ロボ・マザー
僕は悪目立ちするタイプだ。白い髪や金色の目だけが原因じゃない。
授業参観。
皆の保護者たちがやってくる。
僕のママはいない。
「ほら…あの子のお母さんが」「あの噂の…」「政府の秘密…」
ひそひそ話を聞かないようにして、祈るように目をつぶる。
今年はこのまま過ぎてくれ。お願いだ。
その時、授業用端末に強制バックドア回線でメッセージが入る。
『マーフィ、遅れてゴメンね。ニカラグアでのお仕事が長引いちゃったの。今向かってるとこ。教室は3階南端で良かったかしら?愛してるわ』
ああ。
キイイイイイ
ジェットエンジンの音が響いてくる。ああ、頼む、やめてくれ。
オムニ小学校 4-Fクラス check
室内人員位置 check
巡航速度 OK
突入パターン計算 OK
突入時の破片による負傷者発生確率0.00000% OK
CRASH!
粉塵舞う教室に、電子合成音声が響く。
『遅くなってごめんなさいね、マーフィの母です。さ、どうぞ授業をお続けになって?』
(続く)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?