柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
【重要】長編版を連載開始しました。
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柳生暦37564年、死都町田は大いに色めき立った。押しも押されぬ柳生界のスーパースター、柳生十兵衛がこの街に表敬訪問に訪れるという。
十兵衛の首を獲れば金も狂気も思いのままぞ。十兵衛、ブッ殺るべし。柳生、ブッチ斬るべし。
かくして東洋一の大魔窟町田に蠢く海千山千魑魅魍魎有象無象の怪人物どもは、一目散に打倒十兵衛に突き進むこととなった。
口裂け女markⅡがいた。
内臓館の女主人 マダム・ストラテジーヴァリウスが蘇る。
柳生一族に復讐を誓う生き生首、千利休改め二兆億利休が怒る。
“濃尾平野の三年金縛り太郎” “一人タイガー&ドラゴン”こと、悪夢堂 轟轟丸が二千万騎の構成員と突っ走る。
新陰流史 最悪の忌子、柳生ベイダーがとなり町からやってきた。
人間兵器庫 ウォーモンガーたみ子が全身から銃弾を乱れ撃つ。
そしてここに俺がいる。
結論から言うと、柳生十兵衛はとんでもなく強かった。
町田に足を踏み入れて初めの一太刀で住民の八割が即死し(ここで市長が死んだ)、二太刀目で残りの大半も死んだ(ここで副市長も死んだ)。
俺はすっ飛んで逃げ、何とか生き延び三日が経った。
昼、サイレンが街に響く。防災課だ。
市民の皆さん こちらは 防災 放送 です
柳生 十兵衛が 本町田一丁目から 三丁目に 出没しています
お近くの方は 大至急 あきらめてください
職員は全員死んだはずなのに放送だけは続けている。律儀な連中だ。
「「「旦那!!今日こそ十兵衛を殺りに行くんですかい!」」」
ねぐらから出ると、町の生き残りどもが一斉に声をかけてきた。
"滅びの二分間"で俺は奴の剣を二度受け、刀が折れ、尻尾をまいて逃げた。
奴の剣を二度受けたというだけで、ここらでは英雄扱いだ。
とりあえずは刀が要る。頑丈な刀が。
俺は内臓館に向かった。
「やっぱワシ、超強いから陰謀など無用」宗矩はそう悟るや否や、即座に家康を真っ二つにした。
柳生王朝 正史より抜粋
(続く)