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レッツ・ハンギング! ~ビカクシダを吊るし上げよう~

これは、何の変哲もない平凡なある日の、ベランダ地方裁判所でのお話。

裁判長「これにて証人尋問を終わります。審議するから判決の確定までしばし待ってね♡」
・・・
裁判長「判決を読み上げます。被告人ビカクシダの『美しすぎて買ったままの鉢にいれておくのは勿体ない』条例違反につき、『吊し上げの刑』に処する」
仲間A「そんな、、、」
仲間B「ひどい、ひどすぎる、、、」
仲間C「え、冤罪だ、!!」
ビカクシダ「美しさって、、罪ね、、、」

『頭ヶ丘市地方裁判所議事録』より

というわけで、今回は美しすぎるというビカクシダちゃんを判決に従って吊るし上げることにしますぞ♡ うぽ♡

ビカクシダってどんな植物??

ビカクシダというのは、その名の通りシダ植物の仲間です。漢字で書くと麋角羊歯といって、「麋」というのはでかい鹿の意味なので「でかい鹿の角みたいなシダ」ということになりますね。

図解!ビカクシダ!

ビカクシダは基本的に2種類の葉を持っています。
①胞子葉:細長く前に張り出すように伸びる。成長するとこの葉の先に胞子嚢(胞子をつくって入れる袋)をつくり、ここから胞子を出して子どもをつくろうとするわけです。(胞子嚢ができるほどに成長した株は見たことない)
②貯水葉:株元におおきく広がるように伸びる。この葉っぱ自体が貯水庫の役割を持っていて、まわりが乾燥しても水不足にならないように備えている。賢いね! 植物でもわかることだから、人間だってそれくらい考えて資源の管理をしないといけないね!

そして、この2種類の葉っぱは、どちらも図中の「成長点」という部分から出てきます。これはビカクシダに限った話ではありませんが、多くの植物には「成長点」という成長の激しい場所があり、ここから新しい葉や枝が出てきます。ビカクシダの場合は基本的にはこの成長点が一株に1つであり、成長点が2つに増えたらそれは「分株」ということになります。ビカクシダにとては、成長点は超重要!ということですね! 人間のキャリアにもわかりやすい成長点があればいいのに!

次に、この植物の根についてですが、この根を伸ばしていろんなところに「活着」します。このイラストでは板に取り付けられているようですが、穴の空いた板に取り付けられるタイプも比較的頻繁に見るタイプですね。このときに注意しないといけないのは、「腐りにくい」素材に活着させる必要があるということです。この植物に水をやるとある程度の水分がそこにとどまり続けることになるので、当然腐りやすくなります。水はけがよく乾きやすい素材を使いましょう! ウェットな働き方の古臭い日系企業ではいい人材も腐ってしm

吊し上げの準備

前置きが長くなった! 今回準備するものは以下の通り。

準備の良さ三分クッキングのごとし
(水苔を買い忘れて往復30分無駄にしたのは内緒)

左から順に、

・ビカクシダ
・磔にするもの(今回はヴァージンコルク)
・テグス(腐らない糸ならなんでも)
・ハサミ
・水苔
・吊るすための輪っか(今回はヒートン)
・バケツ
・(必要なら、家の壁等に取り付けるフック)

水苔っていうのは、もともとそういうみずごけっていう植物があって、それを乾燥させたもののようです。吸水・保水力が強いので、ランの鉢に使われることが多いです。

水でふやかして使います


オペを開始します

さてさて、それでは、このビカクシダをいい感じに吊るし上げなくてはならないのです。鉢から上げたビカクシダをちょいと見てみましょう。

めっちゃ土!

なんの土だか知りませんがめちゃめちゃ黒い土がついておりますので(くん炭かな?)、まずはこれを洗い流していきます。これがね〜〜結構面倒くさいんですわね!

土を洗い流すと黒っぽい根っこが見えてきます

さてさて、このビカクシダの株ですが、よく見ると複数の株(=成長点が複数ある)で構成されているようで、それで1000円とはお買い得だなあなどとぼやきつつ、うまいことハンギングする方法を思案しなくてはならなくなってしまいました。

というのも、ビカクシダをハンギングにする上で重要なのが、ハンギングにしてこれから何年も育てていく上で、「どう成長していくのか」を見極めながら仕立てないといけないのです。そして、今後の成長がどのようになるのかをイメージする上で、さきほど書いた「成長点」がどこにあるのかということはとても重要なことなのです。

まあ結論を言えば、「成長点を上に向くようにして固定する」ようにすべしということです。上向きに葉っぱが出てくるようにしないといけないということですね。

しかし、今回のように複数の成長点を持っている場合、そのように成長点を上向きに固定することは難しいです。一個だったらかんたんなのにね。

だから、、、

おれは、、、

こうするしか、、、

なかったんだ、、、

「オペを開始します!! ピノコ君、メス!!」

あっちょんぶりけ〜〜〜〜〜!!!!

えーーーいオペだ!!

オペペペぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ!!!!

そして、

一心同体だった、

愛する二人は、

離れ離れに💔

さーよーうーなーらー

なんか一個とれちゃったやつありますが、まあ仕方がないでしょう。

コルクに固定♡

手順① テグスでいい感じにコルクに固定する

お代官様、おやめください!!

手順② いい感じに水苔を挟み込んでいく。

よいではないか! よいではないか!

これね、先に水苔で根っこをくるんで、その後で水苔ごとテグスで固定する方法が結構一般的なんですけど、私としては先にビカクシダだけで固定してからのほうがうまくいく気がするんですよ

手順③ 更にテグスで固定していく

右の方が断然うまくいきました

手順④ コルクにヒートンをとりつけ、麻ひもを通して吊るす!

執行完了

で、できあがり、、、

これが結構難しい感じがするのですが、まあやってみればなんとかなるもんですね。

今はまだ糸で固定しているだけで結構不安定ですが、この後それぞれのビカクシダが根を伸ばして、うまい具合にコルクに活着すると、それはもうカッターを使って切っていっても取ることが難しいぐらいガッチリくっつくようなので、そうなるまでの辛抱です。頑張ってガッチリ結ばれてほしいな!(病めるときも、健やかなるときも、、、カーーン カーーン カーーン)

うまく育つといいな!

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