2023.1.10 インドの大財閥「タタ」ついにiPhone製造へ

経済成長の新たな火種として注目を浴びているインド。10日、インドの巨大コングロマリッドであるタタグループが、インド主要のiPhone工場を獲得することで合意に近づいている。iPhoneの組み立てに関わる初のインド企業となる。

タタグループとは

現在世界5位の経済大国であるインド。ゴールドマンサックスのリサーチ部門は、インドのGDPが2075年には世界2位になると予想している。このような急成長を牽引してきたのは、間違いなくタタグループをはじめとするコングロマリッド(≒財閥)だ。
その中でもタタ財閥は、3大財閥であるビルラ財閥・リライアンス財閥を押し退けて最大。売上高約12兆円(ex. 三菱商事の売上高に匹敵)、従業員数70万人以上となっている。
中核事業はいくつかある。売上高で同財閥の約8割を占めるのは電力事業のタタ・パワー。最も有名なのはタタ・モーターズだろう。主にバスやトラックなどの商用車を製造し、2008年にはジャガー・ランドローバーを、フォードから約23億ドルで買収している。

iPhoneの製造拠点をついに獲得

タタが買収したのは、インドのバンガロールから東に50km進んだ地点にある工場。被買収企業は台湾の企業であるウィストロン。製造ラインを8本有し、インドのiPhone供給の主力工場である。インドでのサービスパートナーは、引き続きウィストロンが務める。
今まで、アップルの主力製品であるiPhoneの組み立ての多くはウィストロンやフォックスコン・テクノロジー・グループなど台湾企業が受託してきた。タタが同工場を取得すれば、エレクトロニクス分野で大きな地位を占める中国に挑み得る国内企業創設を目指すインドの取り組みは前進することになる。タタによる買収額は6億ドル強になり得るという。


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