一年半ぶりの復職

一年半ぶりの復職は伊達ではない。
こんなにも頭と体が鈍るものかと自分でも驚く。

まず、パソコンの画面を開いてメールやら資料やらを確認しているだけで拒否反応みたいなものが出てくる。
その作業が嫌なわけではないけれど、これ以上見ていられない、一旦離れたいという感覚。
目と頭が、明らかに育休中とは違う疲れ方をする。

そして来ているメールに返信するのも億劫だ。
以前の私はメールのやりとりは好きな業務の一つだった。元々文章を書くという行為が好きで、苦手ではないと思える数少ないことだ。
冒頭に宛名を打ち、定型文のあいさつを打ち、敬語を使って必要事項を伝えるのが好きで、頭がクリアになり相手によっては些細な高揚感まで得ていた。
それが今では嫌な業務を先延ばしにしてしまう時のように面倒くさくて手が動かない。

メールの確認をしていくと、在宅勤務中に上司から送られてきたメールに気づかず放置していたことが分かった。
そういえば、連休前に「在宅勤務でも一応勤務は勤務。業務開始時間に連絡を入れ、業務終了時間にもまた報告の連絡をしてくれ」と言われていたことを完全に忘れいていた。これは酷い。
いくら緩い職場だとはいえ、小学生でも出来るごく簡単なこと、それも社会人として基本中の基本の一番最初を忘れている自分にドン引きである。

先月末に復職をしてからもう半月ほど経つが、在宅勤務奨励の今、出勤したのは今日がまだ3回目。
週に2日の出勤、仕事らしい仕事はまだ無い、そしてGWを挟んでの今日なので、リハビリにもならない。

一年半手つかずだったデスクの引き出しを開ける。
雑多な資料にまぎれて蛍光ピンクのハートの形や蛍光緑のりんご型をした付箋が出てきた。
なんで私はこんなものを買って使っていたんだろうとうんざりする。
が、以前の私はそれを良いと思って買ったのだ。今の私はそれを職場のデスクに入れておくことが恥ずかしい。ハート型の付箋はどう考えても年相応ではない。一年半前の自分を客観視した感があった。

とにかくこんな調子では本業を本格的に再開することは到底できない。
復職する前はここまで衰えているとは思っていなかった。
呑気に「相当鈍ってるだろうな~」と言ってはいたが、半分は口だけで、正直何とかなると思っていたが甘かった。
一年半という時間は確実に私の精神と身体を仕事から遠ざけていた。

だがいい経験だとも思う。
休職復職支援がまさに私の大きい業務の1つなのだ。
長期休業がどれほど頭と身体を鈍らせるか。
どれほど周りの環境が変化しているか。
それがもたらす自信喪失や不安感や追いていかれてしまった感。今は身にしみて理解出来る。
どれも仕事に還元できるもののはずだ。
一年半も仕事から、社会から離れるという経験は、事情がなければできないことだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?