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バス停のおじいちゃん

東京は目黒区の、とある街に短期滞在中のGuriです。

ここに来てからよく、おじいちゃん、おばあちゃんに話しかけられます。

高級住宅街としても知られる土地柄のためか
どなたも品が良く、

「おじいちゃま」
「おばあちゃま」

と呼ぶのが相応しいチャーミングな感じ。

昨日の13:30頃。
駅までバスで向かおうと、停留所の椅子に座ってバスを待っていたら、
一人の杖をついたおじいちゃまが。

どうやら誰かの面会に行くようで
電話で

「13:30に面会に行くことになってたんだけど、忘れちゃったか、寝坊したかで時間過ぎちゃって。これから向かうけど大丈夫?」

とお話ししている。

電話が終わったあと、
停留所の椅子を譲ろうと

「お掛けになりますか?」

と立ち上がったら、

「あぁ、いいんだ。大丈夫」

と言ったあと、

「座っても立っても変わんねぇんだ!
心筋梗塞になっちゃってさ。」

とガハハと笑った。

そしてそのあと、ポソリと

「女房が施設に入っちまって…。だから、これからバスで会いに行くんだ…。」

とうつむき加減に仰った。

ご自身の心筋梗塞のことは
ガハハと笑い飛ばすのに、

奥様が施設に入所したことは
肩を落として
小さくつぶやく姿に
なんだか切なくなった。

そして同時に、

心筋梗塞になっても
杖をついてでも
寝坊してでも

バスにのって「女房」に会いに行こうとする
おじいちゃまと

施設に入ったことを寂しく思ってくれる人がいることや

杖をついてでも会いに来ようとしてくれる人がいることに

キュンとしてしまった。

お二人のこれまでの人生や
本当の関係性は
私にはわからないけれど、

お二人の築いてこられた愛を垣間見た気がして、

旦那様がいるって、
愛する人がいるって
悪くないなぁ、、

と思ったりもした。

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