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モンゴル旅行記その5

テルレジ国立公園。
あとで調べたら四国がスッポリ入るくらい広いそうです。とんでもないスケールです。

さてこの公園の中にお寺があります。

アリヤバル寺院

チベット仏教のお寺です。モンゴルの国民のほとんどはチベット仏教の信徒なのだそうです。そして実は今通っている大学の授業の一コマでチベット仏教についての講義がありました。「生まれ変わり」信仰、そしてマニ車と呼ばれる赤い筒のような物体。このマニ車とは回すとお経を読んだことになるとされているもので、読むことで徳を積めると信じられているそうです。

先生によればマニ車はこうしてコンパクトな形のものがあり、チベットでは主に高齢者が歩きながら回しているそうです。ハンドスピナーとも呼ばれているそうです。

アリヤバル寺院のマニ車はかなり大きかったです。

この寺院、結構高い丘の上にあり、入り口からは全く見えません。

入り口近くに大きな犬が座っていました。小雨降りしきる中です。毛も濡れていて何か可哀想な感じがしました。

さて登り始めましたが、やたら短い間隔で仏様のお言葉を刻んだ看板が立っています。モンゴル語と英語で書かれているので読めるのですが、いちいち立ち止まって読むには数が多すぎて大体は前半くらいを読みながら通り過ぎる感じでした。

たまに短いものもありましたが中にはこんなのもありました。
「たくさんの主人に仕える人は秋の牛のようだ」
??でした。
帰国してから仏教の名言などを探してみましたが、これだというものは見つけられず、いまだに意味のわからない、でもなぜか心に残る言葉でした。

看板が途切れるとところどころにモニュメントのようなものがありました。しかしここまで登ってきて結構息が切れました。まだまだあります。

吊り橋を渡り、ようやく寺院への道が見えて来ました。でも最後の最後に階段がありました。

これです。
あとで調べたら煩悩の数と同じ百八段あるそうです。
見上げた時はちょっと呆然としました。
痛み止めを飲む前だったら確実に登るのを断念していたと思います。
疲れてはいましたが幸い股関節に痛みはないので最後の力を振り絞って登りました。

色合いが素朴でどこか懐かしい感じです。取手がネズミだったのは驚きました。お釈迦様が亡くなる前、病気を治そうと亡き母マヤ夫人が天から薬を投げだそうです(「投薬)という言葉はここからきているのだそうです)けれど木に引っかかってしまい、ネズミがそれを取りに行ったのですが途中で猫に食べられてしまったとか。それで猫は仏教ではあまり良い生き物だとされていないといいます。ネズミはお釈迦さまを救おうとした良い生き物なのでしょう。でもちょっと驚きました。

中は静謐そのものでした。わたしたちの前にひと組観光客がいたのですがすぐに出て行って誰もいなくなりました。管理者もいません。

このしんとした空気はとても心地よかったです。この寺院は瞑想寺院とも呼ばれています。少しの間座って目を閉じてみましたが、とても安らかな気持ちになりました。

1998年から2003年にかけて建てられたそうで比較的新しいそうですが、聖なる気持ちになる場所でした。がんばって登ってきてよかったなと思えました。

あいにくの曇り空でしたが、もし晴れていたら寺院からの景色は素晴らしかったと思います。

行きには黒い犬がいましたが帰りには白い犬がいて、とても自然に寄ってきてくれました。もしかしたら寺院の守り神のような存在なのかもしれません。

あとで隣のゲルに住むお母さんの娘さんに聞いたのですが、モンゴルにはシャーマニズムもまだ残っているそうです。「北の方にいる」と言っていましたが、シャーマンに会ってみたいなあ、なんて思いました。

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