旬杯 勝手に圭果賞《俳句》その1《大賞5句+7句》
旬杯に(俳句部門は393句)たくさんのご参加ありがとうございました✨
僭越ながら印象に残ったとにかく好きだという句を勝手に選ばせていただきました❣️
《勝手に圭果大賞5句》
🌻レモンバームさん
【子を乗せた機影去りゆく夏の峰】
お子さんの旅立ちを見送られたのでしょうか。
心配もありながら応援をしたい親の気持ち、寂しさを感じながらこんなにも成長したのかという晴れやかな気持ちが伝わります。
「機影去り行く」という表現がそんな気持ちの時間経過を感じ、お子さんを見守りながら視線が遠くへ遠くへと向かい「夏の峰」の着地で将来の希望も見えました。
🌻うみのちえさん
【蝉しぐれ救水車待つ列の黙】
蝉しぐれの中救水車を待つのは、茹るような暑さを感じますが、不平不満を表に出さずただひたすら待っている方々の我慢強さが「黙」という言葉一つで物語っていますね。
そこに着目されることは素晴らしいと思いました。
震災や天災でそのような事態になることはこれまでも多くありましたが、海外でも日本人の礼儀正しさやマナーの良さは評判になっていましたね。
🌻兄弟航路さん
【蛍火を祈るや森のせせらぎと】
「蛍火に」ではなくて「を」にするだけでご自身と蛍火が離れていないイメージになりますね。助詞の使い方ひとつで変わることを勉強させていただきました。
ほのかな蛍火の光と森を流れている川のせせらぎで情景が思い浮かび視覚、聴覚を刺激されさらに森の空気の香りまで感じました。
🌻椿さん
【群青の波のルフラン夏帽子】
「群青の波のルフラン」で心掴まれました。
ルフランはフランス語ですが、リフレインと同じ意味なのでしょうか。
とても懐かしく感じたのは、むかーしむかし庄野真代さんのアルバムの「ルフラン」まで思い出し、海もよく行ったなぁと思いました。
「群青」としたところも夏の海を感じ、海辺を歩く夏帽子の少女も想像でき爽やかな気分になりました。
🌻k_maru027さん
【牛飼いの声朗々と夏の原】
壮大な夏の野原に牛飼いの声が聞こえてくる澄んだ空気を感じました。
そして「朗々と」という表現が牛飼いの息づかいや元気みなぎる様子を想像でき、こちらまで元気をいただいた気がします。
音の調べもよく字面もとっても良いですね。
《勝手に圭果賞7句》
🌼鮎太さん
【鶏小屋に卵が二つ風薫る】
鶏小屋に卵が二つ生み落とされているという静かな朝の光景に思えますが、「風薫る」という季語が鶏に感謝する気持ち、爽やかな朝、青葉の匂うような温かな風、全てを集結して引き立てているような気がしました。
🌼オカヨシさん
【田舎道車輪の後に雨蛙】
田舎道を通るのはトラクターでしょうか、リヤカーでしょうか、その車輪の後に蛙がいる、あるいはピョコピョコ跳ねていたら何とも可愛らしいですね。ほのぼのとした光景が目に浮かびます。
車輪の跡だとその場にとどまっているように見えますが後なので車輪の後ろをついてまわっているように感じて微笑ましかったです。
🌼Sen-singさん
【麦秋や風が旅する轍かな】
「風が旅する」という壮大な表現もステキですが、麦の穂が揺れて形作っているのを轍とすることで映像がより思い浮かびます。
「や」と「かな」と切れ字を二つ使うことは分断されるので避けられることが多いのですが、句が二つに分かれているようには思えないので私は良いと思いました。
「麦秋」は時節を表す季語ですが、「麦の秋」は映像のイメージが強く麦畑の光景を内包しているそうなのでどちらも使えますね。
(これは俳句ポストで勉強したばかりなので受け売りです^ ^)
🌼IKUKO@するすみさん
【でで虫や濡れた家財の並ぶ道】
捨てられた家財がまだ回収されないで雨に濡れている道を想像します。
そこにでで虫を発見したのでしょうか。
あるいは濡れている家財だからこそそこを這っていたのかもしれませんね。
小さな気づきにとても優しさを感じ、いつもあるわけではない濡れたままの家財にも侘しさを感じさせます。
🌼すうふ。さん
【初蛍見えぬもの見ているやうに】
ほのかな淡い光を放ち飛んでいる初蛍を見つめているのですね。
「見えぬもの見ているやうに」心に響く表現でした。蛍自体がそう見えたとも感じますが、心の目で見つめているようにも感じます。
蛍は飛んでいるのはオスでメスは光を放ちますがじっとオスを待っているそうですね。
そして結ばれると二度と飛ぶことはないそうです。儚い恋なのですね。
🌼十六夜さん
【遠雷の六月柿や匂ひ立つ】
六月柿は赤茄子(トマトの古名)なのですね。
「遠雷」の季語に「匂ひ立つ」がマッチして本当に音と色と香りで五感を刺激されました。
雷は稲や野菜に影響を与えるのでなくてはならない存在ですね。
昔は稲と雷とが交わることで稲穂が実ると言われていましたし椎茸は雷が必要のようですものね。
🌼ゆずさん
【この恋は失恋だろか虎が雨】
愛する人を殺された虎御前の悲しみの涙が雨となって「虎が雨」と言われたそうですね。
それを失恋になぞらえてこの季語を使われ、哀しみと切なさを感じます。
季語の力がこれほどまでに感情を伝えられるということはゆずさんの季語選びの素晴らしさを身にしみて感じました。
12名の皆様、おめでとうございます✨
ステキな句を堪能させていただきありがとうございました💐
何か間違いがございましたらご連絡ください。
よかったらお花をどうぞ💐
尚、その2では10名+2組の皆様に圭果特別賞をご案内したいと思っております。
旬杯予選会場はこちら↓ 30日20:00までです!
しろくまきりんさんの参加賞はこちらから↓
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