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貢献感と成長感から考えるチームのあり方

自分の人生が充実していて幸福だと感じるために必要な気持ちは、貢献感と成長感なのではないだろうか。最近そう考えるようになった。

貢献感とは、「人に貢献できている実感」だ。実際に貢献しているかや、周囲の人からどう評価されているかは関係ない。自分自身が「貢献できている」と実感できるかどうかが重要だ。
貢献感という言葉は『幸せになる勇気』にも度々出てきた。

おそらく貢献感と幸福度の関係は多くの人に適用されるものだろう。

加えて、僕には成長感も必要だ。これは「自分が成長できている実感」「この分野で成長したいと思える向き先」と言い換えられる。成長感をどれだけ必要とするかは人により程度の差が大きく出そうだが、出来なかったことが出来るようになったときに幸福や充実を感じる人は僕以外にもいると思う。

これを仕事上のチーム活動に当てはめて考えてみる。
チームメンバーがチームに対する貢献感を抱いていて、取り組んでいる業務や技術について成長感を持っているのであれば、そのチームに所属し続ける意味や価値を実感している可能性が高い。エンゲージメントにも寄与するだろう。

貢献感を高めるためにマネージャーの僕にできることは、端的に言えば、チームメンバーが相互理解し信頼しあう関係性を築くための環境を整えることだ。各々が「このチームの力になりたい」と思える人間関係をつくるための下準備とも言える。
こだわっていることは、チームメンバーに「関係を築かせる」のではなく、「関係を築きたいと思った時に築きやすいよう準備しておく」ということだ。強いるでも促すでもなく、チームメンバーが関係づくりに踏み出そうとしたときに後押しをするような感覚……と言って伝わるだろうか。

一方、成長感については、業務に結びつけることがやや難しい。エンジニアなら一度は経験したことがあるかもしれないが、自分が興味を持っている技術が職場で採用されているとは限らない。また、新規開発しているときとバグ潰ししているときとでは、その熱意が同じとは限らない。ちなみに僕の場合、プライベートで熱中しているものがあると仕事に関する成長欲は薄れがちだ。
成長感、つまり「成長したいと思う向き先」は貢献感に比べ移り変わりやすく、また燃え上がったり弱まったりしやすいのだ。

ではマネージャーにできることがないかと言えば、そうでもない。
まずは対話を通じて現時点での成長感を一緒に言語化し、共通認識にしたい。成長意欲の向き先は変化しやすいものだと互いに理解にし、それが一時的に薄れたり仕事以外に向いたとしても、僕のチームであれば大丈夫であることを伝えたい。もちろん求める期待値は改めて伝えるが、その中に「仕事に関して常に高い成長欲求を維持すること」は含まれていない。そして、チームメンバーの成長感に結びつきそうな機会や仕事を探すことも、マネージャーの役割のひとつだと考える。
一人ひとりの成長感に伴走し、共にペースコントロールしたり、時に道案内したりしながら、チームとの接点を見つけていく。それが僕が狙うチームメンバーの成長感へのアプローチだ。

今度は視点を変えて、チームに対する貢献感も仕事に関する成長感も失ってしまったケースを想像してみよう。これはチームを離れる目前である可能性が高い。そのチームに所属している意味を見出せなくなっている状態だと言い換えられる。
こうなってから気づくのでは対処の余地が少なく手遅れとなり得るので、そうなる前から、チームメンバーの貢献感や成長感をウォッチしていきたい。

……こんな具合に、僕の現時点でのマネジメントはチームメンバーの貢献感と成長感を指標のひとつにしている。データによる裏付けはないので人に勧められる方法ではないけれども、と最後に注釈しておく。

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