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女ふたり、暮らしています。

シングルでも結婚でもない、女2猫4の愉快な生活。

単なるルームメイトでも、恋人同士でもない。
一人暮らしに孤独や不安を感じはじめたふたりは、尊敬できて気の合う相手を人生の『パートナー』に選んだ。
Amazonより

W2C4(女2猫4)の『分子式家族』で暮らすキム・ハナとファン・ソヌのエッセイ。今回初めて韓国の書籍を読んでみたけれど、韓国独自の文化や食事・生活習慣も垣間見えてとても面白かった。そしてどこの国にも同じような事を考えている女性はいるのだな、と安心もした。一人暮らしも経験して、結婚の必要性もさして感じず、だけれども生活を共有するパートナーを求めていた二人が始める共同生活。勿論生活習慣や意見が合わずに喧嘩する事もあるけれど、何よりお互いへの尊敬の念があるからこそぶつかりながらも仲直りしてまた共に最高な時間を過ごす。これぞ『家族』以外の何物でもないと感じた。


人々は暗に、女たちに仕事と家事の両立を要求する。「女のひとりぐらしなのに、どうしてこんなに散らかってるのか」と言いながら、誰も彼女に「早く家事をやってくれる男を探さないと」と忠告はしない。
本文より

これは私も日々思う所があって、夫が日常的に家事をすると言うと「旦那さん偉いね〜」と返ってくる事が多い。私も夫と同等の金額を家計に入れて、同等(もしくはそれ以上)の家事を担っているにも関わらず、何故女性の私が家事をする事は「当然」で、男性の夫が家事をする事は「特別」なのか。幸い我が家は常にお互いに感謝の意を示しているので家庭内では不和を生まずに済んでいるけれど、世間の認識のズレを感じる時はやっぱり辛い。


けんかの目的は何なのだろうと考えてみる。自分の手に最もよくなじんだ武器を相手の急所に突き刺して息の根を止めることだろうか。一緒に暮らす人、一緒に暮らしていかなければならない人とのけんかは、忘れるためにするものだ。シャベルで感情の流れる道を掘り、流れをよくするためのけんかであって、ちゃんともとの関係に戻るためのけんかなのだ。
本文より

以前どうしても許せない事があって夫に告げた事がある。極力感情的にならないように要件を伝え、私の希望する解決案と夫の立場に寄った折衷案を提示し、夫に考えて選択してもらうのはとても骨が折れたし気力も削られたけれど、絶対に必要な話し合いだったと思う。こんな風に私が夫に対して嫌だと思う事もあれば、夫が私に対して嫌だと思う事も必ずある筈。(無いとおかしい)どうしたってこの先も一緒に暮らしていくのなら、自分の中で折り合いをつけるのが難しいのなら、やはり相手にきちんと気持ちを伝えて時には喧嘩する事も必要なのだと思う。

全く違う家庭で育ってきた人間同士が一つ屋根の下で暮らす事は、そう簡単な事じゃない。それでも『家族』をやっていくのは、同じ家の同じテーブルで同じご飯を食べる人がいるのは、なかなか悪い事じゃない。その形は結婚でも同棲でも同居でも、等しく世の中から扱われるべきだと思う。家族の在り方は一つではなく、その家庭の数だけあるのだから。