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「漂流」を読んで

上司がおすすめと貸してくれた本。
ものすごく簡単にいうと、江戸時代の船乗りたちがシケにあい、無人島に遭難してしまう話。これがドキュメントだから恐ろしい。
水もない、通信手段も当然ない。どこだか分からない。日本なのか異国なのか。

自分だったらどうするかな。
まず遭難したことを嘆く。
ただただ助けがくるのを待つ。
だれかが遭難したことに気づいてくれて、居場所も突き止めてくれて、
きっと誰かが助けにきてくれるはずだと。
最初はきっと、そうな風に待ってみる。
でも、助けはこない。
水もなくてのどが渇く。お腹がすく。食べられるものがないか探す。
雨が降ってのどの渇きはちょっと癒える。でもまた不安。
無力なことに気づく。
絶望。

この漂流の主人公は、最終的に12年無人島で生き延び、故郷に生還してしまう。どうやって生還したのかが描かれている。

食料を見つけ、雨水をためる方法を考え、寒さをしのぐ知恵をしぼる。

漂流するのが運命だったとしたら、そのあとの運命は人それぞれだった。
意志を失くした者は体が弱り衰弱していく。もしくは自ら死を選ぶ。

生きたい、生きて故郷に帰りたいという強い意志。
いつか帰れるかもしれないという希望。

主人公は、最後までこの2つを失わなかった。
絶望したとしても、少しだけ考えてみたい。
本当に希望はないのか。私の意志はどうしたいと言っているのか。


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