誰かのツッコミに対して「ここは実際渋谷だから!!」と誰かが返していた。実際ここの最寄りは範囲を少し広くすれば原宿、渋谷である。

続いて、バンドメンバー紹介。
Gtの小笹さんは最近髪を染めたらしいのだが、藤原さんが「はいはいあとでSNSに載せてくださいね〜」とテキトーにあしらっていて面白かった。

この日は1/22でDrの松浦さんの誕生日だった。
これは私はチケット取った後に気づいたので、運がよかった。誰かの誕生日の公演というのも初めてだった。
藤原さんが「本日29歳になりました!松浦"お誕生日"誠〜!!!」というと盛大な拍手が。

ひと通り紹介が終わった後は、アンコールの続きが始まる。
「アンコール最後までよろしく!!」と始まったのは「異端なスター
松浦さんの「1、2〜!」というカウントがあり曲がスタートするかと思いきや、演奏が突然止み、後ろのディスプレイには「Happy Birthday!!」と突然のバースデーサプライズ。

松浦さん「え、なになになになになに」
藤原さん「はいはい前に出る前に出る!!!」
と松浦さんを半強制的にドラムから立たせ、藤原さんがドラムを叩いてボルテージを上げるという、後から聞いた話なのだがかなりレアな光景を目の当たりにすることができる。
松浦さん曰く、リハーサルですでにサプライズされてたから本番中はないのだろうと思っていたが、二重サプライズで驚いたとのこと。それを聞いた藤原さんが「そりゃあ、我々コンフィデンスマンなんで!」とドヤ顔で返していた。

気を取り直して、続きをやっていく。

小笹さんが「アンコールよろしくお願いしますー!!!」と観客に向かって叫ぶと、曲が再スタート。

照明の赤色の意味が暗い意味から明るい意味に変わっているような。曲の雰囲気ってすごい。聴覚の情報によって視覚の情報が変わる。
ピンスポの赤色、全体に広がる電球色で壮大な終わりをした。

「またいつでもいいので会いましょう」「幸せに溢れることを願って、愛を込めて!」と正真正銘ラストナンバー、「I LOVE…」
愛の色ピンク、白の踊る照明。
Bメロで、前にあった曲でも感じた星のような照明。まばらに光ったり、一斉に光っても強さがまばらだったり。
ピンクのラインのライトはクロスされていってから、手拍子パート。一瞬暗くなって、明るくなって入るサビ。
悩みながらで点滅したり、落ちサビで回るライトや瞬くような星に見える照明がどんどん曲の雰囲気を空に刻みつけてくるようなものを感じた。
夜空のような青をバックにして、歌い上げ終わると、「生き抜いて、いつでもいいので会いましょう!」と放たれ、ライブでしか聴けないアレンジを届けると、最後までディスプレイ照明がわりにし、他のライトと一緒に点滅させ、フィニッシュ。
「ほんとうにありがとうございました!」という前に客席からは手が痛くなるくらいの拍手が。
ライブ最後のお決まりである全員で手を繋いで一礼し、BGMをバックに、メンバーは上手、下手、真ん中でまた挨拶。

ここまで見応えがあるライブは初めてだったかもしれない。サービスの使い方も初めて見るものばかりでたくさん勉強させてもらえた。
楽しそうに演奏する姿はこっちも元気がもらえたし、技術力も幅の広さも耳にも目にも感じることができた。
…ところであのハチ公はあの後どうなったんでしょうね(笑)

こんなレポートを書いている中、新しいツアーの告知があった。最近までツアーやってたよな…?機会があれば、また足を運んでみようかな。


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