「駅集合にする」って敬語みたいに

今日は借りていた映画のDVDを返すために人と会ってお茶する予定。その人は、年下で学年は同じだけど実習系の授業で知り合って半分仕事仲間みたいなもんだったから、一応はじめましてから今まで敬語のまま。うまく移行できるように混ぜていくけどなんか戻っちゃう。

初めてちゃんと膝を突き合わせる今日思い切ってタメ解禁しよう!とグラデーションタメ口作戦をじわじわと会う前から。LINEでは体言止めをはじめとして、中身タメ口語尾だけ敬語みたいにフランクと丁寧のあわいを攻める。

集合直前に「こういうこともできるのか」と思ったのが「駅集合にする?」という表現。もちろん向こうからしたらただのタメ口だが、送った側の意図は少し違う。自分としてはA. 駅集合にする B. 店集合にするのうちのAの選択肢を提示したつもり。口に出すとしたら「する↗?」のように語尾は上がらない。「する?↗」のように、音にならない「?」を上げる。もちろんそんなニュアンス表現されないので、言いながら首だけ傾げたりすると伝わりやすいかもしれない。自分がスイッチを切り替えるハードルは低く、向こうからみたら完全に踏み切った印象を与えるベストな一手。そもそもこちらが敬語でないといけない謂れはないのだからこれで完璧。

会ってからはそんなにここらへん気を遣わなかった気がする。首をかしげるのしかりノンヴァーバルな表現ならうまくできるんだろうか。(個人的に便利なのが「でしょ(う)?」。「でしょ」フランクさと「でしょう?」の丁寧さを語尾を伸ばしすぎないことで曖昧にすることができる)。話が盛り上がったのもあって途中から完全にタメ口モードでいけたはず。

出会う前の緊張がなくなってきたところで別の違和感が。「でもさぁ」とか「うん」とか、相槌が気になってきた。語尾はですますのままな気がする。向こうもグラデーションタメ口しかけてきてる? こちらが切り替えて、向こうは一生敬語で来るのだろうなと思っていたから、なんだかめちゃくちゃ嬉しかった。そもそも彼女の敬語しか聞いてこなかったからギャップでキュンとしたのかもしれない。帰り際うれしくなって「○○さん前から俺にタメ口きいてたっけ?」と聞こえ方によっては説教の始まりみたいな質問をしてしまった。すると相手は普通に「相手がそうだったら自分も合わせてる」(←ここの語尾が「ます」だったかどうかもよく覚えてない)と答えた。なんかあっけらかんとしていて、こちらが心を削って踏み込んだ線を一瞬で越えているようでうらやましかった。こんな線自分にしか見えていないのかもしれない。

でも帰ってからLINEしたらまた敬語に戻ってたよ! 「ほらやっぱ戻ってんじゃん!」とかもなんかキモい気がして言えずにいる。

「とりあえず気が合うと思っているのでこの感覚が抜ける前にもう一度会ってください」って言いたい。あっ。



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