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無痛分娩しよう!と決めるまで

もう1年以上前のことになるが
私は第二子を無痛分娩で出産した。
第一子は自然分娩で出産した私が
なぜ無痛で産むことを決めたのか
また無痛分娩のメリット・デメリットについて記載したい。

第一子の出産(自然分娩)

まず前提として
私の第一子の出産がどんな様子だったか簡単に書くと
「分娩所要時間18時間」
「弛緩出血あり、出血量多量」
であった。

こう書くと、恐ろしい大変な難産だったように見えるかもしれないが
まず初産婦だと分娩所要時間(陣痛が始まってから赤ちゃんが出てくるまでにかかる時間)が18時間というのは
わりと平均的である。

私の場合は
出産前日の夕方頃に10分間隔での陣痛が来て入院し
次の日の昼に分娩した。

入院直後の内診時には
子宮口の開きは順調と言われたが、
夜中は眠ってしまって陣痛の間隔が空いてしまったりもして
朝に陣痛促進剤を飲むことに。

そこから痛みがひどくなり、
出産までの3〜4時間は
約1分毎に腰が割れるような痛み。
助産師さんは1時間に1回ほどしか来てくれず
「いつ産めるのだろう」「いつまでこの痛みと闘うのだろう」という不安も大きかった。
いきみ逃しの呼吸がうまくできず
一瞬赤ちゃんの心拍が弱まったりもして、罪悪感も感じた。

お昼頃にやっと陣痛が強くなり
助産師さんに「いきんでいいよ!」と言われてからは
3回ほどいきむと赤ちゃんが出てきてくれた。

助産師さんが「元気な赤ちゃんですよ〜」と顔を見せてくれたが
私自身は「やっと終わった…!」としか思えず
赤ちゃんの誕生を(もちろん嬉しかったが)純粋に喜べなかった記憶がある。

その後、会陰切開の縫合処置をしてもらう間(これもなかなか時間がかかるし地味に痛い)、
3500g超えの大きめ赤ちゃんを出産して
疲れ切ってしまったのか子宮の戻りが悪く
いわゆる出血多量状態となってしまった。

なんとか輸血する程ではなく済んだが
次の日に看護師さんから
「お母さんの死因で1番多いのは出血なんですよ」と言われ
「え?私死にかけてたの?」と思うと同時に
出産は本当に命がけのことなんだなと
全世界のお母さんを尊敬した。

退院後1ヶ月ほどは実家で過ごしたが
出産や慣れない育児の疲れから風邪をひいて熱を出したり
マタニティブルーでわけもなく涙が出てきたりとメンタル面もボロボロ、
今思い出してもとてもつらい期間だった。

とまあこんな様子で
第一子の出産は痛みとの戦い、
産後は疲れとの戦いだったと思う。

第二子妊娠!無痛分娩という選択肢

そんな第一子の出産から2年ほど経ち
2人目の妊娠が発覚。
出産・育児であれほど大変な思いをしたはずだが
「まあもう一回くらいならいいか〜」と
気楽にとらえ、産院を探し始める。

ただ今回は
上の子が既に保育園に入っており
里帰り出産はしないつもりでいた。
そのため夫に1ヵ月育休をとってもらい、
産院もできるだけ自宅から通いやすいところに決めた。

そう、つまり産院を決める時点では
無痛分娩をするつもりはなかったのだ。
が、その後ホームページに「麻酔科」の
文字を見つけ、
そこで初めて無痛分娩できる産院であることを知る。

妊婦検診に通ううち
「もし無痛分娩をされるつもりなら
麻酔科の先生に話を聞いておいてくださいね」と言われ、
興味半分で説明を聞きに行った。

無痛分娩とは?リスクやデメリットは?

※ここから先はあくまで私が出産した
産院での話なので、
これから無痛分娩を検討される方は
その病院での方針や説明をよく聞いて
決めてくださいね!

麻酔科の先生からの説明は
以下のようなものだった。

・無痛分娩とは
分娩に伴う強い痛みを麻酔によってできるだけ少なくした状態で出産すること。
一般的には背中に細いチューブを入れ、下半身の麻酔を行う方法が多い。
またこちらでは麻酔科医が常駐していないため、出産日を決めて陣痛促進剤により計画分娩を行う。

・麻酔方法
長時間効く「硬膜外麻酔」と
即効性のある「脊髄くも膜下麻酔」を
同時に併用して行い、
安全かつきちんと痛みの取れる麻酔を実施する。

・麻酔の安全性
無痛分娩の麻酔方法は普通の手術でも行われるもので、
世界中のお産で多く用いられている方法。
重い合併症が起きることは非常にまれ。

・麻酔の副作用
軽い低血圧、体のかゆみ、気分の悪さ、体温の上昇等が起きることがあるが、
あくまで麻酔中に一時的に起きること。
麻酔後に頭痛が起きることもあるが、
ほとんどの場合は数日で治る。

・命に関わる事故
非常にまれな合併症としては
麻酔の針で神経を傷つけてしまうことにより起こる神経損傷感染血腫があり、
こちらは治療が必要になる。

また報道などで見る麻酔の事故として、
硬膜外麻酔のチューブが正しい位置に入っていないことに気づかずに
大量の麻酔薬を入れてしまうことにより、呼吸ができなくなったり意識がなくなってしまうことがある。
ただ当院では麻酔薬の量や投与するスピードを調節して行うので、
こういったことが起きる可能性はない。

・赤ちゃんや分娩への影響
母体の下半身の麻酔なので
赤ちゃんには直接麻酔の影響はない。
分娩所要時間については
陣痛が始まってから子宮口全開までは自然分娩と差がなく、
子宮口が開いてから赤ちゃんが生まれるまでは少し長くなる傾向がある。

・費用
自然分娩の費用+100,000円

無痛分娩する!と決めるまで

まず陣痛の痛みが無い(少ない)ということは
私にとって何よりのメリットだった。
一人目の出産は、陣痛に耐えることによって体力も精神力も多く削られたからだ。

痛みなく出産することができれば
きっと産後の体力回復も早いだろうし、
精神的な疲れも軽減されるだろう。

産後に上の子の面倒も見ながら
新生児を世話することを考えると、
少しでも楽に出産したかった。

また、入院中の上の子の世話を
夫や義母に頼むつもりでいたので、
計画分娩で出産日がはっきり分かるのも
ありがたかった。
夫には出産日に合わせて育休をとってもらい、
遠方から飛行機で来る義母にも
日程を事前に伝えることができた。

懸念として、無痛分娩の麻酔によって
お母さんが亡くなってしまう悲しい事故の報道を見たことがあったため、
本当に大丈夫?というのはずっと疑っていた。
が、もちろん今までそのような事故はなく
無痛分娩を多く実施している産院だったことや
こちらの質問にも丁寧に回答してくれる信頼できる先生だったことも
「やってみよう!」と思える一因となった。

出産には、自然分娩だとしても
必ずリスクがつきまとう。
(一人目の出産のときも出血多量になったし…)
夫ともよく話し合い、最終的には納得して無痛分娩をすることに決めた。

次回は、じゃあ実際無痛分娩してみてどうだったのか?
出産当日の流れ等について記事にしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。よろしければスキやコメントで感想をお知らせください。