見出し画像

第八回「アルマ第二章はじまる」

三回目の緊急事態宣言が発令された東京。
その街の中でなんとなく他人事な雰囲気が少しずつ出ているのは
きっと俺だけじゃない。

感染してしまった方のほうが意識して生活しているようにみえる。
俺たちはいつだって自分が遭遇しないと理解できないのだ。
いつだって。

でも、そんなことでは勿論ダメなので、自分なりに予防だとか
対策だとかを練って日々労働したり、こうして文章を書いていたりもする。

他人事の世の中にしっかりと自分も存在していることに
気づかないふりをしながら。

そんな生活を送りながらも音楽や活動を怠ることはなく
俺たちは次のステージ(うわ。かっこいい。)に進んだ。

ここに包み隠さず書くと
音楽をしっかり学ぶ決心がついた。
正直、今まで感覚とかで行っていて音楽の「お」の字も知らなかった。
それをみんなは「感覚でやっているのすごい!」とか言ってくれた。

その言葉にどこかしらでずっと酔っていた気がする。
と言うか。酔ってました!!!!!!!

「俺・・・感覚で出来るん・・・?すげぇ・・・。」みたいな。

でも、その感覚とやらも限界が来たようで
今年に入ってから良い曲ができなくなっていた。
なんとなく意識がその「感覚」だったり「センス」みたいなのを
求めすぎていて、「いやぁ、俺なら出来るっしょ?」みたいな
変な奢りみたいなのが垢になってべったり俺の音楽にこびりついていた。

今までの音楽は駄作なんかじゃ無い。
世に出して皆様に聞いてもらっている以上、俺は駄作を出したことは
もちろん無い。

全て素敵な曲だと思っているし、しっかり自信を持ってお送りしているのだ。

ただ、ただ。
その「感覚」だとか「センス」だとかは過信しすぎるとどんどん自分との
距離を離していくようで、それがしっかりと俺の元にもやってきた。

それを補填する為に俺は音楽を一から学ぶことにした。
友達にお願いをして定期的に音楽を学ぶ会を設けてもらった。

ありがとう。俺はまだ出来る。音楽を。

そして、先日配信で話をさせてもらったのですが
新曲が出ます。
タイトルは「現代における流行と文化の互換性についての考察」と言う
とても長いタイトルなのだけれど、
アルマが死んだ第二章の始まりの曲になります。

やっと自分以外の話を曲にできると思ったのです。
今まで「ユースフルデイズ」「生活」と2枚のアルバムをリリースしましたが。
ほとんどが自分自身の話で、誰に宛てたわけでもなく、
俺が俺自身に宛てた曲たちでした。

それを皆さんが自分に当てはめたりしてくれたり
共感してくれたりと。本当に俺は幸せ者なんだなって深く深く思います。

本当にありがとう。

なんで急にこんなことになったかと言うと
もう散々俺は俺の話をしてきたし、俺ってどんな人間かも皆さんもう
わかっていただけたと思ったからです。

今までの2年間はアルマが死んだ と言うよりはKOHEI SATO名義の曲たちだった気がします。
全然アルマが出てこなかったようにも思えます。
それはどう言ったことかと言うと。

これから先長い長い活動の中、俺たちはライブをし、音楽を作り、
皆様にお届けしていきたい。だからこそ、一番初めに
「俺はこういう人間ですよ」と言う話をしておきたかったのです。

2年かけて。

2年かけての自己紹介をして、やっとアルマが死んだが始動するわけです。

面白いでしょ?
なので、第二章からガラッといろいろ変わってしまうかもしれない。
でも、忘れないで欲しいのは、アルマが死んだはしっかり皆さんが想像し、思ってくれたままです。
その中でアルマ。彼女や俺は成長していくだけの話です。

よくバンドに対して「あのバンド変わったね」というマイナスは発言を
聞く。が。
それは正解なんだと思う。
「バンドは生き物」と言う言葉に胸を熱くするのに、その生き物の成長に感動しないのは何故なのだろう。

生き物は成長する。
それは俺たちもそう。

ただ、俺たちはしっかりと「こういう人間がこんなことを31年間してきました」という印を一番最初に残している。
それってどういう事かというと、
あなたや俺がしっかり帰れる家を作ったという事。
野菜を作って販売し、生産者を顔つきで紹介したという事。
(この説明めっちゃわかりやすくていいんだけど、音楽を野菜に例えたの多分俺が初めてだと思う)

だから、大丈夫。
不安なことなんて一切ない。

俺たちはまだまだ遊び足りない。
だから、音楽を通して永遠に満足しない腹を死ぬまで満たしていくだけ
なのです。

ついて来てください。なんて俺は言いたくない。
偉そうだから。

ただ、一緒に遊んでくれますか。
音楽で。

一緒に歩いてくれますか。
音楽で。


-----------------------------------------
2021.05.21
アルマが死んだ 第二章
「現代における流行と文化の互換性についての考察」

インディーズ音楽配信サイトEggsにて
MV配信

(↑クリックするとEggsに飛びます↑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?