2023.1.7 エーザイ開発のアルツハイマー薬、米国で承認

長らくアルツハイマー型認知症のに取り組ん研究に取り組んできたエーザイと米バイオジェンが開発した新薬「レカネマブ」が現在第Ⅲ相試験中。米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得した。FDAが6日の声明で明らかにした。エーザイはまた、完全な承認に向けた申請もFDAに同日提出したと発表した。
これらの2社の道のりは長いものであった。2021年に治験が進行していた新薬「アデュヘルム」は米国FDAからの承認は受けたものの、有効性への疑義から販売に苦戦し、日本や欧州では承認が見送られていた。

薬理作用は??


一連の薬剤は全てアミロイド仮説に基づくもの。
Aβオリゴマー→Aβ凝集体→Aβ線維→老人斑
となって脳内の神経細胞に蓄積して進行する、という仮説(他の経路もあるようです)。
今回のレカネマブはAβの高分子オリゴマーに対するモノクローナル抗体。前回開発されたアデュヘルムはAβ凝集体のモノクローナル抗体である。

治験結果は?


これがエーザイのプレスリリース。
この治験の結果から、今回の承認に至ったよう。

https://www.eisai.co.jp/news/2022/pdf/news202271pdf.pdf

エーザイHP/2022.9.28

https://www.eisai.co.jp/news/2022/news202285.html

エーザイHP/2022.11.30

方法はRCT
対象はグローバルで1,795人、中国の111人
期間は18ヶ月
投与方法はレカネマブ又はプラセボを 10mg/kg bi-weekly 投与

いち学生としては、有効性は高いのかな、と思います。
懸念は以下の2点です。

①調査期間が18ヶ月なので、薬剤耐性?などで、長期的な有効性が示せない可能性は考えられるのかな、と思いました。
②主要評価項目「CDR-SB」はあまり見ない指標ですが、3点満点だそう。平均変化量がプラセボ投与群と比較して-0.45ポイントとのことで、誤差ではないか?効果の程があまりよくわかりません。

市場の反応

エーザイの発表によると、レカネマブの価格は平均的な体重の患者で年間2万6500ドル(約350万円)になる。
全世界に約5,000万人いるとされる認知症患者の約70%はアルツハイマー型。しかも先進国に患者が多いことを考えると、ブロックバスターとなる可能性は十分にある。
これを受け、6日の米株式市場でエーザイの米国預託証券(ADR)は一時12%高となった。
※ADRとは、日本株を米国で買えるようにするためのもの。日本の銀行や証券会社が持つ株券を、米国で売買できる、ということです。


ADRとは


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