アリシア・スノウが死ぬまでの48時間
「やっとわかった。わたしがあんたにできる、たったひとつの一撃。喰らいな、クソ野郎、そしてさよなら」
そしてアリシア・スノウは、自分のこめかみに向けて引き金を引いた。
48時間前。
アリシア・スノウはいつものように、アリシア・プライベート・セキュリティ(APS)事務所兼自宅の安ソファで目覚めた。いつものように荒れ果てた部屋、いつものように酷い二日酔い、いつものように最悪の目覚め。何かが違う。
彼女の日常はシンプルだ。APSの評判を聞きつけて街中から訪れた女の依頼を聞き、依頼人の亭主やヒモやストーカーをブチのめし、その報酬で酒を飲み、時々はその辺りで捕まえた男とファックする。昨日もそうだった。だが今朝は何かが違う。
二日酔いの頭痛にこらえながら、ミルクを飲もうと冷蔵庫の戸を開く。
冷蔵庫の中にはミルクと、女の首。昨日の依頼人、カーラ・アンダーソンの首だった。
パトカーの音が近づいてくる。
ハメられた。
(続く)