あかいはな しろいはな(物語です)

あるところに、なかよくならんですくすくとそだつ、ふたつのみどりいろのくさがありました。

そのふたつのくさはとてもなかよしで、いつもいっしょにおひさまにてらされ、いつもいっしょにかぜにふかれ、いつもいっしょにあめにぬれていました。

ふたつのくさは、おたがいのことがとてもだいすきでした。

あるひのこと、どちらのくさにもつぼみがひとつ、それぞれのあたまのところにつきました。
おんなじばしょにできたふたつのくさのそれぞれのつぼみは、おんなじおおきさ、おんなじかたちのつぼみでしたが、ただひとつ、いろだけがちがっていました。

かたほうのくさのつぼみはあかで、かたほうのくさのつぼみはしろでした。

あるとき、ふたつのくさがいつものようにきもちよくかぜにそよいでいると、ことりがいちわとんできました。
そしていいました。
「あかいつぼみさん、こんにちは」
あかいつぼみをつけたくさは、さいしょはじぶんがよばれたことにきづきませんでした。
ことりは「あかいつぼみさん」と、はなしをつづけます。
おてんきのはなしややまのむこうのもりのはなし。
それらをひとしきりしゃべりおえてから、
「それではあかいつぼみさん、きれいなはなをさかせてくださいね」
といってことりはそらへととびたちました。

あかいつぼみはそっと、しろいつぼみのようすをうかがいました。

ことりがあかいつぼみにむかってはなしているあいだ、しろいつぼみはそのやりとりをよこでそっときいていました。
ことりがいなくなってからは、ことりがとんでみえなくなったそらをしばらくながめていました。

あかいつぼみとしろいつぼみはやがて、それぞれにはなびらをひらき、あかいはなはとしろいはなになりました。

あるひ、いっぴきのちょうがとんできました。
ちょうはあかいはなにとまると、
「あなたはとてもきれいなあかいいろをしているね」
といいました。
そしてあかいはなのみつをすうと、どこかにとんでいきました。

あかいはなはそっと、しろいはなのようすをうかがいました。

ちょうがあかいつぼみにとどまっているあいだ、しろいはなはそのやりとりをよこでそっときいていました。
ちょうがそのばをはなれてからは、ちょうがとんでみえなくなったそらをしばらくながめていました。
そしてちょうがとおくのそらにみえなくなってから、しろいはなはぽつりといいました。

「しろいはなはだめなのかな」

それをきいたあかいはなは、
「しろいはな、すてきだよ」
といいました。

あかいはなは、しろいはなのことがだいすきでした。
しろいはなも、あかいはなのことがだいすきでした。

あるひ、いっぴきのはちがとんできました。
はちはしろいはなにとまると、
「あなたはとてもいいかおりをしているね」
といいました。
そしてしろいはなのみつをすうと、どこかにとんでいきました。
しろいはなはそっと、あかいはなのようすをうかがいました。
あかいはなは、しあわせそうにゆらゆらとゆれていました。

あかいはなは、しろいはなのことがだいすきでした。
しろいはなも、あかいはなのことがだいすきでした。

🍀お粗末な上に長くなってしまいました💦
前回同様、二番煎じ感のあるどうってことない、素人のおばさんが書いたお話です🍀

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