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去年の振り返りと今年の頑張り方


年末からずっと、振り返ろう、振り返ろうと思っていたのに、もう三が日が終わろうとしている。

この年の瀬は暖冬のせいか何故かいつもと心地が違うように感じた。これも暖冬のせいにしていただけで、自分の気持ちがいつもと違っただけかもしれない。

何かを遠ざけようとしている感覚が去年の秋頃からずっとあった。


2019年とは


自分にとって2019年はどんな年だったかと聞かれると、答え方に困る。とにかく大きな動きのあった一年、という曖昧な回答しか思い浮かばない。


昨年7月、友人の謙太と創ったmeets newという会社を解散した。

この解散は自分から申し出た。後悔はない。


高校の頃、漠然と「社長になる」と言っていたことを微かに覚えている。金への執着があった。子供ながらに経済面のだらしなさ、感覚の不一致から両親は別々の人生を選んだのだと察していた。だからなんとなく金持ちを目指そうと意を決した。

シンプルにお金を持ってそうな人=社長、冗談交じりで言っていたが、どこかで「いつかなれるかもしれない」と思っていたのだろう。


2018年、今思えばいつの間にか、起業していた。やってみれば大したことはない、会社を作りますと宣言し、法的な手続きを済ませればそれは起業である。


ゆるやかに時が進むわけがなく、日々は走り去った。

デザインなんてやったことがなかったが、僕らはデザインを生業にして、お客さんと一緒に仕事をさせてもらった。デザインという言葉は今までの自分の解釈を超えていた。

楽しかったし、もちろん辛いことや悔しいこともあった。しかし、そんなことを丁寧に一つ一つ噛みしめる余裕もなく、お酒を飲んで、美味しいものを食べて、それをエンジンに、時には痛み止めのように体に取り込み、毎日をしのいだ。


2019年7月、二人で築いてきた会社に、お客さんから頂いた信頼に、みなさんが抱いてくれた期待に、自ら終止符を打った。もちろん話し合いの末、二人で決めたことだ。


その時と気持ちは変わっていない。「たかが1年ちょっとで何を」と思うかもしれないが、感情に期間は関係ない。思ったことがすべてだ。


自分は起業家という生き方に、ふさわしくなかったのではないかと思う。やる前は正解ないなんてない、自分らしくやろうと思っていた。

ただ、その中にもやるべきこと、あるべき姿はうっすらとある気がする。それを他人に押し付けようとは思わないが、自分なりにそう思う。

そのうっすらと見えるあるべき姿に、自分を当てはめようとすることができなかった。シンプルに言えば、努力が足りないし、努力の仕方もベストではなかったのだと思う。


お客さんをはじめ、もちろん相方にも、いろんな人に迷惑をかけてしまったと思う。ただ、それを申し訳ないとずっと引きずることは、もっと失礼だ。そうならば解散するな、それだけの話だ。だから後悔はしていない。


10月頃までは、ほんとうに気が落ちていた。心の中がずっと曇天。夜真っ暗な部屋で、目を開けたまま天井を眺める日も多かった。音楽を聴いていたら、自然と涙が出てくることもあった。


自分で決めたことだが、それ以上に自分で決めたことを途中でやめたという事実が、自分を苦しめていたことに気付いた。今まで、途中で投げ出す、やめる、という経験がなかったために、ショックが大きかったのだろう。


今は途中でやめることが、必ずしも悪いことではないとわかる。自己肯定のようにも思えるが、きっとそうだ。やめちゃいけない、逃げちゃいけないという呪縛があるのかもしれない。考えに考えた上での選択は、どちらでも美しい。


公式noteにもあるように、解散はネガティブではない。今も謙太とはいくつか仕事を一緒にしているし、お互いに目指す姿、やりたいこと、熱中できることにしっかり向き合っている。彼と仕事ができて本当によかったと思う。学ぶことがたくさんあった。それはまた別の機会に。


2020年は…そして今何をしているのか


なんとなく、今年は勝負だと思っている。毎年「今年が勝負だね」と言われるけど、たぶん今年は本当に勝負。今後の自分の人生を大きく左右する年だと思う。

会社を解散してからは、いわゆるフリーランスとして働いている。肩書きは何かと聞かれれば難しいのだが、カメラマン兼クリエイティブディレクターと答えている。自分でもしっくり来ていない。


具体的に何をしているかと言うと、

 ・カメラマン
   ∟写真、映像ともに撮影~編集まで
 ・コンセプトメイキング
   ∟企業やブランドのコンセプトやビジュアライズ
 ・ブランディングコンサル
   ∟上記のコンセプト設計からそれの浸透、認知
 ・メディア運営
   ∟JapanMadeを引き続き、編集長として
 ・その他
  ∟クリエイティブ関連の諸々

こんな感じでいくつかのプロジェクトに携わり、日々動いている。


ただ、根っこにある芯というか、自分の強みは変わっていない。

「日本のモノづくり、伝統工芸に携わり、この文化を持続させていくこと」だ。ここはブレない。

JapanMadeはもちろん、現在はMAZDA社のInstagramにてビジュアルディレクター兼カメラマンとして、別角度から日本のモノづくりの素晴らしさにフォーカスしたり、今年できる新駅高輪GW駅にて、伝統工芸ショップの公式キュレーターとしても選出頂いた。

一番の課題は販路であるが、販路に至るまでのニーズづくり、認知に引き続き自分は力を入れていこうと思う。そしてもっと若い人たちにも日本のモノづくりに携わって欲しい。この文化に携わることがかっこいいことだと認識して欲しい。そのためにもっと自分を磨いていきたい。


結局。


結局自分は、自己表現をし続けたいのだと思う。自分が思うこと、感じること、考えることを、ストレートに、時には別の形で表現していきたいのだと思う。

だから自分を過度に抑え込む環境は苦しいし、そうしなくても大丈夫なように、もっともっと努力して、自分を磨いていかないといけないなと思う。


そしてもう一つ、2019年に気付いた大事なこと。


「まわりの人たちの大切さ」


当たり前のことだけど、当たり前のことの大事さを再認識した。自分が悩んで苦しい時、決して輝いているとは言えない時も、ずっと励ましてくれたし、支えてくれた。隣にいてくれた。

一緒にお酒を飲んで、美味しいものを食べて、スポーツをして、旅行をして、元気をわけてくれた。

自分一人で生きてやる、強くあろう、自分が一番大事と気張っていたが、そんなことはどうでもよくなった。

自分が大切だと思える人たち、自分を大切に思ってくれる人たちが笑顔で楽しい日々を送ってくれたらもうそれでいい。

みんなそれぞれ、笑顔になれる理由や楽しいと感じられる瞬間は違うけど、少しでもそこに貢献したい、携わりたい。

今までこういうことを言う人を見ると、「本気で言ってんのかな、自分が一番大切じゃない?」と思っていたが、今はその人の気持ちがわかる。

本気で思っている。

大成したいとも、有名になりたいとも思わない。ハングリー精神に欠けると思われるかもしれないが、俺がハングリーになりたい部分はそこじゃない。

大切な人たちを大切にしたい、一緒に笑って、人生最高だなと思えればそれでいい。


2019年はそういう意味では、すごくいい年だった。本当に、本当に大切なことに改めて気付くことができた。


「あいつは最高だ」とみんなが誇れるような自分であり続けられるように、今年もまた頑張ろうと思う。


携わってくれているみなさま、いつも本当にありがとうございます。


これからもよろしくお願い致します。


河野 涼



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